【3/8】何がそんなに市場をくすぶらせているのか?
過度な世界経済後退の懸念は晴れておりますが日経平均は16500~17000、円は112~113を行ったり来たりしています。
なかなか上昇トレンドに移行する気配はありません。
一体日本市場、ひいては世界市場の上昇をくすぶっている原因は何なのか?
今回は市場におけるマイナス要因について記事にします。
■中国経済の後退
昨年からのマイナス要因です。
発表される経済指標からかつてリーマンショック後世界経済を牽引してきた成長スピードはもう見られません。
直近の指標でいいますと、中国税関総署は8日、2月の輸出額がドルベースで前年同月比25・4%減少したと発表しました。
輸出の減少は1月の11・4%から大きく拡大しました。
市場関係者の間で多かった15%程度の下落予想を大きく上回る悪化です。
市場規模でみても、中国のGDPは日本を抜いて世界2位です。
また、中国の経済が後退すると交易のある国々の経済にも影響します。
日本においても中国に進出している企業の業績に影響しますし、アジアの新興国においても貿易に影響し、成長に陰りが出てしまいます。
中国が風邪をひけば、周辺国は肺炎になるといっても過言ではありません。
こういった懸念により、リスク資産への投資が消極的となっているのです。
■欧州の金融システム崩壊懸念
地域の銀行部門の健全性に対する懸念が持ち上がりました。
緩和的な金融環境下で利ザヤが減り、銀行の利益生や資本力が不安視されています。
サブプライムローン問題のように金融システムの崩壊を警戒されています。
3月に入って過度な警戒は解かれているようですが再燃の可能性は大いにあります。
■英国EU離脱問題
英国がEU離脱の是非を問う国民投票を6月に行うことを発表。
昨年のギリシャ問題を彷彿させます。
ギリシャと異なり、英国は世界経済からみてもインパクトは強大です。
現在株価にはこの英国EU離脱問題はまったくおりこまれていないようですが、国民投票を実施する6月に近くなると懸念が広がると思われます。
■原油価格問題
今年に入って一番騒がれた原油の過剰供給問題です。
産油国が増産凍結に次々と合意していっているため、現在は過剰供給問題についての過度な懸念は晴れております。
8日のニューヨーク取引所の原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)4月渡しが取引開始前の時間外取引で一時、1バレル=38・39ドルまで上昇しました。
約2カ月ぶりの高値水準です。
あくまで増産凍結であり、減産合意ではないためまだまだ問題自体の解消については目途が立っていませんが、懸念が再燃される可能性は低いかと思います。
■世界経済の先行き=中国経済の先行き
こうみていくと世界経済の先行きは中国経済の先行きと言っても良いでしょう。
中国の経済指標が好調なものとなりましたら、一気にリスクオンとなり、リスク資産にお金が集中しますが、中国の経済指標が不調であれば、リスクオフとなり、暴落のきっかけとなるでしょう。
昨年9月の暴落のきっかけも中国でした。
今年も中国発の暴落が発生する可能性は高いと考えています。
中国の経済指標に注視していかなければなりません。
世界への影響があまりにも大きい中国。
なんやかんやありますが、ぜひ頑張っていただきたいものです。
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