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きっかけさえあれば人は変われる「記憶にございません!」監督 三谷幸喜 主演 中井貴一

難しいことを考える必要なく、笑えるコメディとして良質の作品。主演の中井貴一の名演も素晴らしかったし、エンドロールで「え?あの人出てたの・・」と驚くようなキャスティングもあり、ニヤッとさせられる。政治風刺映画として肩ひじ張ってみるようなものでもなく、純粋にコメディとして笑おう。監督・三谷幸喜ならではの仕掛けがいっぱいで笑えるぞ。

我が家は夕食~くつろぐ時間に映画を見るので、あまり重いテーマを見ると、どんよりしてしまうから、笑える映画が好きだなぁ。

「記憶にございません!」(あらすじ)

黒田啓介(中井貴一)は史上最低の支持率2.3%を叩き出した総理大臣。ブラックすぎる人格は家族にも、秘書官にも周囲の皆に嫌われている。しかし、その彼が石を投げつけられ記憶喪失になってしまう。秘書官たちは、総理の記憶喪失が周囲の人にバレないようにしながら、総理が仕事を果たせるようにサポートするために奔走する。

憎らしく邪悪なおじさん総理から、おどおど・キョロキョロした普通のおじさん総理になってしまう中井貴一の名演が見ものだ!

しがらみがなくなったら・・・

政治家はしがらみだらけ。あちらこちらに借りを作り、貸しを作り、いつの間にか身動きできなくなってしまう。しかし、黒田総理は石をぶつけられて、政治家になってからの記憶全てを失う。だから、一切のしがらみがなくなる。こっそり総理のそばに来て「例のアレですが、アレでいいでしょうかね?」と黒い笑みを浮かべる大臣にも「アレは中止だ。アレはアレだから」とはっきり言えるのだ。

黒田総理は「アレ」が何かは分からないんだけど(笑)黒田総理には子供の頃の記憶だけはあるので、小学校時代の教師を官邸に呼んで、政治のレクチャーをしてもらう。子供の頃の純粋無垢な心で学んだ黒田総理は、自分のポジション(政治家のトップ)を活かして、日本の政治改革に動き出すのだ。

政治家ではなくても、大人になれば、意識せずに、たくさんのしがらみに縛られている自分に気づくことだろう。もし、これまでの人脈や立場や関係性をすっかりリセットできれば、どんな自分になるだろうか。記憶がなくなっちゃうのは不便で恐ろしいことだろうけれど、全く新しい自分を生きられるという意味では悪くないのかもしれない。

きっかけさえあれば・・・

一個の石が頭に当たったことがきっかけになり、黒田総理は全く違う人生を歩み始めることになる。でも、それはある意味、彼が引き寄せたものだったのかもしれない。映画の後半では黒田総理も、実は変化するきっかけが欲しかったのだということが分かる。

黒田総理を取り囲む大人たちも、昔は理想を持っていたが、政治の世界にすっかり失望させられた人たちだ。でも、自分に正直に嘘偽りなく政治を行おうとする記憶喪失の黒田総理の理念に共鳴して変わり始める。アメリカの大統領さえ、黒田総理のまっすぐな姿勢に感銘を受けて日米関係は大きく変化し始めるのだ。一人の人が変わりだすと周りも変わる。実は皆きっかけを待っているんじゃないか。

チャンスは思いもよらないところからもたらされるものだ。最悪なことだと思えることでも、最高な経験に変えられるかもしれない。それは自分の選択次第なのだ。でも、チャンスを活かしたいと心から願っていなければ、すぐに元に戻ってしまうだろう。私も変わりたい。だから、チャンスを活かせる人になりたい。でも、頭に石がぶつかるのは嫌だけどね。

*事故にあったり、九死に一生を得る経験をしたりした人が生まれ変わったように人生を生き直すことがあるよねぇ。

おすすめ度 ★★★★☆

三谷幸喜作品が好きだ。とはいえ、私が見たのは「12人の~」と「古畑任三郎」「王様のレストラン」くらいなものだ。Amazonプライムビデオに入会してから、ぜひ見てみたかったのが「記憶にございません」だった。だから、今回見られて大満足。Amazonプライムビデオにある、他の三谷幸喜作品もボチボチ見てみたい。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq