【4/20】株価の動きからみる、世界からみたニッポン
19日の日経平均株価は598.49円の大幅高となりました。
前日の大幅安の戻りと対ドルで109円台まで円安が進んだためです。
昨年のチャイナショック以降、非常にボラリティ(値幅)の高い展開が続いています。
なぜこのような展開になるのでしょう。
■日本株の売買のほとんどは海外投資家
日本は貯蓄率の高い国として知られています。
「タンス貯金」という言葉があるほどです。
「資産運用」という言葉もマイナスの印象を持たれている人が多いのも現状です。
そのため、日本の株式市場の参加者はほとんど海外投資家なのです。
つまり、海外投資家の関心をひくことが株高につながるのです。
しかし…
■日本株を買う理由がない
厳密にいうと保有しておくメリットがないのです。
日本のGDPは米国の4分の1、中国の半分程度で一人当たりのGDPは世界27位です。
アジアの先進国という位置づけでしたがバブル崩壊とともに経済成長が留まり、今や成熟しきって成長性が見込まれていないのです。
そのため、日本株を長期的に保有するメリットがなく、日本株を売買するシーンとしては度々発生する世界的な暴落時に割安となったときか、株価に影響する原油、為替の動向に合わせているという状況なのです。
日本株の売買が一定のシーンに多い、ということは例えば円高になると投資家は一斉に売りに走るため一気に株安になったり、逆に株高となるのです。
■米国との違い
18-19日の間に1円以上に円安が進みました。
急激に為替が動くと日本株の場合はそれに連動して急激に株価も動きます。
最近の円高による株安がその典型です。
しかし、19日のNYダウはこのような連動性はなくむしろ小幅反発しています。
これは投資家が為替動向でなく、米国経済をみているからです。
米国経済の成長性、堅調性を維持しているからこそ為替に翻弄されないのです。
日本経済にはこれがないため、為替に翻弄されるのです。
■圧倒的なグローバル化の遅れ
昔は日本が海外に誇れるものがたくさんありました。
家電やウォークマンに自動車、そしてゲームです。
しかし、かつて日本に誇れるものは世界的な競争から負けてしまいました。
これは「日本がアジアで一番」という潜在意識が悪い意味で働いたからです。
アジアの成長国である中国、韓国、シンガポール、タイは外資を積極的に受け入れ、グローバル化を進めています。
日本は完全に乗り遅れています。
しかし、日本企業のなかにも積極的に世界と向き合っている企業があります。
そういった企業の株がこれから日本の相場を引っ張っていくかもしれません。
いや、そうしてくれることを願います。
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