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あにまーれ2周年感謝祭は、今回だけの特別なものだった

あにまーれの2周年を祝う「感謝祭」が、2020年6月13日から14日にかけて26時間に渡って行われました。先ほど終わって、その余韻に浸りながら記事を書いています。

2周年なので、こういうイベントとしては2回目だし、今後3周年、4周年とあることでしょう。それでも今回は特別なもので、何年か経ってからも、特別だったと思い返すものになる気がします。ここでは、何が今回だけの特別だったのか、その4つの要素について書きます。

1. コ〇ナ禍の中での開催

1周年記念は、ほぼ全編が3Dでの配信でした。スタジオ収録であり、因幡はねるちゃん(以下ねるちゃん)によると、同時に30人くらいのスタッフが働いていたそうです。以下はその時に書いた記事ですが、とても豪華で、プロフェッショナルな作りで良いものでした。

しかし今回は社会情勢により、スタジオ収録を断念して、メンバーが個人で2Dで配信し、そこに他のメンバーがチャットで入るという通常のコラボ配信に近い形式になりました。去年と比較すると、こじんまりしたものになったなと思っていたのですが、実際に始まってみると、これもとても良かったのですね。

各メンバーが渾身の企画を持ち寄っていて、枠を担当する人が個人で準備をしていました。去年ほどスタッフに頼れないので、準備や進行は大変そうで、大きな企画なのでプレッシャーもあったでしょう。リスナーはそんな様子を見ていたので、メンバーといっしょに「本番うまくいくといいな」とドキドキして、実際にうまくいったら「うまくいって良かった!」「がんばった!」と一緒に喜べました。

26時間放送という大変な企画を、メンバーの手作りでやり遂げたことで、フィナーレでは多くのメンバーが涙ぐんでいました。去年とはまた違った達成感があったことでしょう。こういう「個人ワークによる手作りの大規模企画」という無茶なことは、今後はなかなか無いんじゃないかと思えます。今だから、レアなものを見られた気がするのでした。

2. 新人が多くを任される環境

あにまーれは2年前に発足したので、当初からのメンバーは2年間のキャリアがありますが、残っているのは3人です。その後、ずっとメンバーが追加されることがなく、今年の2月末に2名、そして4月末に3名追加されました。それゆえに、2年間のキャリアのベテランと、数ヵ月のキャリアの新人しかいないというアンバランスな構成になっています。しかも、新人は大きな企画を主催した経験がほとんどありません。

とはいえ、26時間放送をベテラン3人だけで回すのは無理なので、新人たちにも多くの枠を任せていました。24枠のうちの9枠なので3分の1以上が、新人組が主導したものです。もちろん先輩や運営の協力はあったでしょうけれど、彼女たちはプレッシャーにも負けずに大仕事を見事にやり切りました。作り込んだ企画も良かったし、「ねる王」みたいなノリだけの企画も、今だからできるというもので良かったですね。

みんながんばった!とエモかったのですが、このエモさは今のようなアンバランスな構成だからという部分もあったでしょう。来年は今の新人もベテランになるし、新人が入ったとしても、ここまで新人にたくさん任せることは無いと思うので。

3. 今のあにまーれの立ち位置の絶妙さ

個々の企画の感想は、長くなるのであまり書きませんが、ねるちゃんの企画の「あの人に会いたい!ダメだったら魔王」は特に印象に残っています。各メンバーが会いたい有名人をあらかじめ伝えていて、それを元に出演交渉してあり、了解してくれた人とは会えるというものです。

本当に来てくれるのか、というドキドキ感がすごくあるし、来てくれて会えたときの歓喜の様子にホロリとできるし、大物ゲストを見られたという満足感もあります。そして会えなければ会えなかったでネタ的に面白いという、隅から隅まで秀逸な企画でした。サプライズの演出がすごく上手で、メンバーの生の感情を見ることができました。

これの良さの一部は、今のあにまーれの立ち位置だから、という部分があると思うのです。あにまーれはVTuberグループとしてそれなりに大手なので、有名な方と出演交渉できます。でも逆に、たとえばにじさんじくらいに有名だったらどうでしょうか。今回のような有名な人が出演してくれても、ここまで驚けないのでは? あにまーれはそこまで一般的に有名ではないという立ち位置だからこそ、「本当に来てくれたんだ!」という驚きがあったと思えます。

ねるちゃんはフィナーレで、3年目の目標はにじさんじやホロライブくらいにあにまーれを有名にすることだと言いました。だとしたら、今のあにまーれの絶妙な立ち位置は今回限りのもので、次にやった時には感じが変わるのかもしれません。もちろん、またやって欲しいですけど。

4. 2年目の苦しい時期を経ての今

1年目はゼロからスタートするので、基本的に昇り調子だし、1周年記念もおめでたい雰囲気だったと思います。でも今回のフィナーレでは、ねるちゃんが涙ぐみながら、2年目はいろいろあって、「もうあにまーれはダメなんじゃないか」などとたくさん言われ、挫けそうなこともあったと言っていました。

「ダメなんじゃないか」と言われた理由は、メンバーが3人にまで減ってしまったことと、あとはホロライブと比較されてでしょうか。ホロライブはあにまーれと同時期デビューなので以前は比べられがちで、去年の4月頃までは、同時視聴者数(1配信あたりの平均)はあにまーれよりも少なかったんですよね。そこから躍進して、今やVTuberファンでなくても知っているくらいに有名になりました。華やかなホロライブと比較され、メンバーが減ったことと相まって、一時期のあにまーれには停滞感があったと思えます。

そんな中、メンバーは頑張って少しづつ盛り返していました。特にねるちゃんは、いろんな界隈の人とコラボしたり、雀魂など人気のあるゲームをしたり、自枠に切り抜き動画をアップしたりといった工夫で、最近は明確に昇り調子になっています。登録者の伸びなどが、1年目の一番良かった時期よりも今のほうが良いくらいで。

そして、新メンバーの加入ですね。なにしろ発足以来、メンバーは減る一方だったのが、新メンバーという後輩が加わったことで雰囲気が大きく変わって新生あにまーれになったように感じられました。タイミング的にもちょうど良くて、あにまーれが停滞から抜けたことが印象付けられました。

二周年の感謝祭は、そんな苦しい時期も経てのお祝いだったので、よりエモかったと思えます。ダメかもしれないというくらいの2年目の苦難を乗り越えて、明るい未来に向かう、今しかないタイミングだから。

3年目に向けて

上にも書きましたが、ねるちゃんは3年目の目標として、にじさんじやホロライブと同じくらいあにまーれを有名にしたいと言いました。感謝祭をやり切ったことで、このメンバーならやれると改めて思ったのでは。

リスナー側も、感謝祭を追っていた人はきっとみんな、あにまーれを今後も安心して推せると感じたのではないでしょうか。才能豊かなメンバーがいて、力を合わせてこれだけのものを作ることができる。もうあにまーれは大丈夫だ。

今は、よかったなという感動と満足感と、でもこういうのはもう二度と見られないんだよな、という寂寥感が同居しています。しかし、あにまーれの歴史は始まったばかりで、人気も実力も成長していきます。今回は特別だったけれど、またこんな、一期一会の感動を味合わせてくれる機会は何度でもあるでしょう。3年目のあにまーれも楽しみです。


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