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19.12.07 Xデザイン学校ベーシックコース #08ユーザー評価法

振り返りが久々になってしまって反省…。外化の期限は48時間。48時間以内に書かないと心に響いた大事な部分が零れ落ちてしまう。

前回までの流れ

5回目は、インタビュー結果をもとに上位下位分析を行い、ペルソナを作成。ペルソナのコンテクストと、本質的欲求を定義した。
6回目では、そのペルソナの情報とビジネス情報をバリューシナリオに落とし込み、ユーザーのバリューに応じれるアクティビティシナリオとインタラクションシナリオを作成した。
7回目では、アクティビティシナリオをラフなストーリーボードとUI遷移図に書き起こし、提供する体験に矛盾や不足がないか?メンバーで認識共有をしていった。
そして今回8回目。一度ユーザーに触ってもらい、評価を受けるフェーズだ。

ユーザーテスト

正直、「え?こんなラフな状態でユーザーテストしちゃうの!?」とドキドキした。でも確かに、以下のように「起業の科学」にも書いてあった。

もし出す時に恥ずかしくないなら、プロトタイプとして出すのが遅すぎる証拠

まだ恥ずかしい段階で外気に晒したほうがいい。方向修正は早いほうがリスクは軽減できる。
わかってはいるけど、「もうちょっと時間がほしい、もうちょっと手を入れたい。何だったらSketchで作らせて…」そう思うのは、まだ自分がディテールにこだわってしまう、デザイナーの部分が抜けきっていないんだと感じた。
プロダクトを作る上で、設計者としての自分とデザイナーとしての自分を意識して使い分けていかないといけない

開発プロセスへの誤解

7回目までのアクティビティシナリオ(簡易ストーリーボード)は開発者同士の評価や認識の統一が目的だった。今回はそれをさらにブラッシュアップして、ユーザーテストに用いる。ここで不安になったのは、6回目と7回目のアクティビティシナリオとどう違うんだろう。という点だった。
同じことを繰り返し書くの?と。ただ、先生に質問して、毎度目的が違うし、徐々に解像度が高くなっていることがわかった。

6回目のアクティビティシナリオ
ユーザー体験とビジネス戦略を繋げる、サービスの大枠が一致しているかの確認。「この方向で動き出して3方良しになりそうか?」という視点。

 7回目のアクティビティシナリオ(簡易ストーリーボード)
前述のとおり、開発者同士の評価や認識の統一が目的。「具体的にはこういうシーンでこういう体験ができたらいいってことだよね?」という視点。

今回のアクティビティシナリオ(詳細ストーリーボード)
テスターにペルソナになりきってもらうために、コンテキストを共有するのが目的。「ペルソナはこういう状況下でこう思っている。この人になりきってインタフェースを触るとどういう心境・行動になるのか?」という視点。

プロトタイピングというと、Sketchのプロトタイプ機能で押下できるUIの完成形に近いものをイメージしており、体験設計をしたら、次は操作設計のプロトタイプ、そしてテスト…とフェーズを分けて考えてしまっていた。
しかし、こうして抽象度の高い状態から体験設計と操作設計の評価を繰り返して徐々に具体に落とし込んでいく方が前の行程への戻りも容易にできるし、コストを最小限にできるな、と感じた。

作り込んでしまうと、手を掛けた愛着が湧いてしまい、自分の分身に感じてしまう。まだ評価して批判して、柔軟に作り変えないといけないフェーズなのに、愛着が邪魔して客観的に見れなくなってしまう。それこそプロダクトにとってのリスクだ。
また、チームのメンバーとオンラインでMTGしながら、「前の段階から失敗してたんだね。ちょっと前の段階に戻ろうよ。」というコミュニケーションが多々あった。前の行程へ戻り、ブラッシュアップしていくことは問題ではない。この、前の行程への戻りを容易にできるというのはすごい利点だ。

ペルソナをリアルな人間だと思ってイメージする

解像度の高いアクティビティシナリオをいざ作るぞ!と思っても、何を書いたらいいかわからない。前回の簡易ストーリーボードでも、もう十分解像度高いのでは?なんて思ってしまっていた。
しかし、浅野先生にこんな風に助言を頂く。
「名古屋から来た人に大阪のお店を紹介するとき、味の濃い味噌系のものは紹介しないでしょ?」というもの。
確かに、名古屋で普段味噌料理を食べている私は名古屋を出たならちょっと違った毛色の料理が食べたい。
UXの勉強を始めたばかりの頃、「普段からサプライズ好きな人はUXデザイナーに向いている。」と、聞いた。未熟な自分は「あっと驚くアイデアを閃ける、天才的なアイデアマンに、その素質があるってことかな?」なんて思っていた。
今思い返してみると、相手が何をしたら喜ぶのか?普段からその人の生活スタイルや好みをリサーチをし、その結果を元に、どのタイミングでどんなプレゼントをしたら喜ぶんだろう?と戦略を立てれる人という意味だったんだ!と気付かされた。
私は単純に感情を「〇〇は嫌いだから、好きな〇〇を提案したら喜ぶのでは?」といった簡単な図式で描いていた。しかし、今回の話を受けて普段の自分を思い返してみると、辛いものは嫌いだから、好きな天ぷらを提案されたら喜ぶか?というとそれは時と場合による。揚げ物が続く日なんかは好きな天ぷらでもちょっと遠慮したい。
感情とは、日々の生活環境と、スコープしたその瞬間の状況によって繊細に揺れ動くものなのに、「好きor嫌い」、「嬉しいor嬉しくない」そんな単純な図式で描こうとしていた。

テストの設計自体の評価と操作設計の評価

実際にユーザーテストをしてみたら問題点が色々見えてきた。
ユーザーの体験が途切れる際に次にどんな行動をしてほしいのかをしっかりオンボーディング出来ていない点や、表示されるオブジェクトの選択軸がないことでユーザーが判断に迷って選べない点など。本来知りたかった操作設計上の問題点だ。
しかし、テスト中にテスターに他の迷いも与えてしまっていた。テストの前提条件の共有が至らなかったために、ユーザーが思いもしないところで戸惑ったりしていた。特に自分たちのチームではIoT機器を入れる案だったのだが、目の前においているペットボトルや椅子などがIoT機器だとわからず、スルーされてしまった事もあった。本来知りたかった、IoT機器の操作設計のテストは失敗してしまった。
メンバーとは、ユーザーが迷った点がテストの設計自体が問題だったのか?操作設計上の問題なのか?整理しながら問題点を導き出していった。

ビジネスを考える

先生は毎度冒頭で、台湾や中国をはじめとした最新のビジネスモデルを紹介してくれる。私は新しいもの好きなので、アフターデジタルにおける盒馬鮮生や平安保険のOMOという斬新な切り口に衝撃を受けていたので、今回もいろんな目からウロコのビジネスモデルが紹介されているのをニコニコしながら聞いていた。
しかし、実際に自分たちのアイデアを振り返ってみるとこれで本当にビジネスになるのか?これで本当に次世代の豊かな暮らしを提供できるのか?不安になった。
お金が相対的価値をなくし、価値が主役になる時代に向けて、自分はどんな価値を提供できるのだろうか?しっかり設計できるようにになりたいと思った。

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