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追悼・高嶋正晴さん

 立命館大学の高嶋正晴先生の訃報が届いた。高嶋先生は、産業社会学部現代社会学科の教授で、産業革命以後の現代産業論をテーマにしていた。僕と出会ったのはTwitterの中だったが、彼は、僕の著作をよく読んでいてくれて、感想などをくれたりしていた。

 直接、会ったのは、2011年1月26日の京都で、杉本恭子ちゃん、桃原祥文さんらと、居酒屋の「太郎屋」で会った。真面目な人で、大学での研究活動の延長線上で、兵庫県丹波を拠点として丹波の豆を使った納豆による地域起こしの活動などをしていた。グローバリゼーションの流れの中で「地域」にこだわる姿勢であった。

 その年の12月16日には、僕の話を学生たちに聞かせてくれと言われて、立命館大学で特別講義を組んでくれたこともある。2013年の京都未来フェスにも協力してくれた。

 その後、京都に行く時には連絡をとって、都合があえば会って情報交換する関係だった。最近は、むしろ彼の教え子たちとの交流があったり、桃原さんがさまざまな協同作業を追求していた。病気がちということで心配していたが、悲しい情報が流れてきた。

 僕は書籍を出すことによって、生涯の友や同志と出会うことが出来た。雑誌を出せば多くの人と出会うが、雑誌の読者はパターンが決まってしまう。書籍は、個人の仕事であり、個人の想いを伝えるメディアだから、さまざまな領域で活動している人たちと、深いところでの信頼関係が生まれやすい。

 2020年、彼のテーマだった「産業革命以後」の社会ビジョンに向けて、本格的な動きが始められるかどうかの時なのに、残念であり無念である。一緒にプロジェクトを推進したかった。

 ご冥福をお祈りいたします。

▼高嶋正晴さん


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