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マネーフォワードCHRO・人事本部長が描く、優しさを持ちながら強くなる組織

マネーフォワード採用公式

2022年8月1日、マネーフォワード初のCHRO(Chief Human Resource Officer)に、元ファーストリテイリング人事部長 武山慎吾さんが就任しました。

今回は、その武山さんと、People Forward(人事)本部長の石原千亜希さんに、インタビュー。

お互いに、コンサルと経営企画という、全く別の職種からキャリアチェンジし、マネーフォワードの人事組織を牽引するふたり。

直近2年で従業員数が倍増する(2020年11月865名→2022年5月1,610名)急成長組織での、人事・組織戦略や、現在の取り組み、今後目指す組織像など、お話を聞きました!

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◎ 元コンサルと経営企画。異色のCHROと人事本部長

やるならば世界で一番人事に詳しくなる。泥臭さと戦略の両輪で学んだ人事の醍醐味

ー 武山さんと石原さん、おふたりとも「コンサル」「経営企画」という、それぞれ人事と全く違う仕事をされていた中で、何がきっかけで、人事にキャリアチェンジされたんですか?

武山:僕は、前職ファーストリテイリングの、柳井社長との出会いがきっかけです。

当時、BCGでは仕事中心の生活を送っていたんですが、結婚して子どもができたことで、ワークライフバランスを見直したいと考えて、転職を決意しました。職種はオープンに考えていたのですが、経営に直接携われるというところでファーストリテイリングに興味を持ち、選考を受ける中で、「人事をやってみないか」と提案されました。

未経験の分野だったので、意外な提案でしたが、最終面接で柳井社長から「経営の半分以上は人事ですから」と言われて腑に落ちた感覚がありました。振り返ってみれば、人というのは経営のあらゆる局面においてキーとなる要素なんですよね。例えば、コンサル時代も、色々な戦略策定や事業開発等に携わってきましたが、結局はクライアント企業の担当者によって、プロジェクトの最終的な成否が分かれる実感がありました。そういった経験からも、「人事というのは、企業の競争力の源泉となる面白い仕事かもしれない」と思って入社を決めたんです。

ただ、実際入ってみて驚いたのは、「人事ってこんなに泥臭い仕事なのか」ということ。

入社直後から、退職や休職するメンバーの面談を任されまして、毎日会社のドロドロした話を聞きながら「こんな仕事をするために転職したんだっけ?」と、めちゃくちゃ葛藤していました。

ー 入社直後としては、かなり厳しい仕事でしたね。

武山:でも、そういった仕事をする中で、個人やチーム、会社全体の状況が見えてきたり、色々な情報が入るようになってきました。「こういう泥臭いことをやりながら、戦略の企画・実行といった経営的な動きもするという、その両輪が必要なんだ」と腹落ちしてからは、人事の仕事にとてもやりがいを感じられるようになったんです。

当時、柳井社長には「あなたは人事未経験かもしれないけど、この会社で人事をするからには、世界で一番、人事に詳しくなってくださいよ!」とよく言われていました。

そういう良い意味での期待とプレッシャーのもと、知識やスキルは必死にキャッチアップしましたし、入社2年目からは人事部長も任せていただいて、おかげで、5年という短い期間ではありましたが、組織や人について自分なりの考えを持てるようになったと思います。

マネーフォワードという組織に、ファイナンスとは違う角度から向き合ってみたかった

ー 石原さんはいかがですか? 経営企画部の部長が人事に異動ということで、社内では驚いた人も多かったと思います。

石原:私は、経営企画部で幅広い経験をさせてもらったからこそ、今度は違う角度から組織を見てみたいなと思って、金坂さん(取締役執行役員CFO。当時の石原さんの上司)に相談していたんです。

そうしたら、今でも覚えているんですが、2021年の年始に「あけましておめでとう! 相談してくれていた件ですが、人事ってどうですか?」って連絡がきて(笑)ちょうど、人事制度変更プロジェクトが進んでいるタイミングで、その中で「石原さん人事いいんじゃないか?」という話をしてくれたみたいです。

ー これまでの専門性を活かして、CFOを目指したり、他の会社に転職という選択肢は、考えなかったんでしょうか?

