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「今を生きる」部屋にしたい。

じめじめじめじめ。
雨の日が続いている。
なんとなく、だるくて、気分も低迷気味。


でも、せっかくのお休みにだらだらしてるのももったいないなぁと思って、部屋を片付けることにした。断捨離開始。
気分が低迷している時は、大抵の場合部屋が荒れていることが多い。
捨てるものは捨てて、良い気を呼び込もう。


と、一度初めて見るものの。
なかなか物を捨てるのって、難しい。
どう考えても使わない小物とかであれば、気軽にぽいっとごみ袋に入れられるけど。服とか文具類とか、かなり以前からあるものを手放すとなると、それなりに思い切りがいる…。


 昔使っていたスケジュール帳とか、どうしたらいいかわからない。
どう考えても、今後必要のないものなのに。
いまはもう馴染みのない、『バイト』という言葉で埋め尽くされていたり、『卒業旅行』の文字があったり。
うわーすっかり忘れていたけど、去年のこの日はこんなことしてたんだ~みたいな、懐かしさに押されて、捨てきれなくなってしまう。

服も、明らかにくたびれているのに。
お気に入りだったりすると、なかなか踏ん切りがつかなかったりする。


手帳が好き!とかじゃなくて、それが自分の過去だからなのだと思う。
捨てにくいものはいつだって、「思い出」が絡んでいる。
確かに、そういう日々を送っていた。
そういう服が大好きだった。
今はもう戻らないけど、そういう時間もあったのだ・・・・

という証明。過去の積み重ね。

自分の部屋を見渡すと、そういうものにあふれていて、急に、ここは「自分の博物館」みたいだなと思う。

実家に眠っている、うんと小さい頃に書いた子ども時代の不思議な絵とか。
小学生の頃の妙に大きさが不ぞろいのつたない筆跡とか。
もう絶対に戻れない。
もう絶対に手に入らない自分の布石。

そういうものの延長にある、大学生の時の手帳。

iPhoneをさかのぼれば、当時の写真なんてたくさんあるのに。
これから先、自分の書き残したものばかりため込んで生きていくつもりなのかな、私は。

ちっとも、現実的な話ではないのにな。


 好きなミニマリストさんは、卒業アルバムまで、写真にとって捨てたと言っていた。
なかなかできない。潔い。
ミニマリストのぱっと見、殺風景だけど、無駄がなくて、快適な部屋と丁寧な暮らし。
本当はあこがれる。

トランク一つで旅行に出かけた時の、少数精鋭でお気に入りの物しかない、こざっぱりとした爽快感。
一次的なものではあるけれど、私はあの身軽さがとても好きだ。
旅行中の解放感を生み出すのは、異国の地とか、知らない土地にいることもそうなんだろうけど、過去やその人の生活そのものを、分断していることにも、あるのではないだろうか。

 あれをおもうと、極力物は減らしたいって、感じるんだけど。
捨てられない~。

大したものではないはずなのに、自分の軌跡は捨てがたい。

ミニマムな暮らしって、「今を生きる」ということを体現することなのかもしれない。
「いま!」自分が好きな物に囲まれて、「いま!」に合わせて、持ち物をアップデートする。。。

過去ではなく、今を生きる。
それが重要だと、とてもわかっている。

でも、それって思考においてだけじゃなくて、「持ち物」にも、当てはまるのかも。

「今を生きる」暮らし。

「今」だけに囲まれた部屋。
それはかなり理想的。

でも、それでも。

捨てるのには勇気がいる。

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