めいのぼやき17 不利感

バーチャル詰将棋作家の駒井めいです。

1.詰将棋を面白くするキーワード

詰将棋創作の初級者向けにちょっとしたコツを書こうと思います。
「詰将棋を簡単に面白くする方法」
という都合の良いものは当然ないわけです。
しかし、何かないかと最近考えていました。
一つ浮かんだキーワードが「不利感」です。

2.不利感

不利感とは詰将棋でしばしば用いられる用語です。
ちゃんとした定義があるわけではありませんが、
「局所的に見ると不利に見える手」
といったところでしょうか。
一見損に見える手が一手入るだけで、詰将棋はグッと魅力を増します。

3.不利感を演出する技法

この「不利感」を演出する方法は多種多様ですが、一番分かりやすい例が「捨て駒」です。
駒をただで捨てるのは所謂「駒損」なので、局所的に見ると不利です。
大駒を捨てる手が詰将棋でよく用いられるのはそのためです。
不利感が強い手ほど、解答者の第一感を外すことができます。
その「捨て方」を工夫することで不利感を更に強めることができます。

・大駒を紐無しでただ捨てする。
・大駒を二枚捨てる。
・複数の駒が利いている地点に捨てる。
・玉に逃げられそうな地点に捨てる。
・打った駒をすぐに捨てる。

等々…とにかく色々な演出方法があります。
「どういう駒をどう捨てれば不利に見えるか?」
というのを考えるだけで、詰将棋の質はかなり変わると思います。

4.捨て方を学ぶ

「不利感」を念頭に詰将棋を鑑賞してみると、また違った側面が見えてきます。
「この手は面白いな」と思ったら、「何故面白いと思ったのか?」を言語化・抽象化してみましょう。
そうすると、自分の中にどんどん知識がストックされていきます。
あとはそれを可能にする技術さえ身に付けば、原理的には面白い詰将棋が創作できるはずです。

詰将棋を面白くする上で不利感が全てではありませんが、考える一つのきっかけになればと思います。