見出し画像

JD.COM、金龍客車との提携で自動運転配送車両の生産へ

『戦略をアップデートする』は、競争戦略コンサルタントとしてGAFA×BATH等の米中メガテック企業をはじめ国内外トップ企業の動向をフォローしている田中道昭が、日々行っているこれら企業へのリサーチの中から、その内容をnoteでシェアするものです。

今日の『戦略をアップデートする』では、中国のJD.COMを取り上げたいと思います。

JD.COM(京東商城)とは、中国ECのB2C市場でアリババ「天猫(Tmall)」に続いてシェア2位にあるEC事業者です。JD.COMは2015年に中国の大手スーパーマーケットチェーン「ヨンフイ」と戦略提携し出資、10%の株式を保有したのですが、2017年にはJD.COMの筆頭株主であるテンセントもヨンフイの株式を取得しています。つまり、「WeChat」や「WeChat Pay」を擁するテンセントとJD.COMの陣営は、ニューリテール分野でアリババと正面から激突しているわけです。

そのJD.COMは、2020年9月9日、コーポレートブログに「KING LONG Partners with JD to Manufacture Autonomous Delivery Vehicles(金龍客車は自動運転配送車の製造でJD.COMと提携)」という記事をアップし、JDロジスティックス(JD Logistics)は中国の最大手バスメーカーの金龍客車(KING LONG)と提携して研究と商用(配送)目的の低速自動運転車両を生産していくと発表しました。

アリババグループの物流事業者「「菜鳥(ツァイニャオ)」と同じように、JD.COMは倉庫拠点の自動化(動画参照)が進んでいますが、さらに顧客へのラストワンマイルの配送にも自動運転テクノロジーを導入していくということです。

金龍客車(KING LONG)は、バイドゥの自動運転プラットフォーム「アポロ」にも参画、すでに自動運転バスの社会実装を実現しています。また、中国国務院が推進する「Science & Technology Reform Demonstration Action」において、市場志向の改革とイノベーションを促進するテクノロー企業100社のうちの1社に選定されています。

「JD.COM×金龍客車」によって、中国でのECを巡るアリババとの熾烈な競争はさらに激しくなっていきます。

田中道昭

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?