【拝読したご本。】『プリンセスお母さん【電子特典付】 (コミックエッセイ)』

　本日ご紹介するのは、並庭マチコ先生の実録エッセイ漫画・『プリンセスお母さん【電子特典付】 (コミックエッセイ)』。いつでも貴族の心を忘れない、ちょっと妖精さんのような要素も併せ持つ素敵お母様が大活躍します✨✨

プリンセスお母さん【電子特典付】 (コミックエッセイ)

　チヅルお姉さん、最初はこちらの漫画をTwitterで知り、もうもう、その自由でお可愛らしいお母様の言動と、並庭先生のインテリジェンスかつクールなツッコミに夢中になりました……！！　書籍化、してくださらないかなぁとたまにそっと並庭先生のお名前をAmazonさんのKindleコーナーで検索する日々もついに終わり……っ、今、お姉さんのKindle端末やアプリに鎮座しておられます（なんか怖い言いかたになってしまった気もしますが本気で崇めたい気持ちがそうさせました）。

　実際ひとつに収束されたネタを拝見すると本当にボリューミーで『ふわー！　まだタップできる（※Kindleはページ残量を知りたいときはその都度、簡単な操作が必要だったりします💦）！　うれしい～✨✨』ととっても幸せに震えましたっ。心成しか腹筋もかなり鍛えられた気がします（超笑ったため）！！

　他の登場人物のかたがた＝並庭先生のご家族のかたがたもすごく素敵で、その個性が、先生の漫画センスでより光っておられる感じが（私などが評するのはとてもおこがましいですが）いたしました💞

　えと。ここからありえないほどテンションが変わりまして、かなり私的かつ重たいお話になってしまいますので、苦手なかたはぜひ、ブラウザバックをしていただけましたら、と思います。

　こちらの漫画、コメディとしてもすごく上質なご作品なのですが、このご書籍を手に取れて私が幸福に感じた理由のひとつに、お母様のコメントを拝読できたことも挙げさせてください。

　並庭先生のお母様の幼少期のとてもおつらかったであろう思い出を拝見してどきっとしました。

　そして、なんとなく思ったのです。
　私のほうがすごく程度は軽いけれど似ているなぁって。

　私には、『ひとの言葉』や『話しかたの音色』に異常なほど敏感な特性があります。

　更に、年齢を重ねるほどに、少しずつ我が家の『いびつさ』みたいなものもわかってきました。

　私にはわかることができない理由で、いつも突然激昂する父親や、どんなにがんばっても、私の『できたところ』より『足りないところ』を指摘しつづける母親。自分の『常識』以外は認めず、私の『すきなもの』は『否定』が基本の妹。

　別に、悪意があるわけじゃない。みんな『素直』なだけ。
　『攻撃』の意図なんかない。
　でも、その口調や言葉だけで、私を追いつめるには充分でした。

　家の中に満ちる『ネガティブ』な言葉の奔流。
　元来『ポジティブ』な性質がとても強く、特に現在、自宅療養のため外界との接触が一切ない私には、この環境は『苦行』に近いものでした。

　わからなくて、足りないところをなくしたくて、もっと多様性を知りたくて、本を読む。
　でも、読めば読むほど『選択肢』は増えてゆく。
　気づいてみると、意外と、みんな傷つけあっている。

　『人間』そのものも、あまりきれいなものではないのかもしれない……。
　だんだん、人間という存在そのものが怖くなってゆきました。

　こんな『ばか』な私は、この世界で生きてゆくには『決定的に足りない』のかもしれない。
　だって、なにをしたってやっぱり『きちんと考えられるひと』みたいに素早く『相手にとっての正解』は出せないのだから。

　私は、私はなんで。信じられたらきっと素敵なのに――。

　『痛み』に支配されたまま、でも、一生懸命、今できることをしなければ。

　そう思いながら、半ば強制的につづけていた『読む』という一環の中で出逢った、マチコ先生のお母様のあたたかいコメントの一節。

自分の心だけは、誰にも支配されません。

　なんだか、胸が熱くなりました。まるで、今まで必死に自分を奮いたたせて、言い聞かせようとしていた『なにか』を力強く言語化して、断定してくれたような。救われた心地がしました。

　私の創る作品は、最近なにか『寂寞さ』みたいなものが雑ざるようになりました。

　それはきっともう、なかなか消すことはできないのだと思います。

　でも、一番深いところまで塗りかえて、苦しまなくてもいいのかな。他のかたからしたら『愚か』かもしれなくても、能天気に捉えていいのかな……。

　まだ、きちんと答えは出ていません。

　でも、心は確かに軽くなっている。

　楽しくて、気高い気持ちをいっぱいくれる『プリンセスお母さん』は、すごい！