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私の感情は私の心臓。動かし続けないと死ぬ。


「でも私、超イケメンの優しい彼氏いるし。」

こうやって5年間生きてきた。

驕り散らかして生きてきた。

クソみたいな女。

どうせずっと愛してるし愛されると思ってた。

どんな映画を見ても、音楽を聴いても、話を聞いても

それがどんなに素敵でも、聞くに耐えないものだとしても

店長に怒られても、道端で超可愛い子を見かけても、人前で恥かいても

「でも私、超イケメンの優しい彼氏いるし。」

だった。

彼ありきの私だった。

「でも私、超イケメンの優しい彼氏いるし。」

こう考えていた頃私はいつ死んでもよかった。

「きっと私は依存していない自立した女」

そう思い込んで生きていた。

違った。


ある日気づいた。

このままじゃ腐る。

いや足の先くらいはもう壊死してるだろ。

彼から愛されているという驕りの中で

彼に対する愛憎と嫉妬と淋しさしか感じずに

他の誰ともこれ以上心を見せ合うことなく

新鮮な感情を感じないまま死んでゆくの?

お腹の底から満たされることも

本当の孤独で感傷的になることも

自分に重ねて深く共感することも

もうないの?

私まだ20歳。

もっといろんな感情感じなくてもいいの?

きっとわがまま

きっとずっと感情を動かさなければ

私は生きられない。

自分の感情が動くのと心臓が鼓動するのは同じ。

私の感情は心臓。

動かし続けなければ

死んでしまう。

延命治療も虚しく死んでしまう。


「でも私、超イケメンの優しい彼氏いるし。」

「感情を動かし続けないと死ぬ。」

どちらも傲慢でクソみたいな人間の考えること。

私はもう性根の腐ったどうしようもない人間。

こんな歳になってまで恥ずかしい。



2024/07/02

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