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思想家の休日

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#散歩

偶然

どう猛な権利を謳う犬たち、泣いているクジラのために、暴力革命に勤しむ彼らが保つべきことなどのどれもが、意識を奴隷化させる結末に至る。その結末に接続される連綿たる記憶が消されるための瑣末な現実の中で繰り返し唱えられる正しさなどに、正しさなどはなく、そこでなぞらえるものが、恐怖などを謳い、自らと同化させるためにうそぶかれるものにカタルシスなんかに至り、入り浸る結末に加速する、奪うためだけの規律などは無

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号哭する世界

ひとつの箱に住まう神、アルバムの中から飛び出してくる歌が繰り返し騒ぎ出し、神が住まう箱を壊してしまい、人々は仕方なく人間が作った機械の島で欲を加速させるための燃料として生きていることを、生きているかのように語りかけては、互いの魂を奪うための闘争を加速させ、尽きることない欲望の彼方でうごめく宇宙に果てがないから、人々の欲は尽きないのだ、と教え込まれた教育により、人々は狂ってしまったのだ、とこの島のボ

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相似

誰も恨まないし、誰も憎まない、たかだか笑って、軽やかに歌い上げる。この国を潰すのは、みんなの力なんだ、とレジスタンスが加速させる怒りが枷に変わる前に、この世をひっくり返すために、このよどんだ世界から抜け出すのよ、とウサギの耳を付けたアリスがカタルシスに至るために綴る論理の底なし沼、まじわる先にはこの世の終わりをめぐるアニマルたちが泳ぐインドのソナガチでの止まない雨、病んだ子供たちが水たまりで息絶え

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いざなう先

いざなう先

何処へと靡く言葉、逍遥する紫色した雲が主体性を捨て、カビ臭い部屋で一人踊り、悪魔どもが巣食うネットワークから飛び立ち、サイレン鳴る夜から解き放たれ、たびかさなる恐怖には渦巻く憐憫を授ける。広義の意味なんかを破棄し、勝手気ままに踊り、理想なんてものは、今のバランスを崩すだけに至り、浸る意味なんかに駆逐されては、去りゆく今に欺瞞をたずさえ、徒らに輪唱される真理に偏り、カタストロフが持ち寄る論理に均一な

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退避

接続される世界と融解するために、物質として生まれた定めを背負い、荘厳な夢とかさばる言葉がかさぶたなんかに変わり、ロジカルなイデオロギーを推敲する科学者の蒸れた匂いや、浪費される質感にたむろする軽薄で無知な私の他愛ない瞬間に交互する所以がこじつけるものから放たれ、レイシズムなんかに震えるよりも、そこで増えるだけの目的に苦しむよりも、そこで疎外され、自らの性悪説により歪んだ世界を自らの力により更にこの

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逍遥

誰にでもわかるように書いて、知ったように語られるもんなんかが流布されて、あたかも理解したように書かれたものを信心しているような奴らに反する。だらだら歩いて、誰の後ろにもついていかないように、自らの意思だけで歩みを進め、簡単な感謝で誤魔化さぬように、むちゃくちゃな持論を捻出しながら、世界との乖離をよろこび、簡単に還元されるものから逸脱して、ままならぬ世界を屠りながら、長らくにせめぎ合う意味が忌々しく

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弾ます心

家おるんは孤立してる言い張る精神科医による精神分析なんてもんを、ばこーんと殴り倒すような快楽が降り注ぐ文学的な瞬間、走り回る子供たちは、なんで走り回るかなんてことは考えんと、どこに力がかかって加速するんかなんて科学的な道理なんかはいらんし、居ても立っても居られへんらしい彼女たちや、彼らの動機なんかは、なにかを所有しているが故に、存在の不確かさに苦しみよって、よってたかって貪るための動機に駆逐される

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