【レポート】第1回スタートアップM&Aセミナー|ペライチ × ラクスル 大型資本業務提携
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【レポート】第1回スタートアップM&Aセミナー|ペライチ × ラクスル 大型資本業務提携

マネーフォワードシンカが3週連続で開催しました「スタートアップM&Aセミナー」のレポートをお届けします。

本イベントでは、実際にM&Aや大型資本提携を経験したスタートアップ経営者を招き、M&Aに至った経緯や、実務面、生まれたシナジーなど体験談をお伺いします。本レポートを通じて、より多くの方にM&Aを身近に感じていただければ幸いです。

第1回のゲストは、2020年9月に増資による4.9億円資金調達とラクスル社による既存株主からの譲渡含め49%の株式取得を発表された、株式会社ペライチ代表取締役社長 橋田さん、ラクスル株式会社取締役CFO 永見さんです。

登壇者のご紹介

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ラクスルからペライチへの出資経緯と裏話

金坂:橋田さんから、今回の資金調達についてペライチ社内向けに説明会を行った際に使用された資料もご準備いただきました。こちらの資料も見ながら、本日はお話をお伺いできればと思います。

早速ですが、今回の投資 背景や経緯についてお伺いさせてください。

橋田:当初は、2020年末をターゲットに数億円の資金調達を計画しており、それまでのつなぎとして、2019年末から2020年春にかけて、融資等も含めた資金調達を模索していました。

ところが、その矢先に起きたのが、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大です。当時、コロナがどう事業に影響するのかが見えない状況だったので、まずは外部から資金調達無しでも会社が存続できるよう、黒字化に向けて大きく舵を切り直すことにしました。その結果、2020年7月には単月黒字を達成しています。

実際のコロナの影響としては、デジタルシフトの流れがむしろ事業の後押しになりました。ペライチは収益源が2つあり、1つがホームページ制作『ペライチ』、もう1つが『ペライチ決済』という決済サービスです。特に『ペライチ決済』の業績が好調だったので、5月時点で、年末を予定していた資金調達を前倒しする意思決定をしました。

金坂:その時点では、まだラクスルとはお話をされる前でしょうか?

橋田:どの投資家さんにご相談するか検討する中で、永見さんが元々ペライチのエンジェル株主として入っていただいていたので、当然相談したいなと思っていました。そんな折に、永見さんからちょうど良いタイミングでメッセージをいただいて。 

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金坂: この時、永見さんとしてはすでに資本業務提携の可能性は感じていたんですか?

永見:多少は考えていました。橋田さんとは2016年頃に出会って、 エンジェル投資をさせていただいたのは2018年。もともと応援している中で、ペライチのサービスや方向性はラクスルとも近いなと思っていました。過去にも「ペライチとラクスルで何か協業できないだろうか」みたいな議論をした覚えがあって、改めてこのコロナの環境下、かつ業績が伸びている中で資金調達を検討しているのであれば、我々の出資の機会もあるんじゃないかなと、そういう思いでしたね。

橋田:そこからいろいろ議論しまして、本格的にデューデリジェンスを開始したのは、7月頃ですね。安井さん(ラクスル株式会社マーケティング部長)も含めて。月1回は対面で、週1~2回はZoomで話してましたね。 

永見: Wix.com(イスラエル発の無料ホームページ作成サービス企業)の戦略を例に、みんなで議論したり。

橋田: 事業戦略の他に、組織戦略についても話しましたね。

金坂:橋田さんとして、この提携によって特に強化したいエリアはどの部分でしたか? 

