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ダンススクールでみた、スペインと日本の国民性の違い

ダンス(と言っても定義が広いので、今回はJAZZ FUNKとかヒールとか今風のダンス)を習いたかったら、東京は学ぶチャンスの宝庫だ。

スクール数が多くて、現役プロの先生から初心者でも学べるようなクラスも多く、生徒のレベルも高い。私は2年東京に住んでいたときに、渋谷の某スクールに通っていて、レベル的には一番上のクラスに出れるくらいで、初心者は参加できない発表会に参加したりしていた。

スペインのマドリッドで自分が満足できるクラスが見つからず、レベルの低さに絶望した私が思う、それでも「東京の環境では勝てない部分」をお伝えしたい。

結論から言ってしまうと、それは個人のバイブスの強さと表現力。

自分にある意味酔ったり、なりきったり、表情をつけたり、そういうエネルギーを持って踊ること。

東京でもある程度レベルの高いクラスになるとみんな技術に加えて、表情をつけたり表現力が高い。でも初心者だと照れてなかなかそうはいかない。ただこの部分が足りないと、見てる側へ何も届いてこないし、お客さんを惹きつけられないし、魅力がない。

一方スペインでは、レベルはそこそこ(大分偉そうに言ってしまいますが)かなと思ったクラスでも、準備体操の後に「フリースタイル」で一人ずつ2エイトくらい(それも決まってなくて、長さは人それぞれ自由)踊る時間で、みんな驚くくらい自己表現するのだ。
数年以上習っているような子は振りもまとまってるので、見ていて本当に楽しい。そして、スペイン人はとても素直なので、よかった人にはみんなから歓声と拍手が起こり、その子は「場をダンスで盛り上げた」ことになる。

これはフラメンコでも同じで、タブラオショーで踊った時に、よければその分反応があるし、よくなければ反応が薄い、またはない、という正直でわかりやすい国民性だ(この話は、セビージャでダンサーしてる日本人から聞いた)

表現力や気持ちを込めること意外に、日本人が平均して負けているのは「フリー」で好きなフリで踊れと言われた時に踊る力。そもそもそのトレーニングをしているクラスは私が知ってる中ではないので当たり前なのかもしれない。というか日本ではこのジャンルでその時間をもうけても、恥ずかしがってやらない→やりたくない→嫌になってやめる。となってしまい成り立たないのかもしれない。

ちなみに、私がいくことを決めたマドリードのクラスは、スクールの方針は緩めで初心者も多いところだったが、一人現役プロダンサーでsim pijama(Becky G、 ナティ・ナターシャ)のバックダンサーをしていたような先生がいて、そのクラスに行った。

他のクラスで教えているような先生もそのクラスには生徒として参加していて、おそらくスクールの中でも一番人気のクラスで常にキャンセル待ち状態。生徒は半分以上は見るからに1年も経験がない子達。それでもみんな入り込み方が凄いのだ。少し照れたりしながら踊っている初心者でも、ウォーキングではお尻をプリプリと振りながら歩いている。クラブ文化も盛んだから素でそういうことができちゃう子が多い。

表情もつけて自分の分かる振り付けを、シンプルでも、思いっきり自分を解放して踊っているとすごくエネルギーを感じる。パワーが出すぎて、体のコントロールが出来ていない生徒もいるけど、初心者レベルでも体全体からエネルギーを出し切れるこの国民性。このエネルギーはすごい。
人を感動させるとか、心を動かすには欠かせない大事な部分なので、この能力が圧倒的にレベルが高いと私は感じた。

初心者という言葉を連呼し過ぎて、自分もプロでもないのに偉そうになってしまっているのだが、他に何と言っていいか分からなかったので容赦いただきたい。

余談だが、感情をダンスに乗せて踊ること、を考えた時に思い出したことがある。
ペルーに住んでいた時に、サルサクラブで相手の男性のモードを感じて感情を感じて踊りながら目を合わせてコミュニケーションをとるようなダンスを楽しんだ後に日本に帰ってきた踊ったら、みんな上手でテクニックはあって綺麗でジェントルマンなんだけど、あんまり楽しくないというのが正直なところだった。全然目が合わないロボットみたいな男性には驚愕した。

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