2020/05/26; コンタクトレンズ体験記

19:00、帰宅。15分で晩ご飯を済ませる。今日の俺にはやることがある。そう、コンタクトをつける練習である。

1分以上かけて丁寧に手を洗えば、準備はOK。包装をゆっくり剥がすと、そこには小さな海が広がる。水底に沈んだコンタクトはさながら宝玉のようだ。潰さぬようにそっと拾い上げ、光にかざしてみる。美しい...目に入れても痛みなど感じないだろう。

古の宝飾品を右手の人差し指に置き、中指で左目の涙袋を引き下げる。さらに左手の中指で睫毛を掴み、目蓋を引っ張り上げる。まもなく、俺の左目は悲鳴を上げた。普段日の目を見ない白目の部分が光に晒され、眼球の水分が一気に乾いていく。白目が充血する。痛い。そんな左目に向かって、容赦なく右手が近づいていく。

うわっ!...たまらず目をつぶってしまった。失敗である。

Youtubeで「コンタクトの付け方」を見てみる。「慣れてください」としか言ってなかったので全く参考にならなかった。やるしかないと腹をくくり、再びコンタクトを指に乗せる。

きっとテンポが大事だろう。一気に行こう。ワン、目の下を開く。ツー、目の上を開く。スリー、コンタクトを入れる!だめかぁ〜。

タライアルアンドエラーを57回ほど繰り返したが、何度やってもコンタクトが目の前でへにゃっとなるだけで、一向に目の中に入らない。なんなんだよこれ。にわかに厳しすぎるだろ。youtubeのコメント欄で古参アピールしている寒いファンかよ。

しかし落ち着け。こういう時は何故入らないのかを冷静に考えることで勝機が見えてくるはずだ。なぜこのコンタクトは入らないのか。ずばり黒目全体が表に出てきていないからである。

眼科の先生にアドバイスされたことを破り、俺は「左手の親指」で目蓋を引っ張り上げることにした。親指だとやたら目蓋を上げやすいことに気がついた。そして右手の中指で涙袋を引っ張り下げ、ちょっと下の方からコンタクトを眼球に近づけていく。え、入った...?入ってるじゃん!

やったーーーーーー!30分以上かかったけど普通に嬉しい!あれ、どうしたんだろうこれ。前が霞んで見えないや。

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