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祖母姫、ロンドンへ行く!

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『祖母姫、ロンドンへ行く!』椹野道流 /著

web連載の時から読んでいて
書籍化すると知って即予約して
サイン本も手に入れてと大切にしている一冊のひとつ。
何回読んでも好きな本の感想を
語彙力もないのに無駄に長く記していこうと思う。

著者がまだ「コムスメ」だった頃の、
特別な時間を描いた極上エッセイ‼︎
自己肯定感ストップ高の優雅で頑固な愛すべき祖母と、
その秘書役に任命された孫娘。
凸凹血縁コンビが過ごした宝石のような日々とはー?

祖母姫、ロンドンへ行く‼︎帯より

ステキブンゲイでweb連載されていた
『自己肯定感の話』に大幅な書き下ろしを加えて
待望の書籍化!

旅エッセイなんだけど、これは一つの物語。
「事実は小説よりも奇なり」
なんてよく言うけどまさにソレ!!

自己肯定感がものすごーーーーく高い
お姫様のような祖母と
まだコムスメである孫(筆者)が
秘書のようにお世話をしつつ
ファーストクラスに乗って一流ホテルに泊まる
豪華にイギリス、ロンドンを旅する物語。

読み終わったら、
絶対誰かにオススメしたくなる。
そんな素敵な一冊。

軽快な語り口で読みやすくて
グイグイ引き込まれることからも分かるように
筆者である秘書孫の頭の回転の速さがすごくて
本当に尊敬する!

私だったらファーストクラスを楽しむだけ。
祖母姫の要求におろおろするだけで
旅が終わりそうだけど(笑)
CAさんにホスピタリティーについて
レクチャーを受けたりと
その臨機応変っぷりにも惚れ惚れするし
CAさんからの金言は
私にもものすごく刺さって、本当に勉強になる。

それにね!!
出てくる人がみんなチャーミング!!!!!
入管のおじさんすらチャーミングに思えてくる(笑)

中でも滞在先のホテルのバトラー「ティム」
Twitter(現 X)で祖母ロンを検索すると
恐らく感想書いてる人の半分以上は
「ティムーーーーーーーーーーーーー」
って叫んでると思われる彼(笑)

私も例に漏れず
「ティムーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
ってなりました。
愛しさと切なさと心強さと
まさにそんな感じの気持ちの叫び(笑)

今でもステキブンゲイ(web)では
無料で本編が読めるんだけど
単行本化にあたって書き下ろされた部分を読むと
さらに「ティムーーーーーーーーーーー‼︎」
ってなるので、絶対単行本で読んで欲しい。
その価値があります(断言)

私は思春期真っ只中の時に
祖母を亡くしてるんだけど
思春期だったっていうのも相まり
ほんと何もしてあげられなくて。
それがすごく心にずっとあって
夢に見るぐらい後悔しているひとつ。

だから読んでいてすごく…羨ましくもあり
自分の祖母を思うと申し訳なくもなるんだけど
筆者の椹野道流先生も
現在(いま)だからわかるけど、
その時にはわからなくて
過去の自分に後悔を感じていたりする様子も書かれていて
誰もが思うことなんだなって
少し気持ちがラクになったりもして。

祖母姫の自己肯定感のお話には
私もグサグサ刺さりまくり、気付かされたり
なんだかだんだん一緒に旅してる気分にもなり
ホテルから出発するところなんて
楽しかった旅の、出会った人たちの別れの
あのセンチメンタルな胸がぎゅっとなるような
寂しさを一緒に感じてしまったりして(笑)
とっても楽しかったし、少し切なくなったり、
読んだ時間がまるで充実した旅行みたいだった。

ティムとその後、再会ー。
なんてことは、もちろんないのが
これが物語ではなく、エッセイってことなんだけれども。

いつかこのエッセイが英訳されて
イギリスで出版なんてことになって
今、どこで何をされているのかなんて
もちろんさっぱり分からないけれど
偶然ティムが手にとってこの本を読んだ時に
あの一夜を秘書孫も覚えていること
こんなに素敵な思い出になってることを
知ることが出来たらいいのにな…
と願わずにはいられない。
そんな一冊でした。

素敵な旅のお裾分けをありがとうございました。

そして最後の一文に大号泣でした。
何回読んでも泣いちゃう。

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