石原:もともとは「専門性をどう活かして行こうかな」と思っていたので、社内外でどんな機会があるか少し探し始めていました。でも、他の会社を見ても、マネーフォワードほどのスピードで成長していて、事業に広がりがあり、社会にインパクトを与えられて、そこに自分が貢献できる実感を持てる会社がなくて、やはりマネーフォワードでもっとやれることを広げていきたいと思ったんです。

人事は、全く未知の仕事だったんですが、逆に先入観なく、純粋にチャレンジしてみたいと思えたのと、もともと休日に個人の活動として、ダイバーシティ推進のプロジェクトをやっており、人が活躍する組織作りには興味があったので、すぐに「やりたいです!」と返事しました。

そこから、2021年の前半は東証一部への上場市場変更などもあったので、経営企画部と兼務しつつ徐々に人事の業務を増やし、12月に本部長になりました。

◎ ファーストリテイリングからマネーフォワードにジョインした理由

第一印象は「人がいいのに遠慮がない」でもそれがよかった

ー 武山さんは、日本を代表するグローバルカンパニーで、人事部長として活躍されていた中で、なぜマネーフォワードのCHROになろうと思われたんですか?

武山:ちょうど、1年くらい前に、石原さんとお話したのが最初のきっかけですね。

石原:そうですね。私が、人事に異動すると決まった時に、金坂さんに「人事の経験がないので未経験から人事になって活躍している人がいたら、話を聞きたいです」と相談して、紹介してもらったのが武山さんでした。

第一印象として、「人事」を単に人や制度に関わる仕事ではなく、経営の要素として捉えている人だなと思ったのを、覚えています。あと、人柄がめちゃくちゃ良いのに、初対面の私にも遠慮がないというか、歯に衣着せずにバンバンきわどいことを言ってくれて、逆にそれがなんかいいなって(笑)

武山:そんなこと思ってたんですか?(笑)

いや、その時はまさか、自分がマネーフォワードに転職するとか、ましてやスマートに見せようとかそういう想いが一切なくて、僕のこれまでの経験や人事に対する考え方などを、誤解なく、余すところなく伝えたいなと思って、ちょっと熱が入りすぎたというか……。

ー 率直に色々お話いただいたということですね(笑)そこから、どうお話が展開したんですか?

石原:それとはまた別で、CHRO不在というのは、マネーフォワードの経営の大きな課題の1つだったんですが、ある日「武山さんみたいな人がCHROになってくれたらいいなぁ。あれ? よく考えたら何で誘ってなかったんだろう? 誘わなきゃ!」と、思い立ち、お声がけしました。

武山:ただ、その時僕に、全く転職の意思がなく。

石原:そうだよなぁ、と思いつつ「1回だけ、辻さんと話してみてもらえませんか?」とお願いして、辻さんと話してもらったんですよね。そこで風向きが変わりました。

「優しさを持ちながらの成長は理想論なのか?」これまでの葛藤に活路が見えた面談

ー 辻さんとお話して、どう気持ちが変わったんですか?

武山:ポイントがふたつありまして。

ひとつは、それまで恥ずかしながら、マネーフォワードについてあまり分かっていなくて、辻さんとお話する前に調べる中で、こんなに勢いのある面白そうな会社なんだ、と知ることができました。

ふたつめに、実際に会った辻さんが、柳井社長と全く違うタイプの経営者で、それが妙に印象に残ったんですよね。

僕は、ファーストリテイリングの中で「柳井イズム」を叩き込まれて、ものすごく共感を覚えていましたし、いまだに僕の羅針盤となっています。今のファーストリテイリングがあるのも、柳井社長の厳しさであったり、徹底した実力主義のおかげだろうと思います。

一方で、人の価値観が変化し、多様化しているこれからの時代には、もしかしたら違うやり方もあり得るんじゃないだろうか、という気持ちもあったんです。

もちろん、世界を舞台に、社会を変えることを目指しているので「実力無き者は去れ」という厳しさは必要です。ただ、そうするとどうしても、プライベートの事情やライフステージの変化に目をつぶって、仕事に全身全霊を懸けなければならない。正直、僕自身も、コンサル時代は「高い報酬をもらってるんだから、プライベート度外視で仕事にフルコミットして当然でしょ」という価値観でした。

でも、人事になって、組織の中には色んな人がいると、改めて気づいたんです。その人たちの一人ひとりの力を最大化するために、自分なりに試行錯誤する中で、伝統的な日本企業の同質性を重んじる家族主義的なやり方でも、逆に極端に合理性を重んじる成果主義的なやり方でもない、新しいやり方を見つけないとダメなんじゃないかと思う自分もいて。

もう少し多様性を受け入れる、器の大きさというか、懐の深さというか、ある種の優しさが必要なんじゃないかと。

石原:うんうん。

武山:でも「それってただの理想論で、甘っちょろい考えなのかもな」と葛藤もありました。

そんな中で、辻さんが、そういった優しさも持った上で、メンバーだけでなく多くのユーザーからも支持されている素晴らしい会社を作り上げてきていると知りました。今後の自分のライフワークとして、この優しさを持ちながら世界に通用する強い組織を作るって、めちゃめちゃ面白いかもって思ったんです。