橋田:マーケティング領域ですね。ここは、お互いの共通認識としてパワーが足りないんじゃないかって思っていました。結果的にラクスルでマーケティング部長をされていた安井さんに、ペライチの取締役COOとして入っていただきました。次は管理部ですね。管理部メンバーが足りないので、そこを整備していこうと話していました。

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なぜラクスル/ペライチだったのか

金坂:ペライチ社内向けの説明会の際も、「なぜラクスルなのか」は特に丁寧に説明されたとお聞きしました。改めて、この部分をお伺いさせてください。

①ビジョンにおいて目指してる世界観が近い
双方のビジョンはこれからの時代により求められるであろう、生産性が向上するという点においてつながると思っています。ラクスルの”仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる”というヴィジョンは、非効率な部分を、仕組みによって変え、生産性を向上させていきましょう。と解釈することができます。一方、ペライチの“『つくれる』の、その先へ”というビジョンは、ユーザーの皆様が作れるのその先に行く(=成果を出せるようになる)と、Webによる集客効率化が実現し、生産性が向上することにつながっています。

②マーケット・事業戦略
広い意味でのマーケティング領域を、印刷とWebという逆サイドから攻めていくイメージを持っています。言うなれば目指すべき山は同じで、違うアプローチをしている会社だと思っています。

③顧客基盤
・ラクスルとペライチは顧客がスモールビジネスという親和性の高いサービスで、これからお互いのシナジーが生まれることを期待しています。
・ユーザーにとっては、Webだけでなく、紙も含めたマーケティングの選択肢が増える、またサービス上もお互いをシームレスに連携できるような改修も予定しています。

④組織
・成長角度をあげるためにお金以外のリソース協力も積極的です。
・ラクスルが経験した組織成長がペライチでも再現性があると判断したためです。

⑤その他
・ペライチのビジョンやカルチャーを大切にしてくれています。
・ラクスルとのディスカッションの中で、僕たちが思ってた以上に成長余力があるところに気付かされました。
・コアメンバー含む何名か話をさせてもらって、人柄的にも非常に魅力を感じています。
・サポーター制度はペライチの強みだと思って尊重してくれています。

(ペライチ社内向け資金調達説明会資料より)

橋田:ビジョンが近しい(①)ということと、マーケット・事業戦略(②)については、永見さんと、エンジェル投資していただくよりも昔にディスカッションした話なんです。広い意味でのマーケティング領域を、それぞれ「印刷」と「Web」っていう逆サイドからアプローチしてるよねと。

顧客基盤(③)のところは、ユーザーさんにとっても、今後僕らがシームレスに連携することで、マーケティングの選択肢を増やしつつ、例えば、印刷物、ポスティングからのLPへの着地みたいなことも提案できるといいなと思っています。

組織(④)は、この後でてくる資本構成の話も含めて「ガッツリ提携しましょう!」という中で、お金以外のリソース協力などを検討していきました。

ディスカッションする中でも、ラクスルの役員の方々がすごく良い人たちだなと感じたり、ペライチ独自の組織運営や制度も尊重してくださったり、ポジティブな部分がでてきましたね(⑤)

金坂: ありがとうございます。逆に、ラクスルから見たときになぜペライチだったのでしょうか?

ラクスルは上場企業なので、今回の大型資本業務提携について、いろんな投資家の方からも質問される環境かなと思うんですけどそのあたり、永見さんいかがでしたでしょうか?

永見: ラクスルの主力事業である印刷事業で培った顧客基盤や販促基盤を活かして、紙以外の販促領域にも事業を広げようという全体ストーリーに沿って投資させていただいたので、ラクスル社内でも比較的納得感がありました。また、提携後に投資家と話す中でも、ペライチとの親和性については評価いただいていると思っています。

ペライチはそのサービスの名前の通り、リテラシー問わず簡単にホームページが作れるし「1つのホームページからまず始める」というのは、ラクスルで言う「オンラインデザイン+チラシ」と思想が似ているところがあると感じています。

例えば、今後デザインの共通化や、プロダクトレイヤーでのシナジーもあり得ると思っているので、そういう意味においても非常に親和性が高いと考えて、投資させていただきました。 

金坂:PLは連結されるんですか?

