見出し画像

緊急事態宣言と心理的リアクタンス

新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が
解除されて、ようやく街に人出が戻って来ました。

地域によってはまだまだ元通りとはいかない
ものの、都心ではかなりの人たちが週末に
外出して思い思いの休日を楽しみました。

まだまだ第二波のこともあり、油断はでき
ない状況ではあるのですが、私が住む
関西圏ではどうやら一気に緩んでしまった
ようで、先週末の梅田界隈は大きな
買い物袋を抱えた人々で溢れ、郊外の
大型商業施設の近辺では駐車場待ちと
駐車場から出て来る車で長い渋滞が
出来ておりました。

なぜこんなに一気に緩んでしまったのでしょう。

本来、人は自由に生きたいと思う生き物
です。抑えつけられると大なり小なり
反発がやって来ます。

人は自分で自由に選択できる環境が様々な
要因によって脅かされる場合、反発して
自由を回復しようと考え行動します。

これを「心理的リアクタンス」と言います。

まさにこの心理的リアクタンスという現象
が今の日本や世界全体で起きているのでは
ないでしょうか?

ソーシャルディスタンス(社会的対人距離)
を保つことなんて、ビフォアコロナで
あれば、そんなこと誰も考えたことが
ないと思います。

外出自粛して遊びに行けない、あらゆる
娯楽やイベントは自粛、お店も休業、
公園で遊んでいれば自粛警察に文句を
言われる・・・。

ましてや長引く休校にテレワーク、
普段は昼間はほとんど家にいない家族が
平日の昼間から家にいる。

色んなところで不自由な生活を強いられた
と思います。

私も居住地の市内にある書店は全て休業で、
この1ヶ月半、本はAmazonからしか買えな
かったのです。

そんな状況でストレスが溜まっていたのか、
人々の心身には様々な影響が次々と出始め、
ネットでの誹謗中傷や自粛警察が大いに問題
になりましたよね??

これだけ自由を奪われ、我慢をして
来たのです。

そうすると自粛が解除され一気に堰を切った
ように街に人が溢れ、抑え込んだ心を一気に
解放して欲望を爆発させます。

今やソーシャルディスタンスも何もなく
なってしまい、三密も平気になって
しまいました。

こうなるのも分かります。

抑えつけられると、それ以上のエネルギーを
持って反発するのは人の性ですからね…。

それで一気に元通りに緩んでしまった人も
少なくない。

本当は宣言解除して2週間ぐらいは徐々に
慣らして行った方が良かったのです。
なぜなら抑え込まれた反発心は抑え込むのに
使ったエネルギーよりも強いからです。

そんな状態は、心身が軽い興奮状態であり、
この状態で元通り以上に遊んだり、
「これくらいいかな」と、元通り以上に
気を緩めてしまうと、それが止められ
なくなってしまいます。

こんなときこそ、心穏やかに精神を落ち
着けるようなことをするのがオススメです。

静かに家で音楽を聴くのも良し、
マインドフルネスをマスターするのもよし、
好きな趣味に没頭するのもよし。

良くないのはインスタ映えを狙ったり、
気合いを入れておうちごはんを作ったり、
普段やり慣れないことをやるのはオススメ
しません。

なぜならそのことに使わなくてもいい余分な
エネルギーを使ってしまい、すこぶる疲れて
しまうからです。

今のこの時期は、無理をせず、心穏やかに
静かに過ごすことが心身の健康には良い
影響をもたらします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?