2020/12/22; 面

世の中には、面白くないことって存在しないらしい。

そんな考えが突如浮かんだ。食堂のテレビで、知らない芸人が知らないモノマネをするのを見ていた時のことだ。テレビは小さい上に、自分とテレビの間に15mくらいの距離があったので、文字も読めないし、音もよく聞こえない。ぼんやりとテレビを見つめてはいたが、面白いとも面白くないとも思わなかった。

面白くないことは存在しない...?今テレビで流れているあのよく分からん番組も、面白いというのだろうか。降って沸いた疑問を検証するために、テレビをじっくりと見直してみた。すると、耳を澄ませ目を凝らし、雑踏の中テレビを見ようとする自分の姿勢が、何とも意味わからず、面白い気がしてきた。そうか、物事は常に多面的なんだ。見方を変えると、世界はこんなにも素晴らしい。


俺は会社の寮に住んでいるので、お風呂は共用の大浴場を使う。シャワーのお湯が温まるのを待つ間、近くに世界の素晴らしさが潜んでいないかと辺りを見回した。左を見ると、寮生の1人が顔を洗っている。顔を洗うにしては、ものすごい量の泡だ。大量の泡をたくわえた顔は、1年間髭を剃らなかったサンタさんかのように見えた。サンタさん、と思った自分に驚く。この発想は今の時期じゃなきゃ出て来なかったものではないだろうか。今、12月22日に、たまたま大量の泡で顔を洗う人を見て、サンタさんみたいだと思った。これ、一生に2度となくない?

結局は、見方や気分で面白さは変わるよ、というよくある話だ。これからは、どうせ同じものを見るなら、面白く楽しく過ごしていきたいと思う。面白くないところを見つけて減点するのではなく、面白いところを探して笑える人間でありたい。

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