深く深く

たすけて。だれか。

子供みたいに大声で泣きたくなった。
狂いそうなほど叫びだしたい衝動に駆られた。
またどこか遠いところへ行きたくなる。

けれど実際は、目尻が少し濡れる程度。
もちろん叫んだりもしない。布団に包まるだけ。

なんでそうなったか。
一度に沢山のものを考えすぎて、情報を処理しきれなくなった頭がパンクしたから。

考えていることは大体いつも一緒で、恋人のことと自分のこと、過去と将来のこと。そんな感じだ。

けれどいつもと違う。
明るい方に考えられない。
暗い方に、自分を責める方に、幸せとは真逆の方に考えてしまう。

そんなこと望んでないのに。
幸せになりたくて、なろうとしているのに。

心がつかれた。休みたい。忘れたい。

休めない。忘れられない。またつかれる。

どこかへ行ってしまいたいけれど、そんなことをしたら私の大切な人に心配をかけてしまう。
あの人が私を探して、息を切らしながらそこら中を走り回るのが想像できる。

好きな人を悲しませることはしたくない。

けれど、心が痛い。
助けてほしいと叫んでいる。

泣ければ楽なのに。
叫んでしまえばいいのに。

できない。臆病者。

こんなときでも周りの目や反応を気にする。
大丈夫なふりをする。人の心配をする。

馬鹿だなあ。

心の治し方、覚えたのになあ。
もう大丈夫だと思ってたのにな。

眠ってしまおう。深く深く。

目覚めたら全部忘れてるかな。

向き合うことからは逃げるけど、今の私を守るためにはこうするしかない。

落ち着いたら、またちゃんと考えるよ。

だから今は、忘れさせて。

逃げさせて。

夢の中へ。