永見: 我々がまだ連結会計をしていないので、現時点においては、純粋に1保有株式という感じですね。今後仮に我々が連結会計になった場合にはペライチ社も強制的に連結適用、その場合は持分法ですけれど、対象になるという形です。

出資後のラクスルとペライチの関係性について

金坂:重要な決定事項として挙げられている「ラクスルからペライチへのメンバージョイン」「株主構成」についても、聞かせてください。

橋田:人については、ペライチの取締役はずっと創業役員3名だったんですが、ラクスルから取締役2名と永見さんに監査役として入っていただきました。

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橋田:先ほど少し名前が出ていた安井さんは、マーケティングを中心に幅広く実務を見ていただいています。ちなみに、ペライチに100%フルコミットで来てもらっています。白石さんはラクスルでは経営企画部部長で、僕と一緒に管理部門、CTOと一緒に決済領域の改善に取り組んでもらっています。 他にも、ラクスルから出向で来ていただいているメンバーがいます。 

金坂:ありがとうございます。ちょっと面白いなと思ったのが、マネーフォワードも、2020年夏にR&ACという会社にグループジョインしてもらったんですが、マネーフォワードの古参メンバーがR&ACにフルコミットで出向したり、戦略担当の執行役員が社外役員で入っていて、近しいものを感じました。 

永見:いいですね。安井さん自身も、今回のチャレンジは非常にエキサイティングで楽しいと言ってくれていますし、そういう機会があることが、ラクスルにとっても非常にありがたいです。安井さんには「成功するまでラクスルに戻ってこないでね」とある意味プレッシャーを与えることで、経営者として成長してほしいという気持ちもあり、そういった育成の機会もいただいているなという風に思っています。

橋田:僕たちも、良くも悪くも創業役員3名という体制から、外から強い人を入れたいという話はずっとしていたんです。結果的に、安井さんがフルコミットで入ってきてくれて、ブルドーザーのようにとにかく物事を前に進める意思決定のスピードや内容など、僕ら創業役員も良い意味で危機感とプレッシャーを感じています。そういう意味で、両社でレベルを上げていけるようなチームになっていけると思います。 

永見:そういった信頼関係作りの面では、コロナの環境下で対面で中々会えないというのは、結構大変だったことですね。

橋田:そうですね。対面は月1回ぐらいで、あとはもうひたすらZoomとMessengerでやりとりしていましたね。

永見:僕たちの間には元々の関係性があったので良かったのですが、そうでないと、リモートメインでの大規模な出資は難易度が高かったと思います。緊急事態宣言中は、特に感じましたね。

金坂:マネーフォワードとR&ACの事例も同じで、2年ほど前から協業していたり、経営陣同士で一緒に食事に行っていたり、かなり信頼関係があった中で、コロナの環境下でプロジェクトが動き出して、そこからほとんど会ってない状況でした。やはり長期間の信頼関係は大事ですね。

出資比率49%の検討プロセス 

金坂:株主構成の変更についても、お伺いさせてください。

橋田: この図のように変更しました。

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橋田:もともとはVC、事業会社、エンジェル投資家の皆さんに株主として入っていただいていました。永見さんがラクスル社内で検討された結果、投資をするならガッツリやった方が良いのではという話になり、永見さんと僕で、複数パターンのシナリオを議論しました。

結果的に、既存株主分は全てラクスルに売却いただいて、そこにさらに増資分を加えて49%という形になりました。

永見:社内でもいろいろと議論する中で、1株主というよりはリソース投下も含めてガッツリ入らせていただいて、一定比率を保有させていただいた方が、本気になれるよねというのがありましたね。意思決定の構造はシンプルな方がいい、そのために株主数はできる限り減らした方がいいと考えて、既存の株主にもその点を相談できないかということで、結果的には、我々以外は全て今回売却いただきました。 

