レアアース規制とイタリア制裁

米国株式市場は反落して取引を終えた。早い取引時間帯には 上昇したが、対中貿易戦争長期化の可能性が意識され、再びリスク選好意欲の重しとなった。

中国、レアアースの輸出規制か

貿易戦争はさらに激化する可能性が出てきた。

中国共産党系メディア、環球時報の胡錫進編集長は28日、中国がレアアース(希土類)の対米輸出規制を「真剣に検討」していると明らかにした。

同氏はツイッターで「私が知る限り、中国はレアアースの対米輸出規制を真剣に検討している。中国は今後、他の報復措置を講じる可能性もある」と述べた。
こうした中、中国国家発展改革委員会(NDRC、発改委)の高官は、レアアースは国内需要を優先するものの、国外に対しても相応の需要を満たす用意があるとの考えを示した。

イタリアの財政規律違反

欧州株式市場は反落して取引を終えた。イタリアが欧州連合(EU)の財政規律違反 で罰金を科される可能性が不安視され、イタリアの銀行株が売られた。 

欧州議会のアントニオ・タヤーニ議長は28日、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会がイタリアの財政規律違反を巡り制裁措置を発動させるには何年もかかるとの見解を示した。
イタリアのサルビーニ副首相はこの日、欧州委が財政規律違反を巡りイタリアに30億ユーロの制裁金を科す可能性があると発言。EUの財政ルールは時代遅れで不公正だと主張し、「全力で」戦うと表明した。

タヤーニ議長はEU首脳会議を前に記者団に対し、「制裁措置はない。まず欧州委が書簡を送付し、それに続いて違反を巡る手続きの開始が必要になる」とし、「実際に制裁措置が導入されるまで何年もかかる」と述べた。

合意なき離脱を受け入れるしかない

来月辞任する英国のメイ首相の後任候補の1人されるエスター・マクベイ前雇用・年金相は28日、2016年の国民投票で示された欧州連合(EU)離脱の国民の意思を実現するには、条件などでEUと合意しないまま離脱することを受け入れる以外にはないと述べた。
マクベイ氏はテレグラフ紙への寄稿で「国民投票の結果を実行に移す唯一の方法は合意なき離脱を積極的に受け入れることだ」との考えを示した。
その上で「メイ首相の離脱協定案は3回にわたり議会で屈辱的に否決されたが、EUは協定案の再交渉には応じないとの姿勢を明確に示している」と指摘。「自身が率いる政府が10月31日の離脱期日の延期を求めることは決してない」とした。

総括

経済イベントが目白押しになってきている。

6/19-20 G20 及び米中首脳会談
8月   日米貿易に関する重大な発表
9月  日参議院選挙
10月 日消費税10%増税
10/31 英国EU離脱期限

7月は今のところ大きなイベントはないため、アノマリーを信じると7月までは株価は上昇する。

8月以降は各ニュース、要人の発言でまた一喜一憂する展開となると思います。

10月の消費税増税とEU離脱はネガティブと受け止められ、株式市場はリスクオフとなるのは想像できます。

2019の後半は「休むも相場」かもしれません。

出典

ロイター 5/29 欧州株式市場=反落、イタリア銀行株売られる EU制裁を不安視

ロイター 5/29 米国株式市場=反落、対中貿易問題の長期化観測重しに

ロイター 5/29 財政規律巡る対イタリア制裁、発動に何年もかかる=欧州議長

ロイター 5/29 英、合意なきEU離脱受け入れる必要=次期首相候補マクベイ氏

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?