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『完全無――超越タナトフォビア』第三十七章

チビ
「チビ的には、せかいは粒々でできてるとおもうなあ、カタカナのツブツブでうまってる感じ。
ツブツブ同士はぶつかってもかたちをかえて、グニョグニョ常に動いてる感じ。
もうね、チビが立ってるところから、宇宙のはじっこのもっとはじっこまで、ツブでうまってて。
なんか、ゲームのぷよぷよ的な、もしくは、ツムツム的なツブ。
チビもウィッシュくんも、しろくんもみんなブツブツでできてて、宇宙もみんなそう!
たとえばさー、チビが、きつねくんに、ばいばーいって、右手をふったとしたらさあ、チビの右手のまわりのツブが押されてさあ、それが宇宙の最先端まで伝わってさー、ツブの位置が変わっちゃうと思うんだよねー。
あれ、そういえばさっき一回だけ、ツブツブじゃなくて、ブツブツって言った気がしなくもない。
けどさー、過去は存在しないらしいから、いいよねー、きつねくんのむずかしい話とかよくわからなーけどー。
そんでそんで、チビがウィンクしただけでも宇宙のはじっこのツブの位置も変わるんだよー。
きっと!
だって世界はツブツブでつながってると思うもんねー。
ツブたちの大移動というか全部運動みたいな。
なんかスライム感のある動きでツブがおしあいへしあい。
押さない、押さない、あわてないでー、みんな落ち着いて、ぐんにゃり曲がって、みんなでぬるっと位置を変えていこうねー、そんな感じ。
ある意味みんなツブの海に浮かんでるかんじ。
チビがほんきで腕をあげたときとか、けっこうな量のツブが動くんじゃないかなあ。
なんか、腕あげるとき重力とか感じるけど、やっぱそれだけツブツブを押し分けてるから、なんか疲れちゃったりするんじゃないかなー。
まあ、いろんなとこでいろんなツブツブの位置が常に変わってると思うよー。
世の中、町の中、路地裏とかだって、風もほこりも、花粉もみんな動きまくりだしねー!」

しろ
「つぶつぶかぁ、しろもつぶつぶでできてるのかぁ、なんかおいしそうな。歯のすきまにはさまっちゃいそうなぁ、ぐへへ……」

ウィッシュ
「あ、しろさんだめですよ、自分で御自身を食べてしまっては。
しろさんは確かにしろさんそっくりの粒々でできておりましてですね、はい。グミのようにぽっちゃりとして美味しそうではありますが! 粒々が世界にはすでに遍満しているということ!」

チビ
「えー、しろくん的なツブかー。
世界はやっぱりハート型のツブだらけなんじゃないかなー。
世界でいちばんちっちゃいキング・オブ・ツブはハート型。
まだ誰も見つけてないけど、たぶんそういう愛らしい感じのが、ツブのひとうひとつをかたちづくってるんだよ、きっとー!」

しろ
「しろは、やっぱり……、ぜんぶしろのかたちしてるとおもうなぁ。
チビちゃんも、ウィッシュくんも、きつねくんも、ものすごいちっちゃいしろのかたちのつぶつぶでできてるぅ、ぐふふ。
うちゅうぜんぶ、しろのかたちがつまってる、うんそうだなぁ……、つぶ、つぶかぁ、しろは……、こしあんのほうが好きだけど」


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