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5年付き合った彼と別れた日。


5年付き合った彼と別れた。その1ヶ月前からそんな話は出ていた。

泣いた。めちゃくちゃ泣いた。
すべては私が悪いのに、被害者みたいにただ泣きじゃくるだけだった。

もうそれだけ。

あとは他のよくある失恋話と同じだから割愛します。

そうどうせ、たかがどこにでもあるような恋の話だったんだよ。

でも自分ごとになってしまえば意外と参るもので。

夜も眠れないし、朝は5時に目が覚めてしまう。

バイトも課題も生活もあるのに何一つ集中できなくて。

本当なんだなあって、あぁ私はじめて失恋したんだあって。

そして私はやっと人間になった。

そんな気がした。


割愛したけどメモで残しとこうかな。

電話越しに泣きながら「別れよう」と言ったけれどちゃんと話しようって。

遠距離の彼で、弾丸でこっちにくるのは初めてだった。

朝早く目覚めて、手紙をしたためた。いつも大切な話になると言葉に詰まらせて彼を困らせてしまうから。書いてる間ずっと泣いてた。

早く駅に着いた。会う前から涙目。ずっとおんなじ音楽聴きながら改札の近くをうろうろしてた。

改札から出てきた彼の顔を見た瞬間涙腺崩壊。

どこかお店に入るかと言われたけれど、私は大号泣する未来しか見えなかったからバスに乗って私の家まで向かった。観光客ばかりのバスの中でずっと涙が流れていた。彼が話しかけるたびに。少し黙っていてもらった。

家についてお話がスタート。涙と鼻水。私は鼻水を上手くかめない。アイプチが取れてたの見えてたのに教えてくれなかったのはまた別の話。私が朝にしたためておいた手紙はしっかり役目を果たした。

彼からもちゃんと「別れよう」と言ってもらい、ひとしきり泣いてまた駅に向かうことにした。

新幹線の時間までファミレスで最後の晩餐をした。できるだけ楽しい話。絶対泣かない。でも箱ティッシュは持ってきていた。

一度一緒に「花束みたいな恋をした」を一緒に見たけれど、途中で彼は寝てしまったことがある。あのあと続きを見たか聞くと「見てない」って。

一通り思い出話をして、これからの話もして、別れた実感の湧かないまま私たちは友達になることにした。

そばに誰かがいる、些細だけども暖かい気持ちを感じながら改札まで向かった。

お互い嫌いじゃない、憎んでもいない、なんなら好きの種類は違えどお互いに大切な状態で別れた。5年の長い時間つけっぱなしだったストップウォッチを止めた。

「今までありがとう。幸せになってね。」って言葉。よく聞くこの言葉。こんなに効くんだ。また泣いちゃったよ。

その日の夜は家の近くの公園で失恋ソングを道連れに、1時間ほどブランコに揺られていた。酔った。

3時間かけて彼も自分の家についたらしい。

彼、今頃何してるんだろう。



2024/07/08




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