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2020年2月の記事一覧

たましいは、ゆるやかに包まれている。

たましいは、ゆるやかに包まれている。

‪占い師がこころの暗闇で‬
‪きつねに続けた。‬
‪どん底のあんたは‬
‪すべてを失ったと思う。‬
‪でもね、たましいは‬
‪時間と場所を越えて‬
‪ゆるやかにやさしく‬
‪包まれている。‬
‪過去の幸運な出来事。‬
‪遠いひとからの思い。‬
‪咲きこぼれる朝の光。‬
‪気づいていないだけさ。‬
‪あんたはゆるやかに‬
‪包まれている。‬

どうせ復活する。

どうせ復活する。

‪こころの暗闇で‬
‪きつねに占い師が言った。‬
‪あんたはね、‬
‪どうせ復活するよ。‬
‪手のひらの傷が治るように。‬
‪時間はかかるかもしれない。‬
‪ひどいところまでゆくかもしれない。‬
‪そんな時は‬
‪いろいろ考えない。‬
‪どうせ復活するんだから。‬
‪自らの傷を癒す動物みたいに‬
‪ただまるくなって黙って待つのさ。‬

ちいさくてきれいなお守りを手に、ちょくちょく逃げる。

ちいさくてきれいなお守りを手に、ちょくちょく逃げる。

つらいことは嫌だ。
子ぐまが言った。
クマが言った。
つらいことはよくある。
問題はどう向き合い続けるかさ。
コツはちょくちょく逃げること。
そんな時、
ぽつんとちいさくてきれいな
お守りのようなものが
あるといいね。
みんな、そうゆうお守りを
手にしながら
しぶしぶ向き合ってるのさ。

かたくなな現実は、かたくななこころではほどけない。

かたくなな現実は、かたくななこころではほどけない。



幻想はなんのためにあるの?
子ぐまが訊いた。
クマが答えた。
現実を解きほぐすためさ。
かたくななこころでは
かたくなな現実はほどけない。
いいかい、
いつでもその窓の向こう、
冬の馬の隣で
白い女の子が旋律を奏でている。
ぼくらはその景色を
胸に抱いたまま
ひんやりと
現実に取り組むのさ。

本を開けば。

本を開けば。



‪どんな時も‬
‪本を開けば‬
‪それは‬
‪咲きこぼれる。‬

‪「すみれ詩集」より‬

100年後、どこか遠い国で。

100年後、どこか遠い国で。



‪最高の新刊ができた。‬
‪ふじやしおりさんと‬
‪コトリ花店さんだから‬
‪そもそも最高。‬
‪わたしはただうわあ、と思っていた。‬
‪しおりさんの存在感。‬
‪コトリさんの世界観。‬
‪本はへたをすると100年後も残る。‬
‪100年後のどこか遠い国で‬
‪ちいさな女の子がこの本と出会って‬
‪うわあ、と思ってくれますように。‬

でも、幸せの方が落ち着かないので。

でも、幸せの方が落ち着かないので。

‪クマが神様に言った。‬
‪大丈夫です。‬
‪大抵のことには慣れてきます。‬
‪楽になるからたまに泣きます。‬
‪どこからでも‬
‪やりなおします。‬
‪そう決めているからです。‬
‪つらい旅になります。‬
‪でも、幸せのほうが‬
‪落ち着かないので。‬
‪ただ前に進みます。‬
‪冷気に色づく花々の中を。‬
‪この痛みが旋律になるまで。‬

新刊「すみれ詩集」

新刊「すみれ詩集」



「すみれの花の砂糖づけ」
2/15-22 コトリ花店
参加させていただきます。
花に埋れた秘密の隠れ家。
きれいな光の庭。
好きなように過ごす女の子の
永遠の一日。
「すみれ詩集」
女の子
ふじやしおり
隠れ家
コトリ花店
撮影
melancolia storytelling
144ページ。
写真だけで紡いだ詩集です。

「すみれ詩集」は
もしも、コトリ花店さんが
自分だけの秘密の小屋で

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いつか自然の音楽になってしまいたい。

いつか自然の音楽になってしまいたい。



‪庭師が言った。‬
‪庭にかがんで雑草をとって‬
‪球根がいる土をポンポンとたたく。‬
‪枯れた花や枝をまびく。‬
‪落ち込むひとは‬
‪足のつかない‬
‪高いところにいたんじゃないのかい?‬
‪今日も長靴をはいて手を汚して‬
‪汗を土に落としてる。‬
‪いつか自然になってしまいたい。‬
‪いつか自然の音楽に‬
‪なってしまいたい。‬

眠る前になでる本。

眠る前になでる本。

‪眠る前になでる本。‬
‪光に透ける魔法付き。‬
‪その他、3冊のオーダー‬
‪ありがとうございました。‬
‪発送させていただきました。‬
‪無口な親友になれますように。‬

‪全編にトレーシングペーパーを‬
‪使ったあまりない‬
‪詩の本のシリーズ。‬

‪今年は、‬
‪眠る前になでる本シリーズ第3弾の‬
‪制作にじっくり取り組みます。‬