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思想家の休日

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2021年7月の記事一覧

満ちる

クリエイティブな猫たちが巨大な椎茸の上で踊る夜、迷妄にひたる君の白い太ももを這うナメクジの孤独、失意を溜め込んだ風呂桶、均等なものなんてないのが摂理である、と短命な騎士が嘆く夜明け前の荘厳で剥き出しな青春のエゴ、迎合されるものにより偏りを絶えず生み出す醜い朝、土足で入り込まれた無垢な君のもがれた翼、求められるほどに苛立ち火照る身体の構造的な終わりや、デカダンスに至り、悲観的な君の観点を漁るための理

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時間から解き放たれた身体

ピンクのしっぽを振り回し走り回る青空の下、退屈な製造機が歌うくたびれた工場の墓、ニヒリストたちが指差す宇宙の果て、夏とは退廃的な死を打ち出すための道具である、と丸い手をした機械がカタルシスに至るために騙ることごとくのエゴを迎合し、それにより出来た橋でデタラメに飛び降りる連帯感の角、過渡期を迎えた人類との対話なんてできるはずもなくて、みんなはでっち上げられた欲を着させられ、奇跡を待ってばかり居るから

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はびこる夏

ただひぐらしが鳴く散漫な森で、乱立する証拠を高尚なもののように崇める何者でもない君たちの血のようなものがこぼれ落ち、落ち度なんかを謳うなんでもない日々の中でのカタルシスなんかに至るために絶え間ない軋轢を生み出す鬱鬱としたものによる歯痒さと、革命的であればあるほどに、あらゆる弊害が生まれては消えるだけの怠惰な関連性や関係性の中でちぐはぐな制度を生み出すことごとくが、物事はそこで統合すべきだと謳い、ち

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葉音

もうどうでも良い、とカラは秋の陽光に包まれ、絶え間ないリズムによる高揚感に誘われ、遠くの風や貨幣や壁に囲われ満足していることを演じる栄養失調の子供たち、檻の中の大人たちは、閉鎖的な夢の中で価値観なんかを勘違いしながら、金を稼ぐことが幸せの近道みたいに語るだけで、幸せが何かすらも理解できないから、ひたすら追いかけているようで、追いつかれ食いものにされ、食い扶持のために引き延ばす命は、ますます不幸せそ

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隘路

機械的な結末に遭遇する模倣的な伴侶、この世界の鈍磨な軋轢により、気配すら損なわれ、機会すら奪われる私たちの苦痛、遭遇する意識の波形やら、経過するほどに迫るニセモノの過程やら、そこで価値観を構築するほどに勘違いを生み出し、今に踏み外す君を褒め称え、誰かの儀式的なものの生贄や、生簀に入れられ、血合いされるのを待つだけの日々の顛末に逆らい続けるわけであるし、そこでの屈折した高揚感に騙されずに、ずっと突き

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掌の中での声

金星の濃硫酸の雨の中で踊る彼女、ゲルニカの中でアンニュイな楽園を紡ぎ、札束の船の上で屍に変わる私たちの秩序、もっと欲しい、と心神喪失を演技しながら、多目的に流動する原理的な警笛が鳴る、独善的な公衆の面前では、さまざまな思惑が無様に乱立し、一瞬で保身に走るだけの退廃的なためらいを加速させ、プリミティブな胎盤の中で、リリカルなものを歌い上げる記憶の名残や、濫觴したものとは、自らが見出したものだけであり

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証拠にも残らぬ獣

倫理的なカラスが飛び回る。吸収された力によりブヨブヨに太った政府や社会が転がり続ける。瓦解しない意思は強靭、あらゆる利便性で切り裂かれた大地に花を咲かせるための大雨により崩れ去った我が家をながめる悲しみを慰めるための手であるから故、誰かを殴ったり叩くためには備わったものではないし、肌の色や顔の色々が違うが遡ればひとつの記号であったのであり、考え方は違うが、誰もロジカルなカタストロフなんてものに身を

