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ほどけた縄張り

天気が良かったり、気温が上がって暖かさを感じた時、不意に機嫌が良くなる。

この時勢に有難くオフィスが家の近くに移転したため、最近はもっぱら自転車移動が増えた。(幸いにもほとんど人通りのないルート)

少し早めに家を出て日向ぼっこしながら一服したりする。

ただでさえ人が少ない日差しの中、不謹慎ながら、ふと終焉を想像したりする。

侵略、紛争、天変地異、等の派手なやつじゃなく、
もっと、静かで少し物悲しい世界の終焉間際、もしくはそれらが通り過ぎた後。
喧騒を通り抜けた先に待つ静寂、祭りの後の様な。

昔からそういった事後の世界を描いたディストピアものが好きで、
その中でも『かってにシロクマ』というアニメを未だに思い出す。

一見、シュールな日常系ギャグアニメの皮を被った、トンデモディストピアな一作。(原作の漫画とは違うオリジナルストーリーに
なっている)

各キャラクターの可愛らしさに相反し、後半にかけてどんどん不穏になっていく様や、動物にとっては一過性の文明など、「変なの」の一言で一蹴されてしまうあっけなさ。

個人的には本当に名作だと思うのだが、オンデマンドは勿論の事、VHS(しかも中古でも殆ど存在しないレアリティ)以外のソフトも出回っていないらしく...

今こそ見たい珍(名)作を昨今の状況にフッと重ねたり。

もはやギャグの様な日々が続いているが、当事者が笑い飛ばすには体力と気力、そして何より時間が必要なのだなとしみじみと思う。

せめてもの救いは、キッチリとお腹がすいて、まだ美味しいと感じられる余裕があるという事。

今日はなにを食べようか。

鮭、美味しそうやな。

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