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2018年12月の記事一覧
これは夢か。
2月
草舟あんとす号さんで昼夜2回公演。
5月
花盛りの庭に来ていただいてから
chigaya カフェでライブ。
9月
コトリ花店さんのイベントで
お庭で野外ライブ。
11月
乙女屋さんで吉田キミコさんの
絵の隣でライブ。
これはなにかの
よくできたおとぎ話だろうか。
未だ明けない夜の中を。
クマは、未だ明けない夜の中を進んだ。厳しい寒さと虚無が襲い、幻聴がクマを否定し続けた。クマは落ち込みそうになると忙しく手を動かした。こころの中で、暖炉に薪を焚べ、花と部屋を整え、暖かいスープを作った。意味のある言葉をすべて捨て、意味もなく繰り返した。ただただ進もう。この先へ。
きみの武器。
子ぐまが言った。ぼくは不器用で卑屈で醜いから、プロになれないよ。クマが言った。それ、器用で小綺麗なものしか作れないお洒落なプロの人が聞いたら嫉妬するから言わない方がいいよ。ぜんぶきみの武器だから。
負けたままでも平気で。
子ぐまが言った。好きなことはしたいけど、無駄なく正しく人並み、でないと不安なんだ。#お洒落なオカマのキツネ が言った。好きなことをするのはある意味負け戦さよ。でもたったひとりでも一瞬でも通じ合っちゃったら大逆転が起こる。いちどそれを味わったら負けたままでも平気で生きて行ける。
文学について。
クマは不思議に思った。こころがそわそわして眠れない真夜中、短いお話を書くとこころがほどけ、あたまが善く疲れ、眠くなる。書く内容はいつもありたき祈りだった。クマは短いお話をまとめて本にした。クマにとって文章はつくるものというより治癒のための切実な処方だった。
悪夢祓い。
キツネは悪夢を見た。嫌な空気感まで覚えている根深い悪夢だった。暗闇の中で暖炉の音がした。ベッドを出ると長い廊下があり突き当たりの部屋に老人がいた。やあ、わたしは悪夢祓いさ、眠りと目覚めの間の部屋にいる。悪夢はもう終わるよ。すこしこの炎で暖まってからまた眠るといいい。
本がひとを選ぶ。
魔女の帰郷は本当に好きな一冊。嫌いなひともいるだろうな、私がこんなに好きなくらいだから。一冊目と仕様は同じだけど全くちがう。光を強く閉した鉱石のような本。草舟さんは、この本は本がひとを選ぶと言ってくれた。疲れても倒れても気にならない。私はこの本に選ばれているから。
こんなものはどこにもない。
朝4時。現在オーダー分の最後の梱包。魔女の帰郷 完全版のカシミアの糸を鈴に通しながら思う。本当になほさんの薫りは好きだ。りかさんの装花の野性味は素晴らしい。ひろみさん考案の引き出しはやはり最高だ。そして写真のちひろさんはいつでも凛として自由。こんなものはどこにもない。つくれて幸せ。
自分のために花を買って。
その町のひとは、みんな自分のために花を買って帰った。もちろん、大切なひとにも贈るけれど、まず自分のために。誰かを愛したりするけれど、まず自分を、自分の暮らしを愛した。簡単にはできないけれどまず自分の暮らしを愛そうと努めた。まずは自分のために花を買って。
クリスマスはどう過ごすの?
子ぐまが訊いた。クリスマスはどう過ごすの?#お洒落なオカマのキツネ が答えた。グレングールドのことを思うの。彼は吹雪の中、クルマで湖畔の自宅へ帰っている。着いたらピアノを弾く。美しい旋律に分け入って、ついハミングしてしまう。クリスマスは静寂と彼のハミングに耳をすますの。
奇跡のお出会い。
「魔女の帰郷」を
北海道、九州の方をはじめ
たくさんのオーダーいただき、
発送させていただいております。
ひとつひとつが奇跡のお出会い。
魔女の帰郷 完全版は8000円という
お値段ですが、現在41セット
オーダーいただきました。
年内にすべてお届けいたします。
あきらめない。何度でもやり直す。
たくさんの中の一部。
子ぐまが言った。世界になじめなくて、ひとと話が合わないよ。#お洒落なオカマのキツネ が言った。あのね、あんたの言ってる世界やひとってのはたくさんの中の一部なの。しかもわりとしなびた部分。瑞々しい果実みたいな世界やひとが、必ずある、必ずいる。合わない部分にしがみつく必要なんてないわ。
幸せがなくなった後は。
子ぐまが訊いた。幸せな時もひともいつかなくなる、その後どうすればいいの?#お洒落なオカマのキツネ が言った。いちばん幸せなときはいま幸せだ、なんて考えない。夢中になってる。だから幸せが終わった後は、なんて幸せだったんだろう、ほんとうにありがとう、って深く感謝すればいいの。