『伊藤高志映画作品集』感想
短いフレーズを何度も繰り返しつつ、徐々に変化させるミニマルミュージックのような作風の映像集。コンセプトの妙と、それを実現するに要したであろう膨大な労力を想像して味わうのが正しい鑑賞法であると感じた。なので正直なところ、まばたきする暇を惜しんで画面を凝視しないほうが良いと思われる。格好いいからといってあまり真剣に映像を瞳に流しこんでいると、悪酔いや失神のおそれがある。これは決して冗談ではなく、伊藤高志の出世作『SPACY』(1981)に見られる赤と青の光を高速で切り替える演出は