新型コロナウイルスの感染拡大も緊急事態と判断するには時期尚早、WHO
米国株式市場はS&P総合500種が小幅に上昇し、ナスダック総合は最高値を更新して取引を終えた。ネットフリックスが急伸し、相場を支援した。ただ、中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大や、まちまちの内容となった企業決算を受け上値は抑制された。
湖北省武漢市以外で18人目の死者
中国河北省の保健当局は23日、新型コロナウイルスによる肺炎で80歳の患者が22日に死亡したと発表した。
新型コロナウイルスが検出された湖北省武漢市以外では初の死者となる。中国国内での死者数はこれで18人目。
WHO緊急事態と判断するには時期尚早
世界保健機関(WHO)は23日、新型コロナウイルスによる肺炎が中国を起点に感染が拡大している事態への対応で前日に続き緊急委員会を開き、「国際的な公衆衛生上の緊急事態と判断するには時期尚早」との判断を下した。ただ情勢を緊密に注視しているとした。
WHOのテドロス・アダノム事務局長はジュネーブのWHO本部で行った記者会見で「中国では緊急事態になっているが、まだ世界的な緊急事態には至っていない」と説明。その上で「WHOは現時点では人の移動や貿易に広範な制限を設けることは推奨しない」と表明した。
16人の独立専門家からなる緊急委の会合では意見が分かれたと明かした。中国の対応については適切と判断されるとし、「対策が有効かつ短期間で済むよう期待している」と語った。
ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のピーター・ピオット教授は、感染が重大局面を迎えていると指摘。「今回の決定にかかわらず、感染を食い止めるため一層の国際協力と資源の強化が重要になる。各国当局とWHOは引き続き事態を注視しなければならない」と述べた。
中国国営テレビによると、新型肺炎の発症者は634人に達した。中国交通運輸省は新型肺炎の封じ込みに向け、発生した武漢市の実質的な封鎖に乗り出し、武漢と行き来するシャトルバスやフェリーの運行を全面的に停止。武漢市も公共交通機関の運行を停止した。
総括
新型コロナウィルスにより、原油先物が2%下落しているが、経済への影響という観点では、これ以上拡大しない限りほとんどないと思われる。
人は売る理由を常に探しているので、逆に今は安く買うチャンスかもしれない。
但し、2月はアノマリー的に株式市場は下落シーズンのため、時期尚早かもしれない。
新型コロナウィルスの裏でトランプ大統領の弾劾や、企業の決算発表がなされており、こちらの動向にも注意したい。
出典
米国株式市場=S&Pとナスダック上昇、ネットフリックスが高い
WHO、新型肺炎で緊急宣言見送り 感染による死者18人に
中国河北省で新型肺炎患者死亡、武漢以外で初 国内18人目