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ストーリーボードを作ってみたら、私の最高のコーヒー体験が生まれた話

はじめまして!デザイナーのmemiです。
昨年8月にマネーフォワードに入社し、主に「クラウド債権請求」のUIデザインを担当しています。

突然ですがみなさん、コーヒーはお好きですか?
私は毎朝必ず一杯のコーヒーを飲みます。リモートワークの日はハンドドリップでコーヒーを淹れてからパソコンを開くようにしています。もはや私の生活に欠かせないものです。

そんなコーヒー好きな私ですが、最近、ユーザーの理解を深める取り組みの一つとしてストーリーボードの作成にチャレンジしました!
自分で作成プロセスから検討したのですが、チームのメンバーと一緒に作っていく予定だったので、最後まで作り切れるか、行き詰まって迷惑をかけてしまわないかと不安なところもありました。
そこで、まずは自分の体験に置き換えて作成プロセスを検証してみることにしました。テーマは「私の理想のコーヒー体験」です。

ストーリーボードとは?

ストーリーボードとは、プロダクトやサービスを利用するユーザーの体験を、イラストや画像で視覚的に表現する4コマ漫画のようなフレームのことを言います。
自身やチームで考えたアイデアがユーザーの体験の中でどのように関わっていくのかを可視化することで、バラバラになっているアイデアをユーザーの体験に溶け込むように再検討したり、優先度を決めていくのに役立ちます。
また、第三者にプロダクトやアイデアについてサクッと共有したい時に、直感的にイメージがしやすい資料としても使うことができます。

ストーリーボードの作成プロセス

ここからは、私が考えたストーリーボードの作成プロセスについて、実際に作成した「私の理想のコーヒー体験」の内容と合わせてご紹介させていただきます。作成プロセスについては、Google UX Design Certificateの講座(私も現在受講中!)で紹介されている内容を一部参考にさせていただきました。

1.ユーザーの抱えている問題や、その理由を書き出す

ユーザーの情報を書き出す

まず初めに、ストーリーの主人公となるユーザーについて考えていきます。ユーザーがどんな人なのか、何を必要としているのか、そしてその理由について書き出します。
ここでなかなか情報が出てこない場合は、一度ユーザーにインタビューしてみるのも良いかもしれませんね。

「PROBLEM STATEMENT」シート

次に、出てきた情報を「PROBLEM STATEMENT」のシートにまとめます。これはたくさん出てきた情報の中で、特に重要だと思うことを整理するための作業です。
実際に、私はコーヒーを選ぶ時間と手段が減って新しいコーヒーと出会う機会が少ないことを問題として抱えていたので、そのことについて書き出しました。

2.プロダクトが解決することや、ゴールについて書き出す

プロダクトの情報を書き出す

ユーザーについての理解が深まったら、次はプロダクトやサービスに焦点を当てます。そのプロダクトはどのようなことを解決するのでしょうか?プロダクトが目指しているゴールはどのようなものですか?

「GOAL STATEMENT」シート

そして、「GOAL STATEMENT」のシートに一言でまとめます。
私自身がコーヒーのプロダクトに関わっているわけではないので、今回はコーヒーのサブスクサービスを行なっている「PostCoffee」さんや、実際にコーヒーのサービスを運営しているプロダクトの情報を参考にさせていただきました。

3.ユーザーの理想の体験を書き出す

シーンを具体化する

さて、ここからが「ストーリー」にグッと近づくところになります!
ここまで出てきた情報を「課題」→「解決」→「ゴール」の順番に並べ替えます。そして、それぞれのシーンを具体的に想像してみましょう。
ユーザーはどんな場所で何をしていますか?ユーザーの感情はどうでしょうか?ユーザーはどのようにプロダクトと出会い、プロダクトはどんな問題を解決したでしょうか?

4.コマ割りで分解してイラスト化する。

いよいよイラスト作成のフェーズです!3番目で具体化したシーンをコマ割りで分解して、イラストに起こします。イラストだけでは伝えきれない情報はセリフやキャプションで補います。コマ数に制限はありませんが、4〜6コマくらいにまとめるのが理想です。
イラスト化していく中で「この流れ...ちょっと無理やりすぎない?」と思ったら、それはストーリーボードの効果が現れた瞬間です!ストーリーの流れが不自然な部分=アイデアが抜け落ちている部分の可能性があります。

実際に作ったストーリーボード

このプロセスで作成したストーリーボードが上記のイラストになります。
自分としてはこれが「私の理想のコーヒー体験」だな!と思っていました。そう...この時までは....。

デザイナーのみんなでストーリーボードワークショップをやってみた!

後日、デザイナーチームのみんなと一緒にストーリーボードワークショップを行いました!
使用するのは、私が作成した「私の理想のコーヒー体験」で書き出した情報。その内容をベースに私がみんなからインタビュー受けて、そこで出てきた新しい情報を元にそれぞれの解釈でストーリーボードを作ってみようというものでした。
「コーヒーはいつもどこで買っていますか?」「どのくらい消費しますか?」「どんな瞬間にコーヒーと出会って楽しい・よかったと思いましたか?」などなど、たくさん質問をしていただきました。

そして、最終的に完成したのはなんと20個のストーリーボード!そこには、自分でも描くことのできなかった「私の最高のコーヒー体験」がありました。一部ですが、ご紹介させていただきます。

こちらはジーラムさん作成のストーリーボード。「コーヒーを通して新しい発見が欲しい」「旅をしているような気分になりたい」という私の想いをピックアップして作成してくださいました。テーマ性のあるコーヒーが届くのは素敵ですね。自分では普段選ばないコーヒーが届いたり、同時に新しい学びもあったりと、ワクワクする時間とたくさん出会える体験になりそうです。

こちらはもっくん作成のストーリーボード。コーヒーを淹れる時にラジオを聴いてることが多いという私の話から、コーヒーとラジオの体験を繋げたストーリーを作成してくださいました。コーヒーの味と香りだけでなく、耳からも楽しめる体験…最高ですね!

時間が限られていたのに、どのストーリーボードも完成度の高いものになっていてびっくりしました!
自分自身のことですら描けなかった体験がたくさん出てきたのを見て、ストーリーボードの作成では、ユーザーのことをどれだけ理解できているかが重要だということを改めて感じました。

ストーリーボードの作成を通して、ユーザーに近づいた瞬間

後日、実際に自分の担当するプロダクトでもストーリーボードを作成しました。作成プロセスの中で私が一番ユーザーに近づいていると感じた瞬間は、ユーザーの表情をイラスト化している時でした。

例えば、同じネガティブな感情でも「怒っている」と「呆れている」では置かれている状況が全然違いそうです。ユーザーが「怒っている」時は、すでに状況が悪い方向へ進んでいて、緊急度が高い課題がそこにあるかもしれません。一方「呆れている」時は、最悪な状況は回避はしているけど改善策がみつからなくて諦めている状況が思い浮かびます。
ユーザーの表情を考えることが、アイデアの優先度や重要な部分をより理解するきっかけになりそうです。

最後に

以上、ストーリーボードの取り組みについてのお話でした!
ぜひ自身の担当するプロダクトやサービスでも、ストーリーボードを作成してみてくださいね。
そして、「マネーフォワードのデザイナー、面白いことやってるな〜興味あるな〜」と思っていただけましたら、ぜひ採用サイトも覗いてみてくださいね。



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