#お洒落なオカマのキツネ
僕は自信がないよ。
僕は自信がないよ。子ぐまが言った。#お洒落なオカマのキツネ が言った。あんたね、自信っていうのは、早咲きの花にこんにちはって挨拶できたか、折れた水仙を摘んで生けたか、ふろふき大根を食べてもらいたいひとのことを考えてできたか、ゴミ出しが間に合ったか、なのよ。
僕は自信がないよ。
僕は自信がないよ。子ぐまが言った。#お洒落なオカマのキツネ が言った。あんたね、自信っていうのは、早咲きの花にこんにちはって挨拶できたか、折れた水仙を摘んで生けたか、ふろふき大根を食べてもらいたいひとのことを考えてできたか、ゴミ出しが間に合ったか、なのよ。
まだ一回の表。
子ぐまに #お洒落なオカマのキツネ が言った。
くらっちゃうことって
あるわけよ。
生きていればね。
でもそれ、野球で言うなら
一回の表なのよ。
あたしらは
わかったわかったと受け止めて
次の反撃に取り組むわけ。
あたしらなりの
バッティングフォームで。
悪いことは起こるけれど。
#お洒落なオカマのキツネ が
子ぐまに言った。
うーんとね、
悪いことって起きるわ。
合わないひともいる。
かなしみ、怒り
全部、予測が甘いだけ。
わたしたちが得るものは
つらいものが無い世界じゃない。
つらくても共に生きれる
相棒よ。
さ、好きな服を着て
好きなうたをうたい
闘うわよ。
何かに依存してないひとなんていない。
ぼくは依存しすぎるものが
あってだめだ。。
子ぐまが言った。
#お洒落なオカマのキツネ が
言った。
なにかに依存してない
ひとなんていないわ。
不幸がひとつもないひともいない。
それはそれありきで
どうよりよく生きるかなわけ。
潔癖な庭なんてない。
でも、だからこそ
こんなに美しい。
自分がきらいなときにどうするか。
子ぐまが言った。
悲しい、さみしい、
おもいどうりにいかない、
自分がきらいだ、
世の中がきらいだ。。
#お洒落なオカマのキツネ が言った。
語尾にニャ🐈をつけてごらんなさいな。
子ぐまが言った。
自分がきらいだニャ🐈
あたしら全員、意味なんてない。
結局だめだった。
子ぐまが言った。 #お洒落なオカマのキツネ が言った。
あら、あたしら全員結局死ぬのよ。
無駄、意味がない、
なら、全員意味ないの。
だって死ぬし。
だから好き勝手に
好きなことをぜんぶやるの。
反省なんてしない。
あたしたちはよい音をたてる
ただのきりのないさざ波。
あんたの謎の胎動を響かせて、好きなように生きなさい。
ぼくを生かしているものは何？
子ぐまが訊いた。
#お洒落なオカマのキツネ が
答えた。
世の中にはね、
解き明かせない謎の集中みたいな
ものがあるの。
音楽、絵画、
美しい雨雲。。
それが、あたしらを生かしてる。
あんたも謎のひとつ。
あんたの謎の胎動を響かせて
好きなように生きなさい。
覚悟して、幸せを目指す。
生きるのに必要なものは何？
お金？パートナー？希望？
子ぐまが訊いた。
#お洒落なオカマのキツネ が答えた。
覚悟よ。
頑張る必要はないわ。
すこし冷静になるだけでいい。
冷静に受け止めて
冷静にすこし泣いて
そして
冷静に夢を見るの。
覚悟して、誰にも似ていない
幸せを目指すの。
みんな、ギリ帳尻合わせて生きてる。
丁寧な暮らしができないよ。
子ぐまが言った。
#お洒落なオカマのキツネ が言った。
丁寧な暮らしの本が売れるのは
みんなできてないから。
いいのよ。
あたしら
落ちてはのぼり
借りをつくっては返し
やられたらやりかえす
そうやってギリ帳尻合わせて
生きるの。
誰も綺麗になんか
生きてないわ。
暮らすって、よごれること。
ぼくのこころは
よごれている。
子ぐまが言った。
#お洒落なオカマのキツネ が言った。
みんなね、毎日、汚れたコンロや
食器を繰り返し
きれいにして暮らしてるわ。
暮らすってよごれること。
そして繰り返し
きれいにすること。
こころだってよごれるわ。
だから繰り返し
きれいにするの。
まじめに取り組むために、しっかり逃げる。
#お洒落なオカマのキツネ が
子ぐまに言った。
おいしいものを毎日食べたら
美味しくなくなる。
まじめに生きることは
たまにふまじめになること。
自分に向き合うことは
たまに自分から逃げること。
まじめすぎることって
もはや悪しき信仰ね。
まじめに取り組むために
あたしらしっかり逃げるの。
いかにたくましくお洒落しようとしてたか。
なにをお祈りしたの？
子ぐまが訊いた。 #お洒落なオカマのキツネ が
答えた。
なにひとつうまくいかなくても
どんなにだめでも
たくましく、しぶくとく
生きていけますようにって。
状況がいかに最悪かとか
どうでもいいの。
そこであたしが
いかにたくましく
お洒落しようとしてたかが
重要なの。
現実と幻想の両方にきちんと取り組む。
子ぐまに #お洒落なオカマのキツネ が言った。
世界とか社会とか自分の欠落とか
嫌になることはいつもあるわよ。
だけど
あんたが好きなもの
夢みるものに出会えた幸運と幸福は
そんなものたちに
なにひとつ汚されることはないの。
あたしたちは
現実と幻想の両方に
きちんと取り組むべきなの。