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頭の中の対話

生きづらい、息が苦しい、どうでもいい。
何年か前に自分を殺すことをやめてから、この問題が付き纏っている。
具体的な原因は分からない、とりあえず辛い。
脳みそがエラーを起こしてそうさせているのかもしれないし、周りの環境がそうさせているのかもしれない。
昔はそれでも良かったのだが、不幸でいる事に満足する事は飽きてしまった。
そこで、パッと浮かんだ方法として、
普段は無視している頭の隅にいる自分と対話をしてみることにした。
体操座りをして縮こまっている彼と。

 イマジナリーフレンドなんてのはいなかった。
その代わりなのかは分からないが、昔から頭の中にもう一人自分が住み着いている。
人格が入れ替わったりする事はないのだが、ストレスが溜まると頻繁に口を挟んでくる。
迷いが生じた時に天使と悪魔が囁くみたいな表現があるが、恐らくそれに近い存在だと思う。
そんな頭の中の彼と久しぶりに談笑していると少し糸がほぐれてきた。
本当少し。

 基本的に人間を肯定して生きている。
どんな人も価値なんて概念を必要とせず、生きていて良いと思う(殺人者がどうなのか、まだまとまっていない)。
分かり合えなくとも、関わっていられる対象だ。
しかし、頭の中の住人は違う事を言う。
ヒトなんてどうしようもない生き物だと力強く語りかけてくる。
現在進行系の理想主義の自分に、今まで起こった負の経験を一点に請け負った自分がNOを突きつけてくる。
ヒトはヒトを傷つけるし、どうしようもないヒト(からだと頭を上手く使い分けられる)もいるのだと。
「馬鹿」なヒトはいる、それも数え切れないほどいると。
お前はそんなヒト達に傷つけられたのを忘れたのかと。

 段々と怖くなってきたので、短いがこれだけで対話はやめた。
余裕が無い自分にとってはとても魅力的な考えだったが、目を背けた。
更に、あまりにもスムーズに彼を受け入れられたことから、狭い脳みその中で起きているこの一連の対話を無意識に普段から行っていると気づいてしまった。

 今日は理性が勝ったが、彼は虎視眈々とチャンスを待っていそうだ。
どうしたら、彼は許してくれるのだろう。
 
 なんて微妙に自分と向き合ったが
重い腰とうだつは上がらぬまま、今日のところも時計の針だけが上を向いてしまった。

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