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「人生100年時代」の働く時間を考えよう

こんにちは。キャリアコンサルタントの松岡澄江です。
 
突然ですが、みなさんは一日何時間ぐらい働いていますか?

会社に勤めている方なら、就業時間が7~8時間で規定されていることが多いと思います。

近頃はコロナウイルスの影響で、リモートワークを実践する職場も増えていますが、通勤時間や朝の支度も働くための時間とカウントすると、トータルで10時間ぐらいになりそうです。残業時間を入れるとさらに増えますね。

私自身はフリーランスとして働いているので、仕事と生活の時間の区切りがあいまいです。休日でも、気づけばPCの前であれこれ作業していますし、就業時間が決まっていない分仕事をしている時間は結構長いと思います。

今回は、私たちの人生と働く時間の関係について考えてみたいと思います

とにかく、私たちの人生が長いらしい

戦国ドラマでは織田信長が「人間50年~♪」と唄うシーンがありますが、定年が70歳になろうかという現代では、ちょっとピン来ませんよね。

昔は医術も発達しておらず、乳幼児の死亡率も高く、貧富の差もあって栄養状態が悪い人もたくさんいたため、人生が短かったのだろうと思います。

とはいえこの寿命、実は最近まで結構スタンダードだったようなのです。

厚生労働省集計の「生命表」によれば、昭和22年の日本の平均寿命は、男性が50.06歳、女性が53.96歳。
戦後という時代背景もあるかもしれませんが、つい70年ほど前でも、平均的な人生の時間は50~60年くらいだったのです。

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それが今や「人生100年時代」がやってくるといわれています。

先の「生命表」によれば、令和元年の日本人の平均寿命は、男性が81.41歳、女性が87.45歳で、いずれも過去最高を更新。日本人の平均寿命はどんどん延びていて、次世代の働き方を考察したリンダ・グラットンの著書『ライフ・シフト』では、「2007年に日本で生まれた子どもの半分は107年以上生きると予想される」と書かれています。

今の時代を生きる私たちは、これまで誰も経験していない人生の長さを過ごすことになります。「昔はこうだった…」「これまでの常識では…」といったフレーズが、今後は参考にならなくなりそうです。

今を生きる私たちの人生は長い、そして前例はない。

自分のキャリア=人生全体(*)を考える時に、意識しておきたいフレーズです!

*mezameでは「キャリア」を単に仕事の変遷ではなく、仕事を含めたその人の人生全体ととらえています。

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人生の中で「働く」にあてる時間も増えていく

平均寿命が延びていて「この先の人生は長い」ということがわかりました。では、それにともなって働く時間はどのくらい増えるのでしょう。

みなさんは何歳で社会人になりましたか?

私は高校を卒業してすぐに就職したので、18歳がスタートでした。学歴によって20歳、22歳と違いはありますが、およそ20歳前後で就職する人が多いですね。

私が子どもの頃は、会社員の定年は55歳だったと思います。それが60歳になり、現在は高年齢者雇用確保措置によって定年廃止、もしくは65歳までの引き上げ、または65歳までの継続雇用が義務化されました。令和3年4月からは、さらに70歳までの就業機会の確保に関する法律が施行されます。

20歳で働き始めた人が70歳まで働き続けるとなると、ざっと50年。55歳定年だった頃から比べれば、なんと15年も働く時間が伸びています!

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人間の生涯の3分の1は睡眠時間だそうです。一日24時間の3分の1=8時間。大人になるに従って、この時間すべてを熟睡できることはあまりなくなって来ますが、寝てばっかりだった乳幼児の頃や、高齢になるにつれて疲れやすくなることなどを考えれば、あながち間違いでもないかもしれません。

では、自分が覚醒している残りの3分の2の時間の中で、「働く時間」に費やしているのはどのくらいなのか?

9時〜17時のいわゆる定時で考えても、昼休みを入れて8時間。つまり、覚醒している16時間のうちの半分を仕事にあてていることがわかります。
これに、通勤時間が入り、残業をすることが当たり前になっている人の場合は…??

ちょっと考えても、日常の大半が「働く時間」であることがわかります。仕事に充てる時間をより良い時間にしていくことの大切さが、このシンプルな計算でも感じられますよね。

働く時間の充実度は、人生全体の満足度にも大きく影響してきます。せっかくの人生です。よりよい時間が過ごせたらうれしいですよね。

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人生の節目ごとに「より良い働く時間」を考えよう

「働くこと」に求めるものは、その人の仕事観や人生観によってもそれぞれです。

やはり食べていくために、給料などの条件が大切
さまざまな制度が整っている、福利厚生が手厚いこと
ライフスタイルに合った働き方ができること
自分の得意や興味関心を仕事にできていること
可能性が広げられること、成長実感が持てること
新しい技術や革新的なサービスに携わること
人や社会に貢献できる仕事であること

…などなど、いろいろな条件が考えられますが

働く時間をどんな時間にしたいか?
どんな時間になったらうれしいか?

を基準に考えてみれば、自分にとっての「より良い働く時間」がどのようなものか見えてくるでしょう。

価値観が多様化し、環境変化も激しい時代。しかも、人生そのものが長期戦に突入している現代です。

人生の節目、例えば30歳、40歳といった年齢的な区切りや、結婚、出産、転職、転勤などで環境が変わったときなどに、働き方を考える習慣を持つと良いかもしれませんね。

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「こうすれば幸せで、こういう働き方が正解」というものはありませんが、働き方を考え、それを実現するために行動することは、働く喜びや日々の暮らしの充実感に必ずつながっていくはず。

そして、その積み重ねが「良い人生だった」と振り返ることができる一生になるのだと思います。

できるならばぜひ、キャリアコンサルタントと一緒にそんな時間を作っていただければうれしいです。働く時間のあり方を一緒に描いていきましょう!

■ 文/松岡澄江(まつおか・すみえ)
国家資格キャリアコンサルタント、研修講師
ブログ:「自分らしい生き方・働き方を考える」


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