金坂:なるほど。では、既存株主の皆さんはある意味ペライチに投資してちゃんとリターンを得て、こういうシンプルな資本構成になったということですね。素晴らしいです。 

永見: この売却交渉に関しては、投資家数も多かったので、正直紛糾するかもしれないと思っていました。しかし、ラクスルと組む意義とか、ビジョンレイヤーで会社をこうしていきたいというところを、橋田さんが既存株主の皆さんによく説明してくださって、VCやエンジェル投資家の方々も、その点を理解して売ってくれたのが僕としてはすごく良いサプライズだったなと思います。

橋田:少し補足すると、リードVCだったニッセイキャピタルさんと、しっかり膝を突き合わせてお話しました。他の皆さんは「基本的にはリードに従います」と言ってくれていましたので。

社内向けのメッセージングと反響

ビジョン達成のために規模が必要
業績の拡大を今以上に意識していかないと、僕たちのビジョンは実現しない。質と量。ともに大事。
僕らに近いところでは実現してるかもだけど、日本全体で変わったかと言うと、まだそうでもない。
※25万ユーザーは達成したが、日本全国で見るとシェアが全然取れていないという現実

変えないこと・変えて行きたいこと
会社運営全般:業績の拡大をより意識します
# 変えないこと
ビジョン・カルチャーは今まで以上に大切にしていきたい
# 変えていきたいこと
人事面:異動含めた組織変更
評価制度:人事評価制度の再構築と運用(次Qから着手)
報酬面:パフォーマンスに応じた給与水準アップ・業績連動ボーナスの検討

(ペライチ社内向け資金調達説明会資料より)

橋田:これは社内向けのメッセージなんですが「でかくいこうよ」っていう話をしてます。25万ユーザーは達成したけど、まだ全然シェアを取れてないし、みすえているものは先にあるよねっていうメッセージです。

一方で、例えばビジョン・カルチャーのような部分は変えたくないねと。会社としてのフェーズが変わっても、大切にしてる部分は変えたくないという意思表示は明確にしておきたかったんです。併せて、人事面とか評価制度などは整備していきたいということも伝えました。 

金坂:ラクスルに合わせるということではなく、ペライチの中でバージョンアップしていくような、イメージですか? 

橋田: 仰る通りです。参考にはもちろんしますし、知見を投入していただく部分はあると思いますが、全く同じというわけではないです。

金坂:ちなみに、こういった社内向けの説明はオフラインでされたんですか? 

橋田:オンラインです。本当はオフラインでやりたかったんですが、現状ペライチは出社自由というスタイルなので、基本的に全てのことをオンラインでできるようにしています。

いろいろなメンバーから、いろんなところから反響があったと聞いてるんですけども、基本的にはポジティブでした。

もちろん個別に不安や疑問を感じたメンバーもいるかもしれませんが、そこは役員だったりマネージャーだったり、各レイヤーから丁寧に説明していただいてます。僕自身のメッセージとしては、ストレートには伝わってるかなと思っています。

Q&A

金坂:ここからはQ&Aということで、いくつか質問させてください。

まずは、4.9億円の使い道について。人材関連に使っているのでしょうか?というのと、人事関連の再構築について、オンラインも含めて具体的にどんなアクションをされてるのかなど、差し支えない範囲でご回答をお願いします。

橋田:増資分は人材関連に使ってるのかという質問に対しては基本的にYESです。増資前の想定では、人材、マーケティングへの投下を考えていましたが、直近では人材関連が中心ですね。特に、エンジニアや管理部門を中心に補強しています。マーケティング投資を重視するのは2021年からになります。

具体的な施策については、目下着手中という状態ですが、現状、全員出社というのは考えていないので、基本的にはオンラインで対応していく予定です。様子を見ながら、出社のペース等は会社のポリシーとして検討していくつもりです。

金坂:これはちょっと答えづらいかもしれないです。既存株主の譲渡が選択肢に入ってきた際、ラクスル以外の選択肢も検討されましたか?

