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自分探しの男1人旅エッセイ #0 〜なぜ行くのか何処に行くのか〜

最近、やっと自分の人生に影響を与えてくれた本を見つけた。
今、その本に動かされ、生活がじっくりじっくり変わってきた。

その本はオードリーの若林が書いた、
「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」
である。キューバ旅行記だ。
しかも、3泊5日の旅行記である。
しかし、何より面白い。(まず読んで欲しい)

この本で、最も惹かれた一文がある。
今の自分は、その一文に突き動かされたと言っても過言では無い。
その文がこれだ。

「5日間、この国の価値観からぼくを引き離してくれ。同調圧力と自意識過剰が及ばない所までぼくを連れ去ってくれ。」

日本を飛び立ち、キューバへと向かう飛行機に若林がかけた言葉である。

まさにだ。まさに今自分が言いたい言葉だ。

少し話を戻す。
若林の本に出会う前、自分は何を思ったのか。

日本は絶望に溢れてる。
少なくとも自分がSNSで見た世界では。
主義思想が違う者同士が嘘をつき、罵り合う。

例を出そう。
僕は政治が好きである。政治家は、自らの弁論で人を動かし、勇気付ける。
そして、社会を動かしていく。
しかし、現実はどうだ?政治家は上っ面の良い理想を掲げ、身の保身に走り、互いに罵り合う。
本当はそうじゃない!お前は何も知らない!と言われそうだが、本当はそうだろうが何だろうが国民の目に晒されてる表の部分がアレじゃどうしようも無い。

国民が政治に興味を持たない理由も分かる。

しかし・・こんな状況でも暮らしては行ける。

それは、自由民主主義の国だからだ。
言論にも自由がある。
政権を批判したって良い。
罵詈雑言を浴びせたって構わない。
賢く頑張れば頑張るだけ金を稼げる社会だ。
そして、世の中数百数十と国があるが、日本ほど安全な国はなかろう。

僕は愛国者である。(ネタで右翼と呼ばれたこともある)
この国は嘘偽り無く好きである。

なのに何故自分は「今」この国で居心地が悪いのだろう。
日本に充満してる価値観?
価値観だとしたらどんな価値観?
明言はできない。
もはや分からない。

しかし、強いて仮説を立てるなら、
この「自由さ」と「民主的」が理由なのか?
しかし、この二つの要因がどう自分に作用しているのかは分からない。

どれだけ考えても、良く言う得体の知れない何かにグチャッとされる感覚である。
双肩にズッシリと負のオーラが乗ってる。

楽しい事はある。
酒を飲んだり、アイドルを応援したり、本を読んだり。
けど、何処か居心地が悪い。

その理由さえ分かれば、もっと楽しく生きれる筈だ。

このままマリオネットのように生きていても、日本に答えは無いと思う。
恐らく自分の中に潜在的に生活をつまんなくしてる理由が有るのだろうけど、わからない。
分かったとしても相当な刺激を加えないと露呈する事は出来ないと思う。
価値観を根本から変えられるほどの経験が無いと無理だろう。
経験をして、変わらなかったら諦めもつく。
その時にはまた新しい理由が見つかる。

「世界で一番自由で民主的な国JAPANで、生きづらいのは何故なのか?
見つける為に取り敢えず何かをしたい。」

心の底からこう思ったのだ。

その時に読んだ本が、
「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」
である。

そして、その本にはこう書いてあった。

「5日間、この国の価値観からぼくを引き離してくれ。同調圧力と自意識過剰が及ばない所までぼくを連れ去ってくれ。」

そうだ。しかも行くなら強烈な国に。
日本を好きで、今は飽きてる自分だからこそ。
自分は、一旦この国を出るしか無い。
外国を見に行き、その経験を使い、対比で自らの国と自分を浮かび上がらせる。

しかし、
「物心をつけて外国に二回行ったが正直、あまり変わらなかったぞ?」
と思ってしまった。
ニュージーランドとアメリカは確かに良い経験だった。
しかし、基本的には、「自由で民主的だった。」

NZもUSAもそうだった。

もし、自分の仮説が正しければ、「自由さ」と「民主的」が生活を辛くしている理由である。
この2つが全て間違っているわけではなかろう。
この2つが生んでいる結果の何が問題なのか。
はたまた自分が何かを思い込んでいるのか。
取り敢えず、この仮説で行ってみよう。

となると・・・

そうだよな・・・
怖いけどな・・・
行くしかないよな・・・

「社会主義の国へ。」

そうして自分は航空券を調べ始める。
社会主義の国に行く為に。
浅はかな理由だが、なぜか強烈な意志を持って。
調べ始めた30分後。
スマホには「予約完了」が浮かび上がった。