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母親に向かない私

期間限定で専業主婦をやっている。仕事は育休中。つまりずっと休んでいる。休んでいるのに何でこんなに大変なのか。ずっと家にいるのに。愛する娘と一緒にいれるのに。
最近その理由がわかってきた。理由は私の場合2つある。

1つ目は、主婦の仕事のほとんどがプラスをうまないから。
2つ目は、私は母親に絶望的に適性が無いから。


まず1つ目。

主婦の仕事のほとんどはプラスをうまない。

たまった洗い物をやる、たまった洗濯をする、汚れた部屋を掃除する。マイナスからゼロにする仕事ばかりだ。だから一日頑張って、全ての仕事を終えても、私の目の前にはただゼロの状態があるだけだ。あんなに頑張ったのに何もうんでいない。これがたまらなく虚しい。

疲れたから休もう。今日は家事をしない。そうやって決めたとする(それはつまり今日だったのだが)。何もしないからゼロ、ではない。何もしないと、マイナスなのだ。そして、生きているだけでまたマイナスが増えていく。休んだって、その分明日の私が苦労するだけだ。たくさんのマイナスをゼロにするために。

育児をしながらだと、ゼロにさえ戻せない。毎日少しずつマイナスがたまっていくばかりだ。そして、いくら家事を頑張っても、1日をマイナスの状態のまま、終える(夜中の授乳もあるから終わらないけど)。
これが辛いんだろうと思う。

そして重大な2つ目。

私は母親に向いていない。


私は元々一人の時間が必要な人間だ。独身の頃は、恋人がいても、長期休暇はひとり旅にあてていたりした。自分の時間が必要だ。騒がしい場所が嫌いだ(良質な音楽はOK)。読書が好きだ。家事が嫌いだ。勉強がしたい。仕事をバリバリしたい。やりたいことがものすごくたくさんある。母親適性がまるでないのだ。わかっていた。子供を産む前からわかっていた。母親には向いていないと。でも、母親になって、変わった人達を見てきた。だから私も母親になれば、母親になれるんだと思って、妊娠中の不安な気持ちを何とか乗り越えてきた。でも、母親になっても、私は私のままだった。悲しいほどに。それで初めてわかった。母親になったら、人が変わるんじゃない。母親になったから、変わるしかなかったんだと。母は強し、なんて言うけれど、そうじゃない。母は、強くなるしかなかったんだと。これまで、私は自分の母のように、いいお母さんになりたいという思いが捨てきれなかった。変わりたかった。お母さんという生き物に生まれ変わりたいと思っていた。でも、違うな、と最近ぼんやり思い始めた。30年生きてきて、急にそんな風にはなれない。私は私らしく、私らしいお母さんになろうと思う。そう思うと、少し気持ちが楽になった。私らしいお母さんとは何か、ということを考えながら、明日からまた頑張ろうと思う。

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