◎ 優しさを持ちながら世界で通用する。これまでにない新しい組織をつくりたい

「Fun」の意味を問い直し、MVVCを競争優位の源泉にできる会社

※MVVC…Mission、Vision、Value、Culture

ー 「優しさを持ちながら世界で通用する組織」というキーワードもありましたが、今後、マネーフォワードはどんな組織を目指すのか、おふたりの想いなど聞かせてください。

武山:どこかの会社をロールモデルにするというよりは、全く新しい、世界で支持される会社を目指したいです。

トップダウンで事業の規模や成長だけを追及するのではなく、会社の使命や存在意義を大事にする会社。それらに共感する多様なメンバーが集まり、それぞれのメンバーの自主性や発想力が信頼され活かされて、大きな力になる。結果、社会にとって本当に価値あるプロダクトとサービスが生まれ、ユーザーと社会に愛される会社になるというイメージでしょうか。

石原:人事は、その絵をしっかり描いて、リードできる組織にならないといけないですね。

私は、マネーフォワードが大切にするカルチャー(Speed、Pride、Teamwork、Respect、Fun)の中でも、Funをどう捉えるのかが、これからはより大事になってくると思うんです。

先日社内で行った、リーダーシップ育成研修でのアクティビティが、とても示唆的だったなぁと思って。

10人1チームで円になって、その内1人が円の中心に入り、他のみんなが投げ込むボールを、できるだけ沢山受け取るというゲームだったんですが、最初は、1〜2個取れるだけですごく盛り上がるんです。それだけでもすごく楽しいし、一体感も生まれるんですが、ゲームを続ける中で、「最初より沢山取れて満足する」チームと「全てのボールを取るまで諦めない」チームが生まれたんですよね。

これってまさに、組織の縮図で、「楽しいことをする」Funか、「成し遂げることを楽しむ」Funかの違いだなと思いました。メンバーや会社が成長するには、前者だけでは難しいですし、逆に目的を強制して、「何で全部取れないのに満足してるの?」というスタンスでも興覚めしちゃいますよね。困難に対してみんなで立ち向かうことを、ワクワクと楽しめる、「私たちならもっとできそうじゃない? 全部取ろうよ!」という空気を、施策や枠組みから作れるかが勝負だと思ってます。

武山:メンバーみんなが、なぜ自分たちはマネーフォワードにいて、何を実現したいのかという目的を持って、チームで誇りを持ってそれに取り組めることが、真のFunだと思うし、そういう会社にしたいですね。

マネーフォワードのMVVCに共感して、プロダクトにも愛着のある人が多いからこそ、皆が「その力になりたい」ではなくて「自分がリードしていく」という気持ちになって、「自分の持てる力を最大限に発揮したい」と思う、そういう組織になれたらめちゃくちゃ強いと思いますし、「人の人生を前に進める」という壮大なミッションは、そういう組織にしか、叶えられないんだと思います。

強さと優しさを両立するのが、新しい時代のエクセレントカンパニー

ー メンバーがMVVCに共感し、それを実現するために全員がリーダーシップを発揮できる組織を創るというのは、すごく難しそうですね。

武山:そう、きっと難しい。でも、それが、新しい時代のエクセレントカンパニーっていうことだと思うんです。

メンバー一人ひとりが、今、自分の使える時間の中で最大限達成できる目標をストレッチして考えて、それに向けた試行錯誤や創意工夫をするなら、会社はそれを評価するし、サポートもするよっていう関係性や意識でいるっていうのが理想ですね。優しさはあるけど、甘えはないという感じでしょうか。

メンバーが仕事にやりがいを感じて、人生も謳歌し、ちゃんとお客様から支持されている。そんな組織にできると、みんなそこで働きたいし、ビジネスもしたい、社会から求められる、愛される会社になると思うんですよね。そういう会社を作りたいですね。

◎ マネーフォワード人事施策の今とこれから

「MFグロースシステム2.0」に魂を込める

ー そういった組織を実現するために、人事としては、どういった施策を進めていくんでしょうか。

石原:ここ1年は主に、新しい人事制度の整備に取り組んできました。「MFグロースシステム2.0」として、昨年12月にローンチしたものですね。

主なポイントは以下の4つです。

1.給与レンジの上方改定
2.アウトプットに対してよりフェアな評価・報酬体系の導入
3.目標設定・評価/Goal for Growth(G4G)制度の運用強化
4.より働きやすい環境づくりや、資産形成のサポート

石原:制度整備とセットで大事なのが、その制度が定着するように、運用していくこと。1on1や目標設定など、これまでやってきたけど最適なやり方を知らなかったトピックについて、体系だって学ぶ機会を作れるように、今期はテキストの共有や、ロールプレイングを含めた研修などを始めました。

