2020年ありがとうございました
新年が明けた頃、なにか得体の知れない不安を抱えていた私でした。
1月、2月とご依頼の声も少なく、ああこれは年始の直感が当たってるのかも、今年は振るわないかもしれない、、、などと異様に心配していました。新居ではじまる新たな生活に、こんなことではついていけなくなってしまうのではないかという不安でもありました。
けれども(私的なことはさておいても)お仕事のことに関して言えば、特に下半期は有り難いことに忙しくさせて頂くこととなり、この半年はこれまでで一番かもしれないほどイラストレーターとして充実した日々を過ごさせて頂いて、心から感謝の気持ちでいっぱいです。これまで、厳しいものでも自分が頑張りさえすればお約束通りにお引受けできるご依頼経験ばかりで、そう逼迫したことがなかったスケジュールの管理について今年改めて向き合うこととなり、どこが限界値でどこからは調整が必要かなど、自身への学びも多く頂きました。この貴重な下半期を経験できたことに、心から感謝しています。大変ではありましたが、今後もまたこういう、諸先輩方や売れっ子の仲間達のように「繁忙期」を迎えさせて頂けるよう頑張っていきます。
これまで自分は広告媒体へのご依頼を頂く機会が多く、出版関連のお仕事は少なかったのでひとつの目標でもありました。3月に確定申告会場へ書類提出に出向いた帰り、普段寄らない本屋さんへ立ち寄りました。「ざっくりと出版のお仕事、とか言ってるのでは駄目かもしれないな。どんな本のお仕事がしたいのか、はっきりさせたほうがいいよね」と思って本屋さんを眺めて歩き、ビジネス本に載っているイラストレーションの感じが好きだし自分の作風にも合っているんじゃないかな、と感じました。帰ってすぐに、自分なりにサンプルを描いてみました。そのサンプルが今年一番お仕事を呼んでくれて、今年は出版のお声がけをいくつか頂くことができました。とてもとても、ありがたいことです。
そうして今年、たくさんのカットを描かせて頂きました。それぞれのご依頼でそれぞれの課題、経験を積ませて頂き全てが勉強になりました。今後もそうだと思っています。頂いた課題に対してそのときの自分の全力を尽くして、真剣にお応えし続けていきたいです。
それから、大切な来年への目標もあります。クライアントワークを志してきたこれまでとは少し違う活動です。実を言えば春頃から少しずつその準備を進めはじめてはいたのですが、お仕事の合間をぬって進めていこうと思っていたところ、今月より翌月、翌月より翌々月、とご依頼のウェイトが増えていき、そのうえお仕事があんまり嬉しくて楽しくて、そちらへのウェイトをどんどんかけられなくなっていき…嬉しい悲鳴とはまさにこのことという感じで…けれど少しずつ進めた中でも実は嬉しい成果もひとつ出せたのです。小さな成果ではありますが、気が小さいのですぐ「私にはむいてない」とか「もっとすごい人たちがいるから私がやってもだめ」とか思ってしまうので、諦めずにやってきてよかったなあ…と実感でき嬉しかったです。自信を持たずすぐ諦めようとする私に、こちらの活動に関してあたたかな声をかけてくださった方にとても感謝しています。現状のスケジュールでは、年明けの予定はこの下半期の容量まではないと思うので、新年からは一層そちらへの努力もして、新たな目標も絶対に叶えにいくぞ!という気持ちで頑張ります。
今年も一年、増渕芽久美を大変ありがとうございました。ご依頼をくださった方、こんなイラストレーターがいるんだとわたしを知って下さった方、ご興味を持って下さった方、声をかけて下さった方、仲良くして下さった方、遠くから気にかけて下さった方も、本当にありがとうございました。年の初めに祖母を亡くしましたので、お年賀状でのご挨拶を今年は控えさせて頂きますが、心よりの感謝をここで。新年もどうぞよろしくお願い致します。みなさま、良いお年をお迎え下さいませ。