父へ
高校2年中間考査の最終日。
最後の試験が終わってホッとしたとき、
担任の先生から「急いで帰りなさい。」と言われ、
片道1時間30分の帰り道をどうやって帰ったかはもう覚えていない。
けれど、嫌な予感がおさまらなくて、
電車の中で涙が止まらなかったことはすごく印象に残っている。
最寄りの駅に到着した時、
車で迎えにきてくれたのは、
母でもなく姉でも、兄でもなく、
いっちゃん(仮名・母の妹みたいな友人)でした。
その瞬間あぁ父は亡くなったんだなと悟ったけど、
条件反射で笑顔で「いっちゃんがお迎えなんて珍しいね。」
その返事が「めぐみ、お父さん亡くなったんだ。」って、
大泣きして言われたから、あぁやっぱりなって。
父は膵臓癌で5年目の闘病中だったし、
ここ数日はすごく体調が悪そうだった。
朝、母が病院に父を連れていって、
その時もなんとなく嫌な予感はしていた。
その後、すでに父は家に帰ってきていたけど、
対面するには少し勇気がいったので、
自室へこもる。
すでに結婚して家を出ていた姉が声をかけにきたけど、
どうしたらいいか、何を話したらいいかわからなかった。
涙は枯れて、ただ不安で心がいっぱいになっていた。
あれから20年たち、
その間に看護師になり多くの病気や死、
患者さんや家族と関わらせていただきました。
私生活でも結婚し、3人の子供に恵まれ、
家族の看病を経験するなど、また新たな視点で、
父との関係を振り返るきっかけをいただきました。
その中で人生観を大きく変える経験をしたので、
これから少しずつシェアしていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
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