時間から解き放たれた身体

ピンクのしっぽを振り回し走り回る青空の下、退屈な製造機が歌うくたびれた工場の墓、ニヒリストたちが指差す宇宙の果て、夏とは退廃的な死を打ち出すための道具である、と丸い手をした機械がカタルシスに至るために騙ることごとくのエゴを迎合し、それにより出来た橋でデタラメに飛び降りる連帯感の角、過渡期を迎えた人類との対話なんてできるはずもなくて、みんなはでっち上げられた欲を着させられ、奇跡を待ってばかり居るから、なんにも変わらずに、関わるほどに憎しみばかりが増えてくだけだし、テクノロジーの呪いかなんかが、トロイなんかを脳内に打ち込んで、終わらぬバグが生み出す幼稚なサイクルにより理性は損なわれ、そこでの聖人君子が打ち出す理想が政治的なものを持ち出し、やたらめったらに扇動し、めったうちにされた国家は骨格を失い、薄皮一枚で耐えながら、己の利権のためだけに蠢く馬鹿を数限りなく生み出した結果が、この有様であるし、あらゆる欠如の果てに切実さは失われ、互いを押し除け、陥れるためだけに生きていることが、生きていることのように語られ、今に騙し合うためだけに絶えず働きかける。ジャンキーの自販機たる君の身体、固形物を吐き出す速い感度、犠牲的な深夜に響く胎動、時間の終わりによりポロポロと崩れ去る物体の最後、災厄を何かに転嫁させ、自らの罪や痛みを引き剥がすような試みの後から迫る偶像と偶然の先から現れる気配のようなもの、簡単に消費される関係性から持ち出される制度や制約なんかがうるさく付きまとう。感情の駅に止まる列車、ランタンの火が遥か無垢な情景にただよい、根幹を腐らせ、狂った未来の雷管により爆砕した過去からここまでの距離を測り、はびこる悪意を模倣する人々の蒸れた香り、理性すらもなく、清貧な過去を漁る記念日のケダモノ、誇大妄想に浸る君の起源から結ばれ、確かな愛を謳うよりも速く揺蕩い、定めすらもなく、すらすらと毒吐き嘘をつき、互いを引き延ばすための玩具たる人生との決別を終える。

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