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突き抜ける思い

音がない思い出を泳ぎ回る魚のような気分だ、と彼女のうつろな目から溢れる涙はダイヤモンドだから、必死にかき集めている継母たちの畜生道を歩く屈折した茶髪の子どもの暴力性や、ピアニカを吹きならす政治屋たち、喧騒ではドラスティックな告白を続ける神を睨む少女や、腐敗臭ただよう街からの風により、ここまで鼻をつんざく饐えた香りが街の情報を伝える。あらゆる悲劇を透過させる夏の太陽、悲劇の軒下からあふるる愛の顛末、

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すぐさま昇華

ずっとこのままってわけにはいかないが、ここでこうして、じっとして、実体すらもわからなくなるまで理解したり、または懐疑的になり乖離したり、はたまた理解したフリをして、誰彼構わず騙したら煽ったりする連中と体当たりしたり、無視したりしながら、見たくないものに蓋をしたりもするし、せっかくの命を大事にできなかったり、出会ったり別れたりを繰り返して、この宇宙もひろがり続けているのであるし、あらがったりまた会っ

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未熟な交換

物事を研鑽し、物理的な死を昇華させるための詩篇が降る夜、残虐な仲人が泣く和毛の丘、訴求されるものが捻出する理念、利権の構造を駆逐しても、新たな欲と力が権力を絶えず生み出しハミングする。流布する感情がチクチク痛いの、とタートルネックに苦しむ敏感肌の神、風雨にさらされた寝ぐら、ぐらつく予感やら、蓄積する苦悩やらに飢渇する民衆たちの憎悪の吹き溜まり、死しても尚、疾患に苦しむ機械的な羽虫、行政的な器官が飲

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桎梏

桎梏

はじける時系列、君の起源の青と白、阿片窟の番人たち、このどうにもならない気持ちの節、短絡的な同化により強固になる意思が告げる政治的な偶像や妄想が生み出す空疎な空白、迫害を受けた、と罪をかいかぶり、自らを卑下するモンスター、あなたの願いはいつでも叶う、と嘯く健気な彼女の喉元、可能世界の中で位置付けされては、存在を又借りし、借用書に嘘の名前を書きまくる狐、言い訳がましい彼氏と、忌々しい神々、あらゆる偏

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簡単な勝利

簡単な勝利

甘い言葉が横行し、あいまいな今にままならぬ私情がランダムに降り続き、機械的なアナグラムが政府に打倒し、多頭飼いされた意識の翅をもぐ青春の毛色や回路が浪費していく結末から逸脱し、訝る先では言い訳がましく迫る緩慢な理由が健全なものを謳いながら、短絡的な支配を続けるためにためらわずに語られるものが、当たり前のように信じさせられる教育から解き放たれ、自分で自由に学ぶために重要なことをかいつばみ、簡単に答え

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進撃

どこにも正しさなどは存在すらせず、思想なんてハナから生きてすらなく、自らの偏りにより圧死し、真実や真理なんてものは、クソの役にも立たない。ムカっ腹を抑えるために吐き続ける陰口、たちまちは苛立ちに消費され、証拠も残さずに消え去る。意識の最北端に住まい、起源などを蝕み歩く。侵食してくる宇宙の黒、くたびれた花束を抱えた老人の過去、度重ねる苦しみを繰り返し輪唱する彼女の感じ易さにたやすく消費される衝動が食

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海辺

この絶え間ない憎悪の中を泳ぐ魚、大好きな君と大嫌いな誰かの価値観、勘違いばかりしている観点を捕食する人類と、数多の経路を踏み潰す巨人の足、君が居なくなって生きている意味なんて無くなってしまったが、君が居なくなってから、生きていることに意味なんて無くても生きていけることを知った、と語る無謬性で出来た君の政治的なプロセスに反して、私は私であることを黙認する。世界の隅々まで推敲し、すべての観点を洞察しな

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