愛すべき、いや愛されるべき「ハムスター」マンガたち
大人になるとだんだんとキャラクターものに抵抗が出てきてしまう。
昔は、ディズニーやサンリオ、サンエックスのキャラクターにハマってはタオルやポーチなどのグッズ集めを楽しんだものだ。けれど、歳を重ねるごとに「大人だしシンプルにまとめとく...?」みたいな背伸びした気持ちが出てしまい、キャラクターものを購入する機会がかなり減ってしまった。
そんな私に今事件が起きている。
そう、LINEスタンプやステッカー、キーホルダー...など私の私生活を徐々に侵食してきているキャラクターがいるのだ。
それが「クソハム」ちゃんだ。
NORICOPO先生の『生きぬけ!爆走!クソハムちゃん』というマンガに登場するハムスター。
とてもカワイイのに気に入らないヤツは喰ってやる...!というクソっぷり。この愛らしくてゆるい見た目に反して、クレイジーな内面のクソハムちゃんに私は心を鷲掴みにされた。
だが、『生きぬけ!爆走!クソハムちゃん』はクソハムちゃんだけでは終わらない。
物語が進むたびに「コビハムちゃん」という、とにかく媚びるぴえんアイのハムスターが登場するのだが、こいつがもうとんでもなく可愛い。
クソハムちゃんとコビハムちゃんはLINEスタンプに始まり、ステッカーという形で私のmac bookにしれっと居座るなど、徐々にだけど確実に私の私生活を侵食してきている。
...そんな私の頭の中にとある思い出が蘇り、そして一つの仮説が浮かんだ。
「ハムスター」というキャラクターは、定期的に私の前に現れて必ずと言って良いほど私の心を鷲掴みにしていくのだと。
今回は、いつの時代も私の心を鷲掴みにしてきた「ハムスター」が登場するマンガについて、当時の思い出と共にご紹介していきたい。
ハムスターの研究レポート|大雪師走先生
物心ついた頃には、すでに実家にあったマンガ、それが『ハムスターの研究レポート』だ。
1988年に連載がスタートした作品で、数あるハムスターマンガの中でもレジェンド的な存在なのではないだろうか。
『金田一少年の事件簿』が大好きな父が、その次くらいに好きなマンガとして実家の本棚を占領していたこちらの作品。(振り幅よ...)
著者である大雪師走先生の俊逸な観察眼から、ハムスターの何気ない行動を4コマエッセイで描いている。
この作品に出会った時には4〜5歳くらいだったのだが、小さくて可愛いハムスターの姿、そして飼い主の予想と期待を裏切る行動を取るところが面白くって夢中になった記憶がある。
この作品によって「ハムスター」という生き物を認知したと言っても過言ではない。
おるちゅばんエビちゅ|伊藤理佐先生
小学校1年生の時に近所のスーパーのカプセルトイで出会った「エビちゅ」。
カプセルトイの中から出てきた「エビちゅ」は、どこか生意気な表情だったけれど、そこがまた可愛くて。私はランドセルに「エビちゅ」のキーホルダーをつけて小学校に通っていた。
当時は、肝心の作品の内容についてはあまり存じ上げなかったが、その後大人になってから『おるちゅばんエビちゅ』を読んで、愛らしい「エビちゅ」がめちゃくちゃ下ネタを連呼することを知った。
今では、韓国の若者の間で「エビちゅ」が大流行している。
「エビちゅ」の愛らしさは国境を越える、恐ろしいハム...。
花丸ハムスター|めで鯛先生
ここからは懐かしきハムスター戦国時代のお話だ。
1997年、小学館「小学二年生」で『とっとこハム太郎』の連載がスタートした。その後、アニメ化され瞬く間に当時小学生だった私たちに『とっとこハム太郎』ブームが到来した。
「ハムハ〜!(意:こんにちは)」と言ったハム語はもちろん、ハム太郎の「とっとこうた」なんて今でも喋れるし歌えるくらいだ。
それくらい『とっとこハム太郎』の勢いは凄かった。
この一大ブームに乗って、クラスではハムスターを飼う子が続出。でも我が家は何故か「ザリガニならOK!それ以外はだめ!」という謎ルールがあったため、ハムスターを飼うことが叶わなかった。この行き場のない「ハム欲」を満たすため、私はマンガに走った。
そこで出会ったのが『花丸ハムスター』だ。
ハムスターの中でも、ジャンガリアンハムスターにフォーカスを当てた日常系4コマエッセイ。個性的なキャラクターのハムスターたちがはっちゃける『とっとこハム太郎』と違って、ほのぼのした『花丸ハムスター』のしげっち、えんどー、プーちゃんにすごく癒されたことを今でも覚えている。
心の奥底にあるのは
結局、ハムスターを飼う夢は叶わず大人になってしまった。
大人になった今なら飼おうと思えば飼えるのだが、あの時に欲しかったのであって今じゃない。でも"あの時"のハム欲が満たされないまま、大人になってしまったからか、今でもこうしてふいにハムスターに心ときめき、こうして「クソハム」ちゃんに夢中になる。
きっと、心の奥底にあるハム欲が私をそうさせるのかもしれない。
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