2024年7月6日

土曜の午後。
ワンピースの裾上げをしながら、映画を見よう。

明日は人生に一度の大切な日。
ネイルシールに、ハンカチ、高めヒールのパンプス。必要なものは揃えた。

「アステロイド・シティ」
かわいくて愉快で意味不明な映画だった。
突飛なことが起きても日常は進んでいくし、非日常の次には普通の日常に戻るし、日々変わっていないようだけど変化してる。意味がないようなことも考えようによっては意味をもつ。

映画に夢中になりすぎて、裾上げが半分も終わらなかった。まずい。では、さっきは吹き替えで見たから、次は字幕で見よう。今度は見ている間に終わるはずだ。

元の音声と字幕で見聞きした2回目は、初回とほんのり印象が違った。日常と非日常との境界の曖昧さ。表と裏、伏線、バタフライエフェクト。意味不明な、理解できないことが起きても、人生は進んでいく。すべて理解する、しようとするなんて、無意味だ。雑感。
裾上げも無事終わった。少々歪だけれど、大した影響は無い、これでいい。

ワンピースにアイロンをかける。裾や袖、レース、リボン、すべてが「シャンと」しているように。なんといっても明日は大切な、大切な一日だから。

手紙も書こう。もう何度も書いたけど、今日の気持ちは今日しか書けないから。ほとんど自分のために書いているようなものだ。

映画の感想、手紙の書き方、大好きな妹が結婚する時の姉の一般的な気持ち。これまでの私は、なんでも答え合わせをしたがった。私は「合って」いるのかって。
何ヶ月も自分の、自分だけの気持ちと向き合ったし、考え尽くすくらい考えた。
答え合わせなんて必要ないって、今の私は言える。私のやり方、感じたことこそが、私の正解だって。

明日は、寂しくて泣くかもしれないし、嬉しくて笑うかもしれない。なにが起きて、どう思うかなんて分からない。期待も不安も緊張も、ごちゃごちゃに入り乱れる。

でも、それでいい。ぜんぶ私。私の気持ちには正解しかない。
大丈夫。

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