見出し画像

インフルエンサーからファッションデザイナーへの道のり

現在私たちの生活に密着しているSNSに影響力のあるインフルエンサーについて現在の活動を踏まえてインフルエンサーが立ち上げたファッションブランドの実態とこれからブランドを立ち上げたいインフルエンサーの方に書きます。

・今更だけどインフルエンサーって何?
・日本のファッションインフルエンサー
・インフルエンサーが立ち上げたブランドの課題
・一番大事な事はブランドコア
・インフルエンサーからデザイナーへ

今更だけどインフルエンサーって何?

インフルエンサーとは世の中に大きな影響力のある人ですが、、、
今回僕は日本のファッション業界においてSNSで影響力があり、
消費者の購買意思決定に影響を与え、広告やインフルエンサーのオリジナル商品の販売で生活している人達について書きます。

日本のファッションインフルエンサー

現在日本のアパレル業界において一番使われているSNSはインスタグラム。

インフルエンサーの中でもインスタグラムを使用しているインフルエンサーをインスタグラマーという。
エンゲージメント率が高い方がビジネスの対象になり
様々なブランドの商品を紹介している。

実際これを読んでる方でも、インスタグラムで洋服やアクセサリーを買った経験がある方もいるのでは?

というのもファッションとInstagramの相性は非常に良い。
商品を着てインスタグラムに投稿
顧客とのメッセージ交換
『インスタ映え』が素人でも容易に出来る。

他にも#ハッシュタグと言われる拡散機能やショップに直接集客できる機能もある。


これらを駆使して巧みにマーケティングを行っている個人及びその個人を抱えている企業がアパレル業界にはたくさんいる。

現在私はインフルエンサーが立ち上げたブランドに関わっているので
興味のある方や現在インフルエンサーとしてブランドを運営しているので、参加にしてほしい。

インフルエンサーが立ち上げたブランドの問題点

私が思うに大きく4つの問題があると思われる。

・商品が素人っぽい
・ブランドコアがない
・インフルエンサーとして活動
・カスタマージャーニー

・商品が素人っぽい
これについてはインフルエンサーの方たちの経験がそのまま影響してしまっている。
多くのインフルエンサーはまだ20代前半で社会人としての経験もほとんどない方達。
SNSに目をつけて可愛い写真を投稿していたら、フォロワーが増え気づいたら広告収入が入ってきた


これがおそらく大多数のインンフルエンサーと呼ばれる人。

インフルエンサーの契約というのは1いいねにつき相場がだいたい0.3円で計算される。
彼女達は企業の商品を紹介した際、いいね数に応じて報酬を受け取る。(他にもフォロワー数やエンゲージメントで報酬を支払われる事もある)
インフルエンサーというのは良くも悪くも個人のさじ加減で仕事が完結する。
それがインフルエンサーの仕事だ。

では、インフルエンサーの方がブランドを立ち上げて洋服をデザインするという事がいきなり出来るであろうか?

99%無理であろう
結果、商品は素人が作った服にみえる。


・ブランドにコアがない

個人的に物作りにおいて一番大事な事だと思う。
精神論みたいな話にも思えるが、
ブランドを媒体に”世間に何を問いかけたいのか”を明確にするという事である。

インフルエンサーはなぜ服を作るのか?
を真剣に考える必要がある。
インフルエンサーとしての活動を通して何を伝えたくてアパレルを作るのか
「こういう服が売れてるから」
「ここの服可愛いから」
「こういうブランドまだ市場に無いから」
ではなく、素直に自分自身に問いかける必要がある。
クリエイティブな仕事である。
良いものというのは必ずそこに作り手の想いがあり、その想いと技術が合わさって人の心に訴えかける。
インンフルエンサーが積み重ねたいいねやフォロワーもそうだと思う。
彼女達の投稿した写真やコメントの個性に対して共感を呼びインフルエンサーとして活動出来る。
ブランドの哲学を物作りで見出せなくても人生観や過去の体験から生み出す事がとても大事だと僕は思う。

・インフルエンサーとして活動してしまう

インフルエンサーの立ち上げたブランドは
実際はブランドとインフルエンサーの間に企業が介入する。
芸能人がブランドを立ち上げるようにインフルエンサーはイメージを伝えバックにゴーストライターの様な人が数名いる。
自身はブランドの服をインスタグラムやツイッター、ユーチューブなどで宣伝する事に専念
あとは企業が担うパターンが多い。

一見上手くいきそうに見えるが、、、
インフルエンサーとしての信頼はあったとしてもブランドに対する信頼は無い
という事態が起きてしまうのだ。
究極インフルエンサーのフォロワーとの中でしか服が売れないという事になってしまう
インフルエンサーの物販になる。
インスタグラムを見てるとそれが良くわかる
ブランドのアカウントのフォロワーのほとんどがインフルエンサーのフォロワーだとしたら
これはインフルエンサーのファンでしかない。

・カスタマージャーニーを考える

インフルエンサーのブランドは宣伝広告だけで運営している事が多い。
ただビジネスというのは数字の積み上げの作業なので顧客を定着させ増やしていく事が一番大事だ。

現実の世界で考えるとわかりやすい
例えば銀座に同じくらいの品質、価格帯のAというブランドとBというブランドがある。
Aは集客が多く、Bは顧客が多い

果たしてどちらが売り上げが高いか?

