短編 「君の目」

ー7月21日ー

あぁ、雨が心地よい
あなたもそう思うでしょ?

ー6月6日ー

今日は私の誕生日
タケルが学校終わりに家に来る。
私は胸を高鳴らせながら電車に乗った。

いつも通りの電車の音。ガタン ゴトン ガッタン ゴトン
今日はあいにく大雨だ「ついてないな〜」と言いながらも家の最寄駅に着いた。

私の家は最寄の駅から徒歩10分ほど。
家に帰って手洗いをすませると、母と父が「今日は外で用事があるから、机の夕飯は食べるんだよ」「ごめんな。誕生日なのに」と言って扉を閉めた。

黒南風が木々をざわめかせている。
「タケル、まだかな〜」
とソファに腰をかけたら寝てしまった。

ふと目を覚ますと、20時になっていた。
そろそろタケルが来る頃だ!部屋の掃除をしなきゃ!
私は急いで制服や床に散らかった本を整理した。

30分くらいで部屋は片ついた。しかしタケルはまだこない。
お気に入りのYouTuberも見たので、テレビ番組を見ようと思ってテレビをつけてみると

〈「現場ですが、大変大きな事故となっています。大雨の中懸命な救助が行われております。」男子高校生2名重症〉

私は膝から床に倒れた。全く理解できない。私がいつも乗って帰ってくる電車の事故。それもこの時間の電車ってことは...
空を蠢く暗黒色によって私は意識を失った

タケル 、