橋田:ラクスルさん以外の所謂VCであったりとか、その他の調達手段というのは、途中までは検討してました。その後、ラクスルさんでいきましょうとなってからは、全く他は考えてなかったです。

それは、結局「なぜラクスルなのか」という話に尽きますね。別に高く売りたいからどうこうという話でもないですし、一緒にやることで僕らの成長に繋がるかという観点が重要だったので、他は探しませんでした。

永見: 一方で、僕らが正式に本格検討させてもらうタイミングで「ラクスルで決議できる可能性が100%でない限りは、会社がサバイブすることを考えてちゃんとオルタナティブは横で持っておいた方がいい」と、僕から橋田さんに対してフラットにアドバイスしました。

金坂: すごくフェアですね。

永見:会社の成長が一番大事ですからね。あとは、例えばメディアでも、A社がB社を買収とかA社がB社に出資という様に、買う方とか出資する方がフューチャーされがちなんですけど、スタートアップ業界って、圧倒的に出資される方が主役なんですね。資金調達する側、出資される側が主役なので、この案件を通して「ペライチにとって何が大事なのか」をちゃんと追及していくのが重要だと思っています。

金坂:次に、今回の案件で想定外だったことや今だから言えることはありますか?

永見:繰り返しになるんですが、想定以上にコロナで物理的に会えない中で「本当にちゃんと進められるのだろうか…」と思っていたんですが、信頼関係があれば、我々世代の出資やM&Aの話ってMessengerでだいたい終わるということを学びました。良い意味で想定外でしたね。既存株主がちゃんと理解して、比較的早い時間軸の中で全部売ってくれたというのも、想定外であり感謝してるところです。

橋田:僕の方では、最終的な出資比率は想定外でした。最初は、マイノリティで20%以下ぐらいで進めるかなと思ってたんですよね。ガッツリやる話は議論を進める中で、後から出てきたので、ポジティブですが想定外でした。

金坂:ありがとうございます。確かに、Messengerですごいスピードでやりとりが進みますよね。

永見: 場合によってはお堅い意向表明書などのやり取りもあるんでしょうけど、今回は9割以上がMessengerとZoomで完結しましたね。逆に言うと、コミュニケーションの頻度は高かったです。やはり、こういうタイミングだからこそコミュニケーションがちゃんと密にできる方が、信頼関係も生まれていいかなと僕は思ってます。

橋田:Messengerを見返してみたんですが、ほぼ毎日やり取りして、数字が必要なところとかはスプレッドシートに全部落として共有していましたね。お互いにクイックに情報を共有できていたと思います。 

金坂: ありがとうございます。取り組んでみて、本出資における最大のハードルをもし挙げるとすれば、何だったでしょうか?

橋田:先ほど永見さんからお話もあった、既存株主の皆さんとの交渉ですね。

永見: そうですね。全株主の取りまとめを橋田さんにかなりサポートいただきました。

あとは、意外に思われるかもしれないですが、ラクスルにとってここまで大規模な比率、金額で企業への投資をするのは実は初めてだったんです。そういう意味では、社内の取締役会などで、かなりディスカッションを繰り返して、時間がかかったのかなと思います。 

橋田:僕らペライチ側の議論で、一番大事だったポイントは、客観的に見てこの比率になると近い将来ラクスルグループにジョインするっていう選択肢も現実味を帯びてくるので、それを許容するのかというところですね。社内へのメッセージングとしても「上場を目指します」と言い続けている中で、上場以外の選択肢を含めて、検討できるかというのが一番大きい意志決定だったと思います。

その議論の末に、今回の意思決定に至ったのは、ラクスルからのサポートがペライチの成長にとって一番重要だと思ったからです。

上場やM&Aは、最終的なEXITの手段ではあるものの、やはりビジョン実現のために会社が成長することが一番重要で、それ以外のことは小事でしかないと納得することができましたし、そこに至る議論が重要だったと思います。

永見:橋田さんは、デューデリジェンス中も同様のメッセージを僕に聞かせてくれて、それがすごく印象的でした。こういう比較的若い企業でのアライアンスや出資、M&Aの場合、やはり大義が何かというのはすごく大事かなと思っています。

金坂:ありがとうございます。大義と信頼関係ですね。

ちなみに、既存株主の皆さんに売却いただくのは、どうやってご納得いただいたんですか?

