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鯛めしにかれいのえんがわ、いちご煮の缶詰なんてあったんだ! 四万十うなぎ蒲焼きの缶詰はぜひ味わってみたい。「空のムコウ」という和菓子は、夜空のムコウから名付けたのだろうが、イメージをそこなうどころか膨らませてくれる。さつまいもとあんこが包まれたいきなり団子は知っていたけど、それを揚げた「あげいきなり」なんて商品があるとは初耳。網走ビール流氷ドラフトとのペアリングはフライドチキンで決まりでしょと思いきや、意外なスイーツが……。
 こうしたグルメ商品を、グルメ雑誌のように楽しみながら謎を解いていくゲームが「ひみつのグルメBOX」である。謎とグルメストーリー、どちらも大好物のわたしにとっては夢の商品だ。
 SCRAPらしく、序盤の謎は簡単でどんどん進む。中盤はいつものように、意外なところを探して、見たり切ったり貼ったりしていけば解ける。ここが一番ゲームを堪能できるところで、謎解きツール「すべて」の小さい文字やイラスト、何気なく書かれた文章をどこまでたどれるかが勝負。ケースに書かれた謎の文字や図形も「ここでいま使うのか、それとも後で使うのか」と考えながらスリリングに見ていくのも楽しい。ひっかけも多いが、正解を見つけると「あーこれこれ! これしかない。だって○と△がこう、ぴたっと合うからね!」と、どんどんエキサイティングになってくる。途中でいろんなグルメに出合うが、通販サイトから購入できるものが多く「なるほど、これがリアルの世界につながっているということね」と、見ているだけで確かに楽しい。
 だが終盤はというと、SCRAPのいろんな謎に挑戦してきたわたしも娘も「いやそこは無理でしょ」「どこにもそれらしきことがないのにいきなりそうくる?」という展開が多く、なんとなくスッキリしないエンディングとなった。途中で何回か出てくるグルメ診断も楽しいし、2人でやれば途中から分かれて、また合流できる仕掛けもSCRAPぽくてよい。ただ、の解き方に納得できない! という謎の連続であった。
 これまでのSCRAP謎解きでいうと、オンラインでは、ナゾトキ街歩きオンライン「ワールド謎ツアー」はよかった。最後の謎はヒントに頼ったけれど、「ををっ! そうくるか!」の連続だったし。そしてリアル謎解き(脱出ゲーム)はなんといっても「本屋迷宮からの脱出」が秀逸。あれはほんとに面白かった。書泉グランデを最上階から地下(!)まで探索するというまさかの連続で、やっと解き終えてエンディングに来たときは「世の中にこんなに楽しいゲームがあったのか!」と感動した。
 それに比べると、謎という意味では今回のグルメBOXは「ちょっと飛躍しすぎ(最後の方は脈絡のない謎ばかりで、ヒントがないと解けない問題と、ゲームとしてそれはどうなんだ、と思う「工作」が終盤に多かった。これまでにない発想は買うが、もっとプレーヤーが「やられた!」と思う謎解きにしてほしいなぁ。そしてコーヒーは、謎解きの途中でじっさいに「飲める(しかし、飲まなくてもストーリーに支障はない)」仕掛けにして続きをつくってくれないかなぁ、SCRAPさん!

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