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引き寄せなんかに引き寄せられないで

はやりの「引き寄せ」をくつがえすものがある。誰でももっている「イメージのちから」だ。

引き寄せの法則や、言霊というのは、ごく当たり前のことにあらためて気づくための簡単な説明原理だと思う。
ただ、こういった自分を変える方法論というのは、目から鱗が勢いよく落ちた人ほど泥沼のようにはまってしまい、一語一句を盲信することがある。

人は自己探求の、成長の途中にこそ、こういった盲信状態に陥りやすいし、それも必要なプロセスなのではないか、とも思うのだけれど、あまり沼に長くは浸からないようにしたい、

例えば「すごいですね」に対して「いや、自分なんてまだ何もできていません」という返答を、あなたはどちらの意味に捉えるだろう?

謙虚な姿勢なのか。
自分を卑下しているのか。

謙虚なことばだとしたら、この人は自分の技術を日々磨いていて、自負があるけれども、まだまだ目指すべき目標には到達していない、と考えている。

卑下する言葉だとしたら、この人は褒められていても、自分で自分の良さがわからない。いったい自分のどこがいいのだろう?と考えている。

謙虚な人は、自分を信じている。だから、否定はしても「すごいですね」ということばを受け止めている。受け止めるから「すごい」に恥じないようにますます精進しなければと思う。

卑下する人は、自分を疑っている。だから「すごいですね」を本当に否定してしまう。それをいってくれた相手も疑ってしまう。あなたの「すごい」は間違っていますよ?というふうに。

はやりの引き寄せの法則や、言霊の力を考えると、「自分なんてまだまだ」というフレーズ自体がNGとされるだろう。

言葉自体がもっている「まだまだだ」が現実に作用してしまうからだ。

本当にそうだろうか?

僕たちはよく、テレビ番組で一流の職人が「自分なんてまだまだ」といっているのを見ると思う。そのとき、本当に「この人はまだまだだ」なんてイメージをもつだろうか?
むしろ、その職人が、より一流であることを強く印象付けられるんじゃないだろうか。

「まだまだ」という文字だけを抜き出して強くイメージしていたら「まだまだ」な事ばかり引き寄せるかもしれないが、そんな行動自体がネガティヴで不自然だと言えるだろう。

私たちの生活の中で、あるフレーズだけを数字のように抜き出してみることなんて、まずない。

言葉やフレーズは、会話でも、テレビでも、ラジオでも、エッセイでも、人柄や前提が感じられる要素と一緒に目にするものだ。
それは、顔や声だけでなくふるまいや文体からも、そういったたくさんの要素からイメージをつくりあげる。

言葉だけでなく総じてできたイメージによって、引き寄せるもののベクトルは変わるものだということを知っておきたい。

「その人」というちからがあるかないか。その人が自己探求に納得していれば、発する言葉と自己は一致してくる。

その人が自己に納得していなければ、いくら肯定的でポジティブな言葉を述べても違和感のほうが膨らんでしまう。
その人が無理をしてることなんて、人間はすぐわかるから。

人としてのレベルが高いか低いかではなくて、現状の自分を受け入れ等身大で把握できている人は、言葉とその人のイメージがブレない。

目標を実現できてないと思うから「引き寄せ」のせいにしようとしていないだろうか?
気に入らないことばかり「引き寄せ」ているのだとしたら、それは単に「身の程知らず」だから、自己と言葉が一致していないだけなんだろう。

自己と言葉が一致していないと、周りから見ても、それはあべこべでバランスの欠いた人が見えるだけであり、周りも何をどうしてあげればいいのかわからないだろう。

そして、自分の現状を受け入れられない姿勢は、転じて不満になる。不満をイメージしながら日々生きているから、気に入らないことばかり目につく。

周りの対応が気に入らない。環境が気に入らない。そうやって人を遠ざけて、さらなる不満をどんどんとひきよせる。

どれだけポジティブな言葉遣いに気をつけても、不満のイメージの中で使う「言葉遣い」なら言霊は「不満をつくろう」と発動するだろう。

僕は「引き寄せ」というものは確かにあると思う。
しかし、自分やこの世界を、曇ったメガネではなく、正しく等身大で見れることができてはじめて、効果がでてくるものだと考えている。

そのとき「自分がイメージできる自分」がすべての答えだと思うんだ。
それが、自分から見えている世界すべてに影響していく。
それが引き寄せの本質だと思う。

自分自身のイメージが一致していないうちに、引き寄せのハウツーばかりに気を取られては、どんどんブレた世界を生み出していく。

安直な言葉遊びの引き寄せなんかに、引き寄せられないようにしてほしい。


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「自分探し」や「生きづらさ」のことを、ちょっと考えすぎながら書いています。学校でデザイン論や社会起業を教える講師で、福祉やNPO支援が専門のデザイナーです。肩にいるスタンド「unbelievable truth」は出すと首元が蒸れます。

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コメント (9)
akemicroさん
コメントありがとうございます。とっても嬉しいです。
引き寄せは、努力のない欲とは違いますね。外の世界のすべてに自分が責任を持つこと。自分を信じること。そこから初めて引き寄せの効力が発揮されるのかな、と思いました。ありがとうございました。
確かに引き寄せオタクになってはいけないですね。
感じていたことを見事に言葉にしていただいた気がします。
確かに引き寄せはあると思いますが、いつまでも寄りかかっているのは違いますね。
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