世界経済

【4/13】雨が降れば株が上がる?インドのモンスーン事情

12日はロシアとサウジアラビアが原油増産凍結で合意したとの報道を受け、1バレル=44ドルを突破し、4カ月ぶりの高値を更新したことや、ハーカー米フィラデルフィア地区連銀総裁が年内3回の利上げは依然あり得るとの考えを示すなど、ポジティブは報道が流れています。そんな中、一風変わったポジティブな報道が一つありました。

それは「今年のモンスーン(雨季)の降雨量が平均を上回るとの気象予報を受け、インド株式市場が上昇した」という報道です。


■モンスーンとは

ある地域で、一定の方角への風が特によく吹く傾向があるとき(その風を卓越風と呼ぶが)、季節によって風の吹く方角(卓越風向)が変化するものを呼びます。

インドや東南アジアでは雨季そのものを指します。

インドの紀行は地域によって異なりますが、概ね4~5月の暑季、6~10月の雨季、11月~3月の乾季に分かれます。

旅行に行くなら雨も少なく、暑くもない乾季をおすすめします。


■農業大国インド

インドの農業はGDPの2割を占め、コメやサトウキビなどは世界第2位の生産量を誇ります。

また、インドでは70%の国民が農村部に居住するほど、農業大国なのです。

そして、その農業に使う農業用水のほとんどをモンスーンに頼っています。

そのため、モンスーンの降水量が安定しなければ、干ばつが発生して、農業に大打撃となってしまします。

昨年のモンスーンは通常4カ月にわたる雨季が終盤の2カ月に集中した結果、干ばつが発生したほか、インドは主要作物であるサトウキビや豆類、穀物などを、外国からの輸入に頼らねばならない状況になりました。


■降水量が増えればなぜ株式が上がるのか

農業と株式は一見関係のないように思えますが、どのような株式が上昇したのでしょうか。

今年のモンスーンの報道を受けて上昇した株は、ヒーロー・モトコープなど農村部の売上高が大きい企業の株式が買われています。

つまり、農村部の人々が好調なモンスーンにより儲かる→農村部のシェアが大きい企業も儲かるという算段なのです。

国民の7割が農民のため、その農民が潤うことがGDPの底上げにもなり、現在のインドの発展や成長において重要な観点なのです。


■すべてがプラスとならない雨量

好調なモンスーンによるメリットを述べてきましたがもちろんデメリットもあります。

モンスーンも行き過ぎると大都市でも洪水が発生します。

そして雨季は観光客やビジネス客も減少するなど、ビジネスの現場にも影響を与えます。

そのため、インフラ設備にもっと力を入れる必要がありますが、農業への支援となると、農民への補助金や融資枠の拡大、さらには借金の返済猶予など、バラマキ的、選挙対策的な政策になってしまっているのが現状のようです。

前述したように人口の70%が農民だからですね。


■BRICsとしてのインド

インドは2000年以降、著しい経済発展を遂げているBRICsの一国です。

(その他はブラジル、ロシア、中国、南アフリカ共和国)インドは数学に強い国でもありますので、情報産業や経営者育成の次のステージとして注目されています。

またインドの人口は12億人で世界2位を誇ります。潜在的な成長率もかなり高いです。

日本企業もソフトバンクがインドで1兆円の投資をする、無印良品を展開する良品計画がインドに出店するなどインドをマーケットとして注目しています。

しかし、これまで述べてきたモンスーンの影響が大きいためインド経済は安定が難しいのが現状です。

モンスーンは自然現象のためコントロールが難しく、インド政府も経済発展に伴うインフラ設備も追い付いていないこともそれに拍車をかけています。

また、インドは宗教に根付いた価値観、生活感があります。

ヒンドゥー教による身分制度であるカースト制度や女性差別が民衆の間に深く根づいており、経済成長とのギャップを生んでいます。

また、外交についても問題が大きいです。特にパキスタンとの関係は最悪です。

そしてインドもパキスタンも核保有国であるためたちが悪いです。

このように問題も山積みなのですが、

仏教やゼロの起源の国として発展してほしいと私は思っています。

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