中でも、実際に「成功体験」を積んでもらうことが、とても大事です。

私自身も、メンバー数人の経営企画から、50人以上で構成されている人事に移ってきて、マネージャーとして何をどうすれば良いのかとても戸惑いましたし、会社が急成長する中で他のマネージャーも、同様に困っているのを感じました。

そんな時に、具体的なベストプラクティスを共有することで、「できている状況ってこういうことなんだ」「こんなアプローチもあるんだ」と理解して、自分もやってみて成功を実感する、それでやっと腹落ちできるんだと思います。そのサイクルをもっと早く回したいですね。

ー 確かに、ここ半年で、メンバー向け、マネージャー向けどちらもナレッジ共有や研修の機会がとても増えた実感があります。

武山:今のマネーフォワードにとって必要な制度や仕組みは、ある程度整ってきていますよね。

これから重要なのは、この制度に、メンバー全員で魂を入れていくこと。

制度を作った辻さんや、石原さんたちは、この制度を通じてメンバーや会社にどう成長して欲しいのかという明確な想いがあると思うんですが、それを実際に運用する人事メンバー、マネージャー、そしてメンバーにはまだ伝わりきっていないところもあります。それを丁寧に伝えて、フォローしていくフェーズなのかなと思います。

テーマは「経営人材の育成」と「全社レベルでの適材適所」

武山:今後のテーマとして考えているのは、「経営人材の育成」と「全社レベルでの適材適所」ですね。

今後も事業や組織が拡大していく中で、また、新規事業開発やグループジョインを通じて事業が多角化していく中で、「経営人材の育成」は喫緊の課題です。メンバーの中でも、将来、経営者になれる可能性のある人を、年齢や社歴などに関係なく抜擢して、更なる成長の機会を提供していかないといけません。

石原:マネーフォワードのような、カルチャーフィットを重視する会社は、採用でマネージャー、経営層を増やすのがとても難しいですよね。

ハイレイヤーの方々はそもそも市場に少ないし、カルチャーフィットする人となると、さらに限られてきます。そうなると、やはり一定程度社内で育成をしていかないといけない。しかも、会社の成長スピードが早いので、育成のスピードも上げていかないといけません。そのための設計が必要です。

そのために、先ほど話題に出た、リーダーシップ育成研修なども行っていますが、まだまだ整えて行くべきポイントはたくさんあると感じています。

(リーダーシップ育成研修のプログラム風景)

武山:「全社レベルでの適材適所」は、メンバーの成長のために、研修以上に重要です。

そのメンバーに合った業務内容、一緒に働く上長や同僚というのは、成長を加速させるために最も重要な要素ですが、これを全社で最適化するのはとても難易度が高い。人事は、会社の組織、人、事業、業務などを詳細に把握した上で、メンバーのポテンシャルが最大限発揮される人材配置を、3年後、5年後のストーリーも描きながら行う必要があります。

直近で、人事の中にBP(Business Partners)部を立ち上げたのもその一環です。ちょうど、各事業を担当する人事メンバーを配置し、組織や人の現状把握に動き出したところですね。

ー お話を聞いていると、メンバーの、そして組織の成長を叶えるためには、人事がよりプロフェッショナルなチームになることが必要なんですね。

石原:そう思っています。人事は、「事業部を支える」「従業員満足度を上げる」という機能に留まらず、経営に直結するポジションだという視座を持つことが重要です。

武山さんも私も、人事バックグラウンドではなく経営に近いポジションだったからこそ、そういう視点をより持ち込めるんじゃないかと思います。メンバーと経営層の間に立って、どちらの意思を汲みながらも、顔色をうかがうのではなく、人事として会社をドライブしていきたいですね。

武山:もちろん、人事として、メンバーが困っていることを解決して、献身的にサポートすることも引き続き大切です。ただ、そこで終わらずに、一人ひとりのメンバーが、その力を最大限発揮できて、かつチームワークと適材適所で1 + 1を2以上にする、その結果、会社が強くなって社会により大きなインパクトを与えられる。これこそが人事の存在意義だと思います。

こうしたチームの一員として、人事の専門家・経験者でなくとも、世の中の流れ、会社の方向性を踏まえた上で、組織と人に関わるあらゆる判断に携わりたいという意思を持った人には、是非仲間に加わって欲しいですね。

ー 今後のマネーフォワードの成長と、新しい人事の取り組みに注目ですね。おふたりともありがとうございました!

取材・文/苞山美香(マネーフォワード採用広報)
写真/新田大航(マネーフォワード採用広報)


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