永見:そうですね。VCさんからすると、ペライチさんが今後さらに成長することを期待しているものの、今回のように、まとめて売却できる機会はレアだというところをしっかりご説明させていただきました。そして何より、ペライチさんにとって大事な機会なので、実現するためにサポートして欲しいという感じでお伝えしました。我々としては、既存VC分を全て譲り受けさせていただかないと案件成立は難しいと考えていたので、そこもお伝えしました。 

金坂:そこは橋田さんと永見さんでご一緒に説明されたんでしょうか?

永見:最初は橋田さんから説明いただき、その後Messengerで各VCに僕を繋いでもらいました。一株いくらというのは、僕らと各VCが同意しなければいけない話なので、その条件交渉は基本的には僕がやりました。

金坂:それでは、最後の質問ですね。視聴者の方からいただいています。こういった大型資本業務提携を提案できるようなCFOは、どうしたら採用できるのでしょうか? 

永見:僕の場合は、PEでの投資やその前もM&Aの仕事を経験しているなど、キャリアが特殊だったので対応できた部分もあります。

そういった方を採用できない場合は、マネーフォワードシンカのような財務アドバイザーに相談しながら進めることが大事だと思いますね。お互いにとって重要なポイントを1つ1つ明らかにして、それを解決できるっていうのは、細かいファイナンスの議論より前のビジネス基礎スキルな気がしています。これは普通、起業家1人でできますし(実際に橋田さんはされていました)、CFOに限らずビジネス的な折衝ができる方がいて、テクニカルなところは弁護士や会計士、財務アドバイザーにご相談すればできると思います。 

採用の話はよく聞かれるんですけれど、おそらく投資銀行の若手であれば、若干粗削りなところはあっても大体できると思います。あとは、EXITした起業家・経営者に入ってもらうとか、色々なパターンがあると思うので、絶えず探し続けることが大事だと思います。

橋田:そういう意味では、既存株主で永見さんも含めたエンジェル株主の皆さんは、EXIT済みの起業家の方々なので、色々ご相談させていただきました。 

永見:その状況ってすごくポジティブで、フルタイムで入ってもらうことだけに固執しない方がいいと思います。アドバイザーもそうだし、副業としてサポートしてくれるパターンや、エンジェル投資家もすごく時間は使えなくても、チャットでの相談だったらすぐ対応できたり、そういった方々に仲間にしていくのは、起業家としては大事なんじゃないかなと思います。

金坂:ありがとうございます。今日のセッションを受けて、また永見さんにエンジェル投資の依頼が来そうですね(笑)

永見さんもおっしゃってくださいましたが、当社マネーフォワードシンカでは、こういった資本業務提携を含めて資金調達ないしはグループジョイン、M&Aなど幅広くアドバイスをさせていただいています。

ご興味のある方は、お問い合わせフォームや、私のFacebookとTwitterに直接ご連絡ください。

橋田: 僕も個人的に金坂さんには相談のってもらったりしていますが、本当におすすめです。

金坂:ありがとうございます!では本日ご聴講いただいた皆様、そして永見さん橋田さん、貴重なお話をありがとうございました。

マネーフォワードシンカ窓口
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金坂直哉(Naoya Kanesaka)
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次回は、Treasure Data共同創業者 芳川さんをお招きした「シリコンバレーのテクノロジースタートアップM&A」をレポート予定です!是非マネーフォワードシンカ公式noteをフォローください。

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文・構成/甚野広行苞山美香

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「経営者の想いとSynchronizeし、経営者とともに進化する」 成長企業向けフィナンシャル・アドバイザリーサービスなどを提供するマネーフォワードシンカの公式noteです。 https://corp.mf-synca.jp/