家賃25000円のボロ家に住んで⑭

2020年５月現在、
家賃25000円のボロ家に住んでいる僕
ブリキカラス小林メロディ(29)

1人暮らしをしている人は勿論知っていることだが、生活して行くには家賃の他に電気代、ガス代、水道代の公共料金の支払いも付き纏う。更にこれを払えないと供給がストップされてしまうというのが日本という国だ。僕もハッピー遠藤と暮らしていた時は毎月のようにライフラインが止まり己の無力さに咆哮をあげていた。



特に電気が止まると部屋の中をひどく静かで残酷な暗闇が覆い、携帯を灯りにしようにも充電も出来ない。更に実は水道とガスが動いていても電気の供給が無いとシャワーを浴びようにも温水が出ないのだ。これは止まったことがある人にしか分からない。

４日間ほど無電力生活が続いた後、電気代を払って電力会社からの遠隔操作で電気が復旧したとき。暗かった部屋がパッと明るくなり、止まっていた家電が動き出す音があちこちから聞こえ、部屋中のものが次々に命を宿していくかのような壮観な景色が広がる。その光景はまるでディズニー映画の一コマのよう。美女と野獣やリメンバー・ミーがイメージ的に近いかも。日常で感動に飢えている方にはぜひオススメだ！

余談はさておき、以前ボロ家日記⑥で電気代の請求が家に届いた話をしたと思う。

電気代が18円で驚愕したものの実は１日分の使用量だったというお粗末なお話。そこから１ヶ月。ちゃんと１ヶ月使用した上での請求がボロ家に届いた。その金額は？オープンザプライス

(因みに我が家には郵便受けがないので、郵便は基本的に玄関に落ちている)

｢2990円｣

だった。まあ安く抑えられている方だが先月の18円のような奇跡は起こらなかった。おばあちゃん自転車で電力作っている説はやはり立証ならずだった。

そして

後を追うようにボロ家に住んでから初のガス代の請求も届いた。風呂なしの我が家はいったいガス料金はいくらになるのだろうか？

｢900円｣


やはり、安い！！！



ボロ家にはガスを使う機器は湯沸かし器とガスコンロのみ。ガス代はやはり相当抑えられるみたいだ！

しかし情けない話、ちょうど金欠の自分には｢900円｣もお財布的に少し厳しい…絶望しているとガスの紙にはこんなことが書いてあった。

なんと！1500円未満のガス代は翌月分にキャリーオーバーされるらしいのだ。これは知らなかった。助かった。

因みに貧乏人というのはこの翌月分への合算を｢得をした｣と感じる。最終的に払う金額は同じなのだが｢目先の支払いが無いこと｣。それしか見えていないのが貧乏人という人種だ。来月の自分を赤の他人だと思い込み、来月の自分が苦しむ事を対岸の火事だと思い込んでしまうのだ。哀れ。

辛気くさくなるお金の話はやめにして

さて、入居してまもなく２ヶ月も経つのでボロ家の事は熟知してきた僕。

ボロ家に隠された様々な哀愁。
ステイホームの期間ということもありボロ家の事は全て把握してその全てを愛す事が出来ている。そう思っていた。

今日ふと備え付けの下駄箱が気になった。下駄箱にはキーケースと洗剤とNBAジャパンゲームを観戦したときに勢いで購入した被らないキャップと家宝のすべらない話のサイコロが置いてある。端にある釣り竿はヤブキサドヤ矢吹さんに借りて１年ぐらい返していないものだ。



下駄箱は入居した時からずっと左側を開けているのだが、そういえば右側はどうなっているんだろう？ふと気になって開けてみた。

爆弾！？！？





これは…不発弾というやつだろうか？戦時中の不発弾がこのボロ家には残されていたのだ。どうする？生憎知り合いに爆弾処理関係は居ない。区役所に行けばいいのか？こういう時どうすればいいんだ？僕は爆弾をなるべく刺激しないように慎重にゆっくりと自分の手元に引き寄せてビニールを解いてみた。

消化器だった。


胸を撫で下ろした。しかしなぜビニールに包まれた消化器が？ボロ家の全貌は把握したと思っていたがまだまだ隠された秘密があるのかも知れないと思った。今回は消化器だったが、本当の不発弾が何処かにあっても可笑しくないぐらいの雰囲気のある家だと自負している。今後も危機感を持って注意深く生活して行かねば…

何はともあれ、僕はMy消化器を手に入れた。ボロ家に住んでいる間にこいつを使う日が来ないことを祈るばかりだ。

ボロ家に住んで２ヶ月が経とうとしている。何も無いのに色々な事が起こるという矛盾を僕は楽しんでいる。これからもその矛盾をここに書き記せていけたら楽しいだろうなあと呑気に構えている次第だ。

今回はここまでです。
スキやサポートもありがとうございます。特にサポートでだいぶ助けて頂いています。

今は訳あってデカい桶が欲しいです。