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普段から養おう「よい食事」にするための力を!簡単なことから意識してみませんか

今日は1月10日。松の内が過ぎて普段の生活に戻りました。
年末には、日本橋室町で老舗のそばを食べ、年始には親類から届いた新鮮なウニといくら等海鮮料理に舌鼓しました。

美味しいもの食べたね!美味しかったね!
幸せなひと時を感じました。

 そんな時「よいなあと思う食事って何だろう」という話になりました。「普段と違う特別に美味しいごちそう」と言う人がいれば、「栄養やバランスを考えない美味しい料理」という声もありました。

栄養と料理の仕事をしている私には、お世辞でも「からだによい食事」「健康的な料理」と言ってほしかった。残念!

「よい食事」とは、自分の食習慣や環境をものさしとして言う場合が多いですね。
確かに、個々に違う生活環境で異なった食事をして生きていますし、どんな時代に育ってきたのかでも考え方は違います。
でも、いくら「美味しいものがよい食事」と言っても、毎日食べ続ければ飽きてしまうでしょう。

私が思うには、特別なごちそうだけではなく、毎日食べてもそれほど飽きず、栄養が摂れ、健康が保てるものが「よいなあと思える食事」です。

 今回は、普段から「よい食事」を作るヒントを考えてみました。

 

【よい食事をつくる三つのヒント】


 ①   調理と料理の基本的技術を磨いてレパートリーを増やそう

普段、手早く自信をもって料理をしたいですよね。でも面倒!
そんな人には、少し頑張って調理・料理の基礎を学んで再現し、レパートリーを増やしておくことをおすすめします。
食事がバラエティーに富むと、自然と栄養バランスを整えやすくなります。毎日何を作ろうかとあまり迷わなくなります。

ここでいう「調理」は食材を食べられる状態に仕上げること、「料理」は食べ物を作る動きとでき上った食べ物のことで、調理よりは範囲が広いとご理解ください。

○地域の伝統や風習も活かす
地域ごとに食材や調理方法、味付け等が異なり流行もあります。
それが子供や若い人達の嗜好の変化に関係しているんだな、と感じることがあります。

流行の食事でも、健康に役立つのであれば、普段の食事にどんどん取り入れて食事作りを楽しんでほしいとも思っています。

調理・料理の基本を知ると、流行に沿った料理の改変が面白く、調理・料理に興味を持つ人が多いです。
これが基本を学び応用するということに繋がると考えています。


○食事は基本的に手作りとし加工品は一部活用するのがベスト
手作りの食事は自分で作るので、当然ですが食材の種類や味付けを考えて仕上げることができます。
食材を切る、煮たり焼いたりして味付けをする等、その工程は家族や友人との対話の場となり、料理の作り方の伝承の場にもなって、コミュニケーションがとれます。
私はいつも、こうした場面で心に温かい感覚をいただき、たまらなく心地が良いと感じます。

だからと言って、加工食品や市販の総菜を否定しているわけでもありません。利用するのも、レパートリーを増やすためには必要だと思います。

私自身も完全手作りではなく、一部加工品を活用してアイデア料理を楽しんでいます。
その際、加工品は嗜好的に万人向きに作られているものが多く、単品では栄養的に過不足が生じるものもあるので、加工食品の使用食材や栄養表示は良く見て、厳選しています。

 普段から手作り食品を食べていると、加工食品と手作り食品との違いが分かる人になります。
これが、生涯その人の食事の基本ともなるべき感覚をつくるので、特に、若い人たちはなるべく手作りのものを食べるように努めてほしいと願っています。

長い間にはその人の体質となっていくとも、私は考えています。


○衛生的に安全で安心なものであること

家庭での食中毒は、思いのほか多く発生して健康被害が出ています。
食品材料は清潔に取り扱い、消毒や加熱調理を行い「菌を付けない」「殺菌する」「増やさない」の三原則を守って食中毒を予防したいものです。

作り置きの食品は忙しい時の一品に重宝しますが、時間や温度を気にして、劣化したものを食べない様にすることが健康管理上大切です。

 

 ②   栄養バランスを考慮した満足感のある献立をたてよう

よい食事は、健康に生きていくために必要な全栄養素を体に取り入れるように作った食事です。

さほど難しい計算や考え方をしなくても、そういう献立計画が自然にできるように身につけておきたいものです。

 ○1日に何の食品をどのくらい食べるのか
分量と組み合わせを決められるように学んでおくことは重要です。

 例えば
毎食主食の炭水化物、主菜のたんぱく質源(肉や魚・卵・豆腐類)、野菜を組み合わせて献立を作る。
加えて、牛乳・乳製品や果物が組み合わされればよいですね。(今回詳細は略します)

その上で、美味しく、見た目や香りもよく、適温で口当たりのよいもので、五感を満足させ嗜好に合った快適なものでありたいですね。 

○嗜好は子供の頃から食べ慣れることで作られる
できるだけ子供の頃から、手作りのものを食べさせるようにして、食品の味や組み合わせを正しく覚えさせることが大切と言われています。

栄養的な要求と嗜好的な満足感は、よい食事の基本的条件のひとつなのです。

 ③ 1日の食事時間を決めて実行しよう

食事時間は1日の生活の基礎で、1日の生活リズムを整えてくれます。

病院勤務時代を思い出すと、入院中も患者さんの食事時間は決まっていて絶対に変えません。検査や手術等のために個別の変更がない限りは、食事時刻を基準に入院生活は動きます。
投薬の時間も食事時間がずれては問題になることがあります。

 ○食事を作る時も食べる時も時間を決めておこう
皆それぞれ仕事や生活を家庭の内外で持っているので、食事時間は活動に合わせて配分して決めておいてはどうでしょう。

例えば、子供や高齢者の場合は、食事間隔を5~6時間間隔で決めておけば、生理的なリズムに合った食生活を送ることができます。

食事を作る人の中には、忙しくて作れない場合もあるでしょう。作り置きや加工食品を一部上手に活用する等の工夫も必要です。

 外食をする場合も、可能な限り自分の食事時間に食べるようにすることで健康を守る一助となります。

朝食は1日の始まりとして大切なので、忙しい場合でも必ず食べるようにしたほうがよいですね。

万が一、寝坊して食事時間がずれても、腹の空き具合で食事時間をずらさないこと。お腹が空かなくても昼食をいつも通りに食べると、次の食事はいつもの夕食時間に食べられるのです。
そうして体のリズムを整えていきます。
時間的に不摂生な生活をしているな!と思っている人は、こういうことから始めるとよいでしょう。

 

 終わりに思うこと

繰り返しますが「よい食事」は、可能な限り手作りして栄養バランスと規則正しい食事時間を決めることがポイントです。

最近は三世代同居が少ないので、どうしても若い世代と高齢世代の食事が大きく異なります。
意識して、若い世代は伝統の食事を習い食べ、高齢世代は若い世代の今風な食事を習い食べて、互いに色々なものを食べることで栄養を補ってはどうでしょう。

大人も子供も高齢者も、元気に長生きできる秘訣が、こうした世代を渡った食事に含まれていると私は思います。

食の伝統をはぐぐむことも忘れたくありませんね。
地域に根差した愛情のこもった料理、そうした伝統的な日本の食事(行事の食事)を伝えていくことを大事にしたいのです。

とりわけ、学校や保育園、病院や高齢者施設などの集団の場を活用して、色々な場面で伝統的な食事を提供して伝えていけるといいな、と思っています。

 今回もありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 


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