2020/08/11; 先輩がマスクを外していた

今日の昼下がり、先輩がマスクを外しているのを見た。4月にその先輩と出会ってから、素顔を見たのは初めてのことだった。聞き覚えのある声に見慣れない顔。僕はとっさに、先輩の首にかかってる社員証をチラッと見てしまった。

Twitterの漫画なら、先輩の素顔にドキッとして、ここからロマンスが始まる展開だろう。コロナウイルスが蔓延した世界のラブストーリーである。が、生憎その先輩は男性だ。恋がどうのとかいう話をしたいわけではない。マスクを外すと「あ、この人こんな顔だったんだ!」ってなることあるよね、という話だ。

先輩の顔を見て驚いたということは、俺が「この人はこんな顔だ」というイメージを頭の中で作り上げていたことになる。どうやら人間は「分からないもの」をそのままにしておくのが嫌なようで、気を抜くと「分からないもの」を勝手な想像で埋めてしまう。友達の性格を分かった気になって大きなお世話を働いてしまうとか、ある人の1つの側面をその人全部に敷衍してしまうとか、そういう事故に覚えのある人もいるのではないだろうか。
「覚えのある人もいるのではないだろうか」とか書いているが、人というより俺自身に覚えがあるのである。今回の出来事で改めて気をつけないといけないなぁと感じた。


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