未来の天気

夜は必ず明けるものだけど
明ける前の静寂の時間が怖くて
目を閉じると闇が濃くなるから
眠れないまま外が明るくなっていく

いつまで夜は続くの
予報士は天気しか教えてくれない
明日の天気なんてどうでもいい
「未来を教えてよ」
それは占い師に言わなきゃなんて
分かってたことだけど

水晶を覗き込んでも見えるのは
歪んだ世界だけなので
明日は世界も歪むでしょう
そして傘でも防げないほどの
激しい槍の雨にお気をつけて
ああ怖いな 恐ろしいな
とりあえずキャラメリゼでも食べようか

ランチタイムに外へ出たものの
食べたいものを忘れて会社にUターン
今日も同じお弁当を食べる
休まらないまま仕事を再開する

いつまでこんな日常なの
予報士は天気しか教えてくれない
明日の天気なんてどうでもいい
「未来を教えてよ」
それは占い師に言わなきゃなんて
分かってたことだけど

水晶を覗き込んでも見えるのは
いつもと変わらない自分の姿
これからも変わらないでしょう
そして激しい風も吹くけれど
飛ばされずにじっとしていましょう
ああ嫌だな 面白くないな
それよりもキャラメリゼが甘くない

消したテレビ
予報士の残像焼き付く
街ですれ違った
占い師の存在覚えてる

水晶を割ったら破片が地球に降り注ぐ
霰よりも美しい霰
傘のさしかたを間違えて
地面に刺したら刺しすぎた
温泉が飛沫をあげて空高く吹き出て
霧雨よりも心地よい霧雨
霰と混ざって癒しの雨
朝焼けに虹がかかる
未来はどこまでも晴れていくでしょう
キャラメリゼも甘くて美味しいから

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