間違いなくBですね。

なぜか?

Aという店は集客を行うために多額の経費をかけている。
結果集客のうちの10%のお客さんが10万円購入していきます。
Bというのは何もしなくても顧客が来て10万円購入。
お店の売り上げは同じでも結果として利益が出てるのはBです。
また、データである程度の見込みはできても宣伝、広告というのは博打。
見込み通りは良いけど、売り上げが予想を下回った場合
次はそれ以上に経費をかけて宣伝、広告を打たないといけません。

実際には広告宣伝費を0にするという事は出来ないが
顧客というのはブランドにとって最も大事な存在。

顧客はまたブランドの良き理解者でもある
ブランディングする上でも顧客の口コミが一番売り上げに直結する。
例えば、
友達に「あそこのタピオカめっちゃ美味しかったから今度飲んでみな〜」
みたいな事を言われたらほぼ紹介された友達はその店に行く
企業がお金をかけて宣伝するのはあくまで大衆向けのものでその効果はとても低い。
顧客の口コミはそれ以上に効果が出やすいのだ。

私は20代アパレル販売員でした。
今は個人売りなどはあまり無いようだが
当時はカリスマ販売員という言葉が飛び交うほど個人で売り上げを作っていました。
お店の予算の半分くらいを個人で売り上げる販売員もゴロゴロいた時代です。
彼らの特徴は、大口の顧客を何名も抱えている事です。
カスタマージャーニーを考え顧客を楽しませていたのだ。

誰もがシンプルに考えればわかる事、便利な時代でお金をかければほとんどの事が賄える時代。
でも顧客力というのはお金では解決出来ない日々の努力で地道に積み上げないといけない。
カスタマージャーニーを考える事はとても大事です。

一番大事な事はブランドコア

4つの課題を挙げてきましたが一番大事な事はブランドコア。
なぜ僕がコンセプトという言葉を使わないかというとそれはブランドの本質ではないから。
洋服作りにかける想いがないとコンセプトもテーマもコピペで終わる作業で
結果ストーリーがないつまらないどこにでもあるブランドで終わる。
インフルエンサー個人が物作りに対してしっかり向き合い、
服を等して世間に訴えかける事が一番大事。

ブランディングは恋愛に例えるとわかりやすい。
片思いなのか、両思いなのかだ。
相手に好きだと思ってもらえるために何をするか。
地道に相手の好感を得る行動を心掛けるはず。
人が相手に好感を持つには様々な事がある。
仕事に一生懸命な姿
その人の容姿
性格
態度
趣味

ブランドも同じだと思う。

インフルエンサーからデザイナーへ

インフルエンサーの方はファッションが好きな人が多い。
今までは消費者の視点でファッションを盛り上げてくれていたと思う。
今度はファッションを媒体に自身の想いを表現しなくてはいけない。
ただ好きなだけでも良い。
しかしそこには拘りがあるはずだ。
それが消費者にとってどんな夢を見せる事が出来るのか?
ブランドの事がよくわからないのに好感を持ってもらえるはずもない。
だからブランドはブランドの個性を発信し続けなくてはならない。

もしかしたら企業から案件のように
「アパレルやってみない?」
と依頼されるかもしれない。
しかし、ブランドは我が子のように育てていかないといけない。

お金を稼ぐためだけにやるなら辞めた方が良い。
中国から安く買い付けて、ブランドタグ付けて販売してるクソみたいな所もあるからそのビジネスモデルのが儲かる。

しかしファッションが好きならもっと表現に拘って自分の資産にして欲しい。

10年後
ブランドのディレクターやってました。
中国の紛いモンにブランドタグ付けて

みたいな事言うのか?

そんな商売するならインフルエンサーとして案件回してた方が良い。

なんでも簡単にする時代だが、
そんなチートは世の中通用しない。
結局日々の積み重ねだ。

自分の拘りが人々に共感された時の事を考えてみてほしい

日本のアパレルはどうどん工業製品化している。モノマネをしてお金を得るのもそれにお金を払うのもアホらしい話だ。

インフルエンサーは自分の影響力を生かしてもっとクリエイティブな事をしてほしいと心から願う。


サポートよろしくお願いします。 コロナと共に生きる時代。アパレル業界で人の心を動かす活動に使わせていただきます。