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なぜ小売業者は無くならないのか?

【小売業者がいると顧客満足度も事業収益性がハネ上がる。】

 記念すべき投稿第1回は商売の基本のキ、サプライチェーンについての話です。
 生産から消費までの流れは業界問わずあらゆるビジネスの本質です。

なぜ中間マージンを上乗せされるのに小売業者は絶滅しないのか?

 そう思ったことありますよね?生産者がダイレクトに消費者へ商品を届ければ、生産者はより収益が上がり、消費者はより低価格で購入できるじゃん。って。

 だって、メーカーからしたら小売店舗で販売なんてしたら、賃料取られたり、レベニューシェアで差益を取られたりするし。

 消費者からしたら、「ってことは、その分は商品代金に上乗せされて、高い値段で買わされてるってことじゃん」って。

 そうすると、みんなが行き着く先は「小売業者って不要だよね」っていう仲介業者不要論。私だって最初はそう思ってました。正常な反応だと思います。

では、なぜ小売業者は無くならないのか?

 ネット社会が到来し、生産者が直接消費者へリーチできる環境が充実しました。
しかしながら、急成長するサービスには、アマゾン、ZOZO、三井アウトレットパーク、メルカリ、モノタロウ、など小売業者が軒を連ねています。都内でも商業施設がどんどんと建設されています。どうやらメーカーやブランドの路面店まみれにはなっていないようです。
 つまり、小売業者の存在は生産者にとっても消費者にとっても何かしらのメリットがあることもあるようです。

サプライチェーンの鍵を握るは生産者コストと消費者コスト

 生産者コストと消費者コストという言葉をご存知ですか?
知らないからこそ、この記事を読んでくれていると思うので、さっさと話を先に進めます。商品が生産され消費者の手に渡るまでには様々なコストがかかります。

生産者が負うコストとしては、

商品の原材料費

商品を作る生産する費用

生産者が受け取る利益

商品を倉庫で保管する費用

商品を消費者に届ける輸送費

商品を知ってもらうための宣伝費

商品を詳しく紹介する販売促進費

消費者が負うコストとしては、

商品を取りに行く移動時間と費用

商品を比較調査する検討時間と費用

これをカレーで考えてみる

 今日の夕飯はカレーにしよう!
 消費者は、まずはジャガイモ農家に行って、次にニンジン農家、、、。そんなことしてたら農家との往復に数時間、数千円かかってしまいます。信用のおける農家かどうかも自らの足で調査しなければいけません。
 生産者視点からしても、いつどのくらいのお客さんが来るか分からないので365日農家を開けて営業しないといけませんし、商品管理にもお金がかかります。じゃあ自ら住宅街にお店を構えよう!なんてしたら、土地を契約して、お店を建てて、人を雇って、宣伝して、運営して、、、本業の商品生産に時間が割けなくなりそうです。

小売業者が乗せる中間マージンには意味がある

 これで小売業者の存在意義が何となくお分かり頂けたかと思います。
 生産者と消費者がそれぞれ負担するコストを小売業者が請け負うことで効率の良い商売を実現しているのです。
 生産者はモノづくりに専念し、商品は小売業者が売ってくれる。自らが直接消費者に売ろうものなら宣伝から販売、在庫管理まで多くの仕事を内製しなくてはなりません。
 そして、消費者も消費者で自ら欲しい商売を品質調査から実際の調達までやろうものなら移動にかかる費用も、比較検討にかかる時間も膨大にかかってしまうでしょう。

小売業者は取り扱う商品をより安くより安心して消費者に届ける一連の機能を担う商流の大動脈である

 もちろん仲介業者には、小売業者だけでなく配送を担う運送業者、在庫管理を担う倉庫業者、調達専門の卸売業者など商流の中間プレイヤーは多く存在します。
 その中でも小売業者は消費者と直接繋がっているため大きな責任を背負っています。そのため、時には他の中間のプレイヤーを選定し、監督しながら商品の品質を保ち、お客さまが安心安全に買い物ができる環境を整えているのです。

 初回はこんな感じでしょうか。次回はもっと踏み込んだテーマを書いてみようと思います。

それでは、また。

なぜD2Cは失敗するのか?~ブランドビジネスの落とし穴~㊤ https://note.com/mem_yu/n/nd2053b